流動性の罠とは?漫画で分かりやすく

ケインズ
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流動性の罠とは「もう金融政策は役に立たない」となってしまう状態のことです。

なぜそんなことになるのか、見ていきます。

投資家って誰?

流動性のワナの話をする時に「投資家」という言葉が「設備投資(民間投資)をする人」を指してる場合と、「債券を買う人」を指してる場合があります。

そのため「投資家」という文字を見たら、どちらの投資家を指しているのか、注意する必要があります。

金利とは?

「金利」という言葉は「銀行の金利」を指してる場合と、「債券の金利」を指してる場合があります。

そのため「金利」という文字を見たら、どちらを指しているのか、注意する必要があります。

私の考えでは、今のネット上では、金利がどっちを指してるのか、意見が分かれてるように見えます。

私は「金利」は「銀行の金利」を指しているのだと解釈しています。

ちなみに、「金利」と「利子率」は同じ意味です。

通常の金融政策

まず、通常の金融政策についてです。

通常とは、流動性のワナがないケースのことです。

通常であれば、金融政策をすると、景気が良くなります。

金融政策とは、国のお金の量を増やして、景気を良くしようとすることです。

流れとしては

国のお金の量が増える

銀行の利子率が下がる

企業はお金を借りて設備投資をする

経済が回って景気が良くなる

という順番です。

通常であれば、金利を下げると景気が良くなります。

その理由は、金利が低い時にお金を借りた方がトクだからです。

銀行の金利は、上がったり下がったりします。

銀行の金利が下がると、企業にとって、お金が借りやすいです。

お金を借りた後に、お金を返す時に、利子が小さいからです。

お金を返す時は、ちょっと増やして返さないといけないというルールがありますが、その増える分が少なくて済むのです。

銀行の金利が下がれは、企業の設備投資が増えます。

また、企業の設備投資が増えれば景気が良くなります。

銀行の金利が下がると、お金を借りる人が増えます。

銀行の金利を下げるということは、銀行からお金を安く借りられるということです。

銀行からお金を借りるのは、企業の上の人たちです。

銀行からお金を借りて、工場を大きくしたり、ロボットを買ったりします。

そうすれば、よりたくさんの商品をつくれるようになります。

銀行からお金を借りて、工場を大きくすれば、今までよりも儲けやすくなるのです。

たくさん儲けることができれば、銀行にお金を返した後も、儲け続けることができます。

このように銀行からお金を借りて、工場を大きくしたりすることを「設備投資」と言います。

設備投資が増えると景気が良くなります。

その理由は、工場を大きくする時に、建物を建てる建築会社が儲かるからです。

また、ロボットを買えば、ロボットを作った人が儲かります。

設備投資が増えれば、たくさんの人が儲かって、景気が良くなります。

このように銀行の金利を下げることで、景気の回復を目指すことを「金融政策」と言います。

銀行の金利が下がると、企業は「銀行からお金を借りてでも、新しい設備投資をしよう」という気持ちになります。

設備投資が増えれば景気が良くなります。

だから、景気が悪い時には銀行の金利を下げればいいのです。

銀行の金利を下げる方法

銀行の利子率を下げる方法は、債券を買う人を増やすことです。

そのために、国のお金を増やしてあげることも大切です。

人々は、お金を得ると債券を買います。

国のお金が増えると、そのお金を使って債券を買う人が増えます。

債券を買う人が増えると、銀行の金利が下がります。

債券を買う人が増えれば、景気が良くなるのです。

景気を良くしたい時は、債券を買う人を増やして、銀行の金利を下げて、設備投資を増やすのです。

ところで、債券とは何でしょうか?

