「日銀がジャンジャンお札を刷ればデフレは止まる」という説はなんだったのか?イラストで解説

アベノミクス
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日銀

日銀とは、日本銀行のことです。

日本銀行は、お金を刷ることができる場所です。

ちなみに、「お金を刷る」と「お金を作る」は、同じ意味です。

ジャンジャンお金を刷る

「ジャンジャン」とは、「たくさん」という意味です。

日本銀行は、「たくさんお金を刷るべきだ」というのが安倍政権での考え方でした。

その理由は、デフレという問題を解決したかったからです。

お金が増えると、デフレが止まる

安倍政権では、「お金が増えると、デフレが止まる」という考え方がありました。

その考え方は、「貨幣数量説」と呼ばれます。

貨幣数量説について説明します。

貨幣数量説とは、世の中のお金の量が増えると、物価が上がるという考え方です。

また、世の中のお金の量が減ると、物価が下がるということです。

つまり、物価が上がるかどうかは、「世の中のお金の量」が重要であるということです。

ちなみに「世の中」とは、「国内」とか「日本」というようなニュアンスです。

まず、世の中のお金の量が増えた場合について考えていきます。

 

世の中のお金が増えると、人々の給料が高くなります。

給料をもらった人は、パン屋で買い物をします。

国民(お客さん)がお金をたくさん持ってるということです。

こんな時は、パンが良く売れます。

パンが売れるなら、パン屋さんは、パンの値段を高くします。

良く売れる時は、モノの値段は高くなるのです。

こうして、物価が上がります。

一方で、世の中のお金の量が減った場合について考えていきます。

世の中のお金の量が減れば、労働者がもらう給料は少なくなります。

給料が少ない時、労働者は、あまり買い物ができません。

パンが売れ残ると、パン屋さんは、パンを値下げします。

すると、人々は、値下げしたタイミングでパンを買うようになります。

つまり、パンの価格はどんどん安くなるのです。

どんどん値下がりしてしまうことを「デフレ」と言います。

安倍政権は、デフレを止めようとした

安倍政権は、デフレを止めようと、頑張りました。

デフレを止めるということは、物価や給料を高くするということです

人々の給料を高くすることで、モノが売れる経済を作っていこうとしたのです。

安倍政権は、ケインズ経済学を参考にしていました。

ケインズ経済学では、「お客さんがお金を持っていたら、景気が良くなる」と考えられています。

だから、安倍政権でも、国民にお金が行き渡るように頑張りました。

そのために、日本銀行がジャンジャンお金を刷りました。

お金をジャンジャン刷ることを、量的緩和と言います。

世の中のお金の量を増やす方法

世の中のお金を増やす方法は、いくつかあります。

そのうちの一つが量的緩和です。

量的緩和とは、お金をたくさん作ることです。

しかし、お金を作る時に、ルールがあります。

それは、政府が国債を発行して、それとお金を交換するという形で、政府にお金を渡すということです。

政府がお金を得るためには、政府がどんどん国債を発行して、日本銀行に買ってもらう必要があるのです。

日本銀行とは、お金を作る場所です。

無限にお金を作ることができます。

政府が国債を大量に作っても、日本銀行が国債とお金を交換してくれます。

つまり、政府は無限に、国債を売り続けることができます。

言い方を変えると、政府は、無限にお金を得ることができるのです。

日本銀行が国債を買えば、政府は、お金を手に入れます。

そしたら、そのお金をいろいろなことに使えます。

政府がお金を使うと、世の中のお金の量が増えます。

「世の中のお金の量が増えること」は、「国民が一斉にお金持ちになる」ようなものです。

世の中のお金が増えれば、景気が良くなるのです。

でも、このような説明の仕方をすると、専門家からツッコミをいれられてしまうので、一つ、補足があります。

それは、国債の市中消化の原則というルールについてです。

これは、「日本銀行は政府から国債を買ってはいけない」というルールです。

政府は、日本銀行に、直接、国債を売ることができません。

なので、政府は、作った国債を銀行に売ります。

そして、銀行が日本銀行に国債を売ります。

また、国債はお金と交換されます。

そのため、お金は日本銀行から銀行に移動した後、銀行から政府に移動します。

結局、どうだったのか?

「日銀がジャンジャンお札を刷ればデフレは止まる」という考え方の下に始まった量的緩和は、結局どうだったのでしょうか?

結論から言うと、あまりモノが売れるようにはなりませんでした。

なぜでしょうか?

その理由は、日本の国民は、お金を持っていても、使わないからです。

ここでいう国民とは、個人だけでなく企業も含まれます。

日本の企業は、お金を持っているのに、お金を使っていないのです。

お客さんがお金を使わないので、お店は儲からず、モノの生産も増えませんでした。

お客さんがお金を持っていても、生産量が増えなければ、経済が発展しないのです。

なぜ、経済が発展しなかったのか

政府と日銀の予想では、「量的緩和をしたら、みんながインフレを恐れて、買い物をするだろう」となっていました。

人々は、インフレになることを予想すると、急いで買い物をするはずです。

インフレになるなら、急いで買い物をした方がいいのです。

政府や日本銀行の予想では、日本銀行がお金をたくさん刷ることで、人々がインフレを予想するだろう、となっていました。

人々がインフレを予想すると、「早く買い物をしなければいけない」という焦りのムードが広がります。

お客さんが焦って買い物をすると、モノが売れるようになります。

買い物をする人が増えたら、経済が良くなるのです。

つまり、日本銀行がジャンジャンお金を刷ったらモノが良く売れるようになり、経済が良く回るようになるだろうと考えられていました。

しかし、現実には、買い物をする人が増えませんでした。

その理由は、国民が無反応だったからです。

日本銀行がジャンジャンお金を刷っても、国民は「早く買い物しなきゃ!!」とはならなかったのです。

それで、買い物をする人が増えなかったので、経済は良くならなかったのです。

ちなみに、「買い物をする人が増えない」ことを「実体経済に影響しない」と言います。

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