素直じゃない理由
自分の才能を開花させようとしている人は、素直じゃありません。
なぜなら、自分に合わないと思ったものを拒否するからです。
彼らには、抑え込むことのできない強い意志があります。
クラスメイトとや、グループの人たちから「異端だ」と思われても構わないと思えるほどの意志の強さなのです。
自分の本音がどんな結論を出すにせよ、自分の本音に従って生きていくのが良いと、ミルは主張します。
なぜなら、自分の本音に耳を傾けないと、才能を見つけることができないからです。
才能が潰れる理由
才能を持って生まれた人でも「悪い環境」に身を置いていると、才能が潰れてしまいます。
「悪い環境」とは、平均的な性格じゃない人が、「変だ」「異端だ」と言われる場所のことです。
平均的な性格を目指していれば、平均的なことしかできなくなります。
しかし、才能とは、平均的じゃないから、才能なのです。
平均的であることを求められる環境で、才能を開花させることは難しいのです。
自由じゃない社会
自由がない世界では、自分の本音に耳を傾ける人が、周りから叩かれてしまいます。
そんな社会で生きる人々は、自分の意志を誤魔化しながらの人生を送るしかありません。
自由がない社会で生きる人は、「変だ」「異端だ」と言われることへの恐怖を感じながら、生活することになります。
そんな恐怖に苛まれていたら、理性がおじけづいて、才能を開花させられないのです。
自由が大切な理由
思想の自由が大切なのは、天才のためだけではありません。
むしろ、平均的な人の知性が磨かれるようになるためにも、自由は必要です。
もし、「常識に疑問を持ってはいけない」という暗黙の了解があると、人々の精神は育たないとミルは言います。
討論があるから、国民の知性が根底から掻き立てられるのです。
反論
反論として「常識とは先人の知恵だ」という意見があるかもしれません。
人々が常識を大切にするのは、今まで、その常識が受け入れられているからです。
「こうしたら人を不快にさせずに意思疎通ができる」というアイディアの積み重なりが、「常識」なわけです。
だから、他人を不快にさせたくないなら、常識に従うべきである、という考え方もあります。
ミルの意見
今まで、常識が受け入れられて来たからといって、常識を受け入れるように「強制」するのは、間違っていると、ミルは主張します。
「今まで、否定されて来なかったから」という理由で「否定してはいけない」とするのは、良くないのです。
最後に
自由な雰囲気がある環境の中で、人類を発展させるアイディアが生まれます。
たしかに、討論や反論は、負けたら悔しいです。
しかし、討論があるから、国が発展します。
もし「普通になる努力」を強制されてしまうと、人の才能が潰されてしまうのです。