債券とは、お金と交換できる紙です。

債券を買う人が増えると、債券の価格が上がります。

そして、債券を買う人が増えて、債券価格が上がると、銀行の金利が下がります。

債券価格が上がることで、銀行の金利が下がる理由は、私も分かりません。

「債券価格が上がったら、銀行の金利が下がる」というのは、丸暗記しました。

逆に、債券の人気がなくなって、債券が売れなくなると、銀行の金利は下がらなくなります。

債券市場

債券は、国民どうしで売買することができます。

国民どうしで債券を売買する場所を「債券市場」と言います。

債券を安く買って高く売ると、儲けることができます。

債券は転売することで儲けることができます。

そのため、債券を安く買って高く売る転売ヤーもいます。

債券の値段は上がったり下がったりします。

債券を買う人が増えると、債券が人気になります。

債券が人気の時は、債券価格が高くなります。

債券で儲けるコツは、安く買って高く売ることです。

そのため、債券の値段が上がってピークになったと思ったタイミングで売るのが大切です。

債券の価格がピークになっている時は、誰も債券を買いません。

債券の価格が高い時に、債券を買ったら損をしてしまいます。

債券を買うなら、安い時に買う必要があります。

そのため、ピークの時は債券を買いません。

ピークというのは「これから債券の値段が下がるだろうなぁ」とみんなが予想した時です。

債券は、安く買って高く売るためのものです。

そのため「これから値段が下がる」と予想した時は、債券を「今の高い値段で売ろう」と考えます。

そのため、たくさんの人が同時に債券を売ります。

たくさんの人が債券を売る時、手放したい人が多いのに、欲しい人は少ないのです。

そんな時、債券の人気は下がります。

債券価格がピークになってる時は、人々は債券を買いません。

債券ではなくて、お金を持っていたいと考えるようになります。

この時の「お金を持っていたい」という気持ちを「貨幣需要」と言います。

債券の人気が下がると、貨幣需要が高くなります。

貨幣需要は「債券を買いたくない」という気持ちのことです。

貨幣需要

貨幣需要とは、お金を「現金」や「預金」の形で持っておきたいという人の気持ちのことです。

人は、資産を、貨幣という形で持っていてもいいし、債券という形で持っていても良いです。

貨幣需要とは、債券ではなくて貨幣で、資産を持ちたいという気持ちのことです。

「貨幣を持っておいたい」=「債券を買わない」です。

流動性のワナが起きる

貨幣需要が高い時は、流動性のワナが起きます。

人々が「今は、債券を買わない方がいい」という気持ちになってる時は、金融政策をしても景気が良くならないのです。

金融政策とは、国のお金を増やすことです。

国のお金が増えると、国民がお金持つようになります。

この時、政府は国民に「債券を買って欲しい」と考えています。

お金を得た国民が債券を買ってくれれば、銀行の金利が下がって景気が良くなるからです。

しかし、人々が「債券を買いたくない」と思っている時は、国のお金を増やしても、債券を買う人が増えません。

流動性のワナの時は、金融緩和で国のお金を増やしても、人々が債券を買おうとしません。

債券を買う人が増えないので、銀行の金利は下がりません。

通常であれば、国のお金が増えると、そのお金を使って債券を買う人が増えます。

でも、流動性のワナの時は、国のお金を増やしても、人々は債券を買わないのです。

債券を買う人がいなくなる

債券の価格は変わらない

銀行の金利が変わらない

企業は設備投資をしない

景気は良くならない

理想は、国民にお金を渡して、国民が債券を買って、銀行の利子率が下がって、設備投資が増えるという流れです。

しかし、流動性のワナの時は、国民にお金をあげても、国民は債券を買いません。

債券が人気にならないから、債券価格は変わりません。

債券価格が変わらない時は、銀行の金利も変わりません。

銀行の金利が下がらないから、設備投資が増えないので、景気がが良くならないのです。

投機的動機

流動性のワナの時に人々が債券を買わなくなるのは、投機的動機です。

債券の価格が落ちそうな時は、債券を買いません。

これを「投機的動機」と言います。

債券価格がピークの時は「将来、債券価格が下落しそう」という気持ちにさせます。

債券価格が将来下落しそうだから、危険な債券ではなく、お金で持っていようと考えるのです。

通常であれば、金融政策で国のお金を増やしたら、人々はそのお金を使って債券を買ってくれるはずです。

債券が人気になれば、債券価格が上がって、銀行の金利が下がります。

しかし、国にお金が溢れていても、国民が債券を買わない時は、銀行の金利が下がりません。

このような流動性のワナの状態では、国のお金を増やしても、景気を良くすることができないのです。

ケインズの意見

流動性の罠について話したのはケインズです。

ケインズは「流動性の罠の時は、金融政策が役に立たなくなってしまう」と考えました。

そのため「景気が悪いときは、金融政策だけじゃなくて、それ以外のこともやろう」と提案しています。

そのため「失業者を減らす方法である財政政策も必要である」と主張しています。

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