この世界には、お金持ちもいれば、貧しい人もいます。
お金持ちの家に生まれれば、一生働かずに生きていくことができます。
一方で、貧しい人の家に生まれれば、苦しい思いをします。
それでは、どうすれば、みんながお金を分け合いながら生活できるのでしょうか?
「資本主義」「社会主義」「共産主義」の3つの考え方を紹介します。
資本主義
資本主義とは、自分で稼いだお金を自分のものにしようというのです。
自分で頑張った分だけ、お金を自分のもんにできます。
例えば、頑張って勉強して、医師になれば、たくさん稼ぐことができます。
頑張った分だけお金を稼げるので、みんながモチベーションをもって働くことができます。
このように、頑張った分だけ自分の取り分になるということを「自由」にお金稼ぎができるといいます。
自由とは、お金を政府が管理しないという意味で「自由」です。
自分の儲けを独り占めするのが、資本主義です。
困ってる人がいても、基本的には助けません。
資本主義では、みんなが利己的でも、みんなに利益があると考えられています。
なぜなら、利己的な人どうしは、競争をするからです。
競争することで、世の中によりよい商品が生まれます。
メリット
資本主義の1つ目のメリットは、頑張れば誰でも金持ちになれる可能性があることです。
資本主義では、稼いだお金を、そのまま自分の取り分にすることができます。
成功すればたくさんの富を手にするかもしれません。
「運がいい人」が良い思いをするのが資本主義です。
2つ目のメリットは、経済発展しやすいことです。
競争のなかで、それぞれの会社がよりよい商品を作るので、経済が発展していきます。
資本主義は、みんなが一生懸命に頑張るようになる仕組みです。
勝てば幸福だし、負ければ不幸です。
みんな勝つために死に物狂いで働きます。
そのため、国全体で見ると、経済が発展しやすいのです。
3つ目のメリットは、自由な商売ができることです。
みんな自由に好きな職業に就けることができます。
そのため、自分の得意なことを生かすことができます。
だから、個人のスキルを生かすことができます。
デメリット
資本主義の1つ目のデメリットは、貧富の格差が生まれることです。
資本主義は、「だれでも」お金持ちになれる可能性があります。
しかし、親がお金持ちの家の子どもは有利です。
親がお金持ちなら、質の高い塾に通うことができて、いい大学を出て、いい仕事につける可能性が高いです。
一方で、親が貧乏な家の子どもは、塾に通えないかもしれません。
このようにして、お金持ちの家の子どもは、もっとお金持ちになり、貧乏な家の子どもは、もっと貧乏になるのです。
資本主義では「努力すれば誰でもお金持ちになれる」と表向きでは言っています。
しかし、本当のところは、十分に教育を受けた人が、お金持ちになりやすいのです。
2つ目のデメリットは、商品を作りすぎることです。
資本主義は競争社会なので、会社の人たちは、商品をよりたくさん売っていこうと努力します。
ただ、どれくらい売れるのかわからないため、「売りたい時に、商品がない」ということがないように、多めに作っておきます。
大量生産によって多くの資源をムダ遣いします。
さらに、作ったものをどんどん捨ててしまうので、環境を破壊してしまいます。
また、商品を作りすぎることで、失業者を増やしてしまいます。
資本主義の3つ目のデメリットは、独占企業が生まれてしまうことです。
会社どうしが競争していると、一つの会社が勝ち残ってしまうことがあります。
ある会社がずっと勝ち続けるのは、良くないです。
なぜなら、一つの会社が強すぎると、他の会社が育たなくなるからです。
こうなると、お客さんは、選択肢がなくなります。
その会社のサービスが悪くても、他の会社を選ぶことができません。
例えば、航空会社がたった一つしかない場合は、お客さんは旅行する時に、必ずその会社を利用する必要があります。
どんなにサービスが最悪でも、他に選択肢がないのです。
ライバルがいないということは、会社にとってはもっとサービスの質をよくしようというモチベーションがなくなってしまいがちです。
一つの会社が強すぎて、競争にならない状態は、良くない状態です。
社会主義
社会主義とは、稼いだお金をみんなで分け合おうというものです。
「社会」とは「集団」ということです。
競争するのではなくて、集団として「みんなで助け合おう」というのが社会主義です。
社会主義では、政府がモノの生産をコントロールするというやり方をします。
つまり、企業に自由にやらせないで、政府が計画をするのです。
メリット
社会主義の一つ目のメリットは、幸せをみんなで分け合うことができることです。
社会主義では、努力よりも、思いやりが大切です。
競争よりも協調が重視されます。
社会主義では、みんなが平等に給料をもらい、誰も失業しません。
仕事ができる人が、できない人をフォローするので、大丈夫なのです。
社会主義の2つ目のメリットは、資源のムダ遣いがなくなることです。
資本主義は、過剰生産が起きるので、資源がムダに遣われますが、社会主義では、そんなことは起きません。
計画的に生産をするので、作り過ぎを防ぐことができるのです。
あらかじめ計画されたようにお金稼ぎをするので、失業もなくなります。
デメリット
社会主義の1つ目のデメリットは、頑張らない人も給料をもらえてしまうことです。
つまり、頑張っても、サボっても、報酬が変わりません。
サボるなど利己的なメンバーがいると、「自分も利己的な行動を持った方が合理的だ」と周りの人が考えるようになります。
頑張らない人が出てくると、サボっていないかお互いが監視するようになってしまうのです。
2つ目のデメリットは計画が正確には予測できないことです。
どんなに頭がいい人でも、正確に未来を想像するのは、難しいです。
予想が外れると、もの不足や、経済混乱が起こってしまいます。
3つ目のデメリットは支配者と非支配者という新たな不平等が生まれることです。
共産主義
共産主義とは、社会主義の「政府が無くなった」バージョンです。
メリット
メリットは、みんなが豊かになるので、争い事が起きなくなることです。
資源やお金をめぐる争い事は起きないので、戦争も起きません。
戦争が起きないから、そもそも国家という存在がなくなります。
国境がなくなるので、世界がひとつになります。
世界中が共産主義になれば、みんなが平等に平和に暮らせます。
デメリット
共産主義のデメリットは、理想を守るために、共産主義に反する人の粛清や言論・表現の取り締まりが始まることです。
まとめ
共産主義と社会主義は、平等を大切にしていて、資本主義は、自由を大切にしています。
また、資本主義と社会主義には政府がありますが、共産主義では、政府が必要なくなります。