【ハイエク】計画経済のデメリットをイラストで分かりやすく解説

ハイエク
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ハイエクは、計画経済は良くないと考えました。

また、計画経済ではなくて競争経済の方が良いと主張しました。

どんな考え方だったのか見ていきます。

計画経済

まず、計画経済がどのようにして生まれたのかを見ていきます。

計画経済のアイデアを考えたのはマルクスです。

マルクスが生きていた時代は、会社の競争が激しくなっていました。

小さな会社は潰れ、大きな会社に吸収されていきました。

大きな会社がどんどん大きくなる様子をみて、マルクスは、いつかは一つの会社しか生き残らなくなる、と考えました。

会社が一つだけになったら、競争はなくなります。

生き残った会社が利益を独占して儲けまくるようになります。

マルクスは「技術が進めば、競争がなくなる」と考えました。

そして、一つの会社だけが儲かるようになります。

マルクスは、これを「産業の集中」と呼びました。

でも、それはあまりに危険すぎるから、政府が管理するべきだと主張しました。

なぜ、小さな会社は潰れてしまうのでしょうか?

それは、大きな会社は、大量生産ができるからです。

大きな機械を使って、商品を一気にたくさん作れるので、生産コストを安く抑えれます。

大きな会社の方が商品を安く売ることができるので、人気になります。

大きな会社の方が商品を安く売れるので、小さな会社は勝ち目がないのです。

そのため、政府が、どの会社で何を作るのかを計画するべきだとマルクスは考えました。

これを「計画経済」と言います。

ハイエクの考え

しかし、ハイエクは、計画経済は危険だと主張しました。

なぜなら、政府が全ての会社の状況を把握することは不可能だからです。

考えるべきことがあまりにも多くて、全体像を把握することができないのです。

世の中には、たくさんの会社があります。

それぞれの会社は、いろんなことを決めています。

商品の値段をいくらにするのか?

商品を何個作るのか?

何人、人を雇うのか?

従業員の給料をいくらにするのか?

たくさんの人がいろんなことを決めています。

その役割を政府が全て担うことはできません。

社会が複雑になっていってるからこそ、計画経済では対応できないとハイエクは考えます。

競争経済

競争経済では、個人がそれぞれ考えて行動します。

もっと労働者に働いて欲しいときには、給料を高くしたり

逆に誰でもできるようなお仕事なら、給料を安くして、安く働いてくれるような人を呼び寄せたりします。

価格メカニズムがあるから、政府の人がいろいろ考えなくても上手くいきます。

国民に自由に、やらせておけば、売り手と買い手が納得する価格になるようにお互いに交渉をするので、価格が上手く決まるのです。

政府が、全ての商品の値段を管理するのはできません。

その理由は、いろんな人が持っているニーズを理解することができないからです。

競争は人類を進歩させる

ハイエクは競争社会に賛成しています。

その理由は、競争は人類を進歩させるからです。

競争社会の中で私たちは、個人が持ってるそれぞれの知識を信じて生きています。

もし、マルクスが提案したように、政府が全てを計画するようになれば、1人の人間の知識に頼る必要が出てきます。

しかし、もし、政府の人が持ってる知識だけに従って国民が生きてたら、現代のような多様化を実現することはできなかっただろうと、ハイエクは考えます。

人間が手探りで経済活動を行ってきたおかげで、計画されていたもの以上の文明が発達したのです。

文明が複雑になるほど、政府が管理できるようなものではなくなっていきます。

人類の進歩は、計画して行えるようなものではありません。

意図的に計画された通りに動くのではなくて、それぞれの人間がいろいろ挑戦したり、失敗したりしてくれる中で、新しい技術が生まれます。

人は利己的

私たちは、資源を巡って争奪戦をおこなっています。

限りある食べ物を誰が手に入れるのか?

お店で売ってる商品は誰のものになるのか?

競争経済では、その争奪戦は、お金で解決します。

国民がみんなが喜ぶように、資源を分配することは無理だ、とハイエクは言います。

競争経済では「人間は利己的である」と言われています。

実際は、そうではありません。

人は、自分の家族や友達を大切にします。

しかし、人間の想像力には限りがあり、社会全体の全員のニーズを把握することはできません。

人間が気にかけられるのは、人類全体のほんの一部に過ぎません。

そういう意味で、人間は自分の利益を追求したり、自分のすぐ近くにいる人を幸せにすることを程度の能力しかないのです。

しかし、競争経済では、それでも、社会がうまく回るようにできてきます。

Aさんが持ってる目的は、自分を幸せにすることかもしれません。

または、Aさんの家族や友達を幸せにすることかもしれません。

さらには、遠く離れた人々まで喜ばせるために働いているのかもしれません。

Aさんが自己中な人なのか?他人を喜ばせる人なのか?

政府はそこまで把握できません。

どうすれば周りの人が幸せになるのか、という価値観はAさんの頭の中だけに存在します。

また、その価値観が、他人と食い違うこともあります。

だけど、個人は自分の価値観や好みを自由に追求するのが許されるべきです。

この意味で、個人が自分の価値観に従って働く競争経済の方が良い、とハイエクは考えました。

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