幸せな人生とは
生きていくには、お金が必要です。
そのため、働いてもらえる給料は、多い方がいいです。
また、買い物をする時は、安い商品を買えると嬉しいです。
買い物をするなら、安く買える方がいいのです。
ちなみに「商品の値段の平均」のことを「物価」と言います。
物価が安いと、安く買い物ができます。
お金があると、人生が楽になります。
幸せな人生とは、たくさんの給料を手に入れながら、安く買い物をすることができる人生です。
スタグフレーション
スタグフレーションとは、給料は安いのに、物価が高い状態です。
つまり、財布に入ってくるお金は少ないのに、出て行くお金は多い状態です。
幸せな人生とは、真逆です。
スタグフレーションの時は、大人たちは、大変です。
なぜなら、お金に困る生活をする必要があるからです。
お金に困ると、人々は節約を始めます。
つまり、買い物を控えるようになります。
不景気
日本にいる全員が、いっせいに買い物をやめると、どうなるでしょうか?
お店の商品が売れなくなります。
お店の商品が売れない時は、お店が儲かりません。
お店が儲かっていないので、従業員に給料を払うことができません。
お店がお金に困っている時は、まずは、従業員の給料を減らすのです。
そのため、不景気の時は、給料が下がります。
こうなると、従業員は悲しいです。
自分の給料が少なくなれば、誰でも焦ります。
給料が下がった人たちは、お金に困るようになります。
そのため、今まで以上に一生懸命に貯金をする必要があります。
節約する人が増えればさらにお店が儲かりづらくなります。
ここまでのことをまとめると、節約する人が増える→商品が売れない→お店が儲からない→給料が減る、ということです。
以上が、給料が下がる仕組みでした。
物価が上がる
1970年代に、物価がものすごく高くなったことがありました。
その理由は、商品が手に入りづらくなったからです。
例えば、トイレットペーパーがお店に1個しかないとします。
お客さんが商品を奪い合うので、商品は高くても売れます。
買いたい人が多いのに、お店の商品が少ないと、オークションみたいに商品の値段は高くなっていきます。
そのため、お店は商品の値段を上げます。
お客さんが商品を奪い合う時は、商品の値段が高くなります。
また、一部のお客さんが商品を奪い合っていると、他のお客さんも、奪い合いに参加するようになります。
なぜなら「みんながトイレットペーパーを買い占めているなら、今すぐ買わないと売り切れちゃう」と焦っているからです。
こうなると、商品を作るのが間に合わなくなっていきます。
みんなが商品を買いたいけど、買い物したい人が多すぎて、作るのが間に間に合わないのです。
こうして、商品の値段が高くなり「高い金額を払える人だけが、商品を買える」という状態ができあがります。
物価が上がると、大変です。
その理由は、お客さんは、生活するために、たくさんのお金を使わないといけないからです。
物価が高い時は、お財布の中のお金がどんどん減ってしまいます。
昔の経済学
昔は、スタグフレーションは、存在しないと考えられていました。
なぜなら、普通は、給料が下がれば、人々が貯金をするからです。
貯金する人が増えれば、モノが売れません。
モノが売れないなら、お店は、モノの値段を安くして、売り切ろうと頑張ります。
昔は、給料が安くなっても問題ないと考えられていました。
その理由は、給料が安くなっても、モノの値段も安くなれば、買い物できる量は変わらないからです。
給料が下がっても、物価も一緒に下がれば、買えるモノの量は変わりません。
そのため、経済は放っておけば解決すると考えられていました。
1960年代以降の経済学
スタグフレーションは、不思議です。
人々はお金に困っているのに、それでも、商品を奪い合いながら買い物をします。
給料が下がっているのに、人々が買い物をやめないので、物価が下がらないのです。
日本で過去にスタグフレーションが発生したのは1970年代の石油危機です。
石油危機の時には、石油の価格が4倍になったため、いろんな商品が値上がりしました。
トイレットペーパーの買い占めが行われたのもこの時です。
給料が増えない時の解決策
給料が増えない時の解決策は、国内のお金を増やすことです。
なぜなら、お財布の中のお金が増えたら、モノが買えるようになるからです。
言い換えると、モノの値段が高くても売れるようになります。
そのため、お店の人は、モノの値段を上げます。
そして、従業員の給料が増えるので、景気が良くなります。
給料が増えた人は買い物をします。
お店の商品が売れるようになれば、景気が良くなります。
物価が高すぎる時の解決策
物価が高すぎる時の解決策は、国内のお金を減らすことです。
国内のお金の量が減れば、人々のお財布の中のお金の量が減ります。
こうなると、買い物をしたくても、お金がないので買えません。
人々が「お金がない」という状態になれば、買い物をやめてくれます。
スタグフレーションを解決できない理由
スタグフレーションは、解決が難しいです。
ふつうの不況の場合、世の中のお金の量を増やすと、景気が回復します。
しかし、スタグフレーションの場合は、政府は、国のお金を増やすことができません。
なぜなら、モノの値段が上がっている時に、世の中のお金を増やしたら、モノの値段がさらに上がってしまうからです。
モノの値段が上がるということは、通貨の価値が下がっているということです。
モノの値段が爆上がりしてしまうと、通貨の価値が爆下がりしてしまうのです。
もし、お財布の中のお金が増えたら、もっと買い物をしたくなってしまいます。
つまり、モノが高くても売れる状態です。
だから、どんどんモノの値段が爆上がりしてしまいます。
これは、「狂乱物価」と呼ばれる良くない状態です。
だから、政府は、まずはモノの値段が爆上がりするのを、防がないといけません。
なので、スタグフレーションの場合は、政府は、金融引き締めをします。
スタグフレーションの時は、国内のお金を減らすことが大切です。
もし、お財布の中のお金が減ったら、買い物したくてもできません。
そのため、狂乱物価を抑えることができるのです。
しかし、解決できるのは、インフレだけです。
不況は解決できません。
インフレと不況を同時に解決することはできません。
どちらかを先に解決しないといけないのです。
インフレと不況が起きた時は、まずはインフレを止めることが大切だと言われています。
なぜなら、物価の上昇に歯止めがきかなくなると、自国通貨の暴落という状況に陥りかねないからです。