JSミルは、「競争」というものに疑問を抱きました。
なぜなら、競争があることで、競争に負けて苦しむ人が現れるからです。
競争は、良いものなのでしょうか?
それとも、悪いものなのでしょうか?
JSミルの意見を見ていきます。
競争は、社会全体には望ましい
競争をすると、勝ち負けがあります。
人気の職業のポジションを争ったり、進学する時の試験では、勝ちがあれば、負けがあります。
勝った人は、負け人がいるおかげで利益を得ることになります。
勝った人は、他人を押し退けることで、生き残ったとも言えるのです。
負けた人の努力は無駄になり、負けた人は、失望します。
しかし、それでも、成長を求めて勝とうと努力することは良いことだとJSミルは考えます。
競争の結果、誰かが泣くことになっても、私たちは、たじろぐ必要はないのです。
その理由は、それぞれの人が努力をすることは、社会全体の利益になるからです。
問題点
しかし、JSミルが問題視していることがあります。
それは、競争で勝ち抜くために、人々の個性がなくなってしまうことです。
例えば、教室の中には、英語が好きな人や、韓国語が好きな人や、中国語が好きな人がいるかもしれません。
しかし、学校のテストで、英語だけが必要なら、みんなが英語の勉強だけをするようになります。
競争で生き残るために、自分がしたいことではなくて、必要なことしか、やらなくなるのです。
JSミルは、このように「みんなが同じ」になってしまうことに、危機感がありました。
その理由は、個性がなくなると自主性と創造性がなくなるからです。
JSミルいわく、人は、自分が好きなことをしてる時にもっとも精神が活性化します。
好きなことをする方が、成長するのが早いのです。
みんなが「同じ型」にハマらなければいけない社会では、人々は、ハツラツと生活することができないのです。
競争のデメリット
人がそれぞれ夢中になれることを努力しているなら、競争は、社会に良い影響を与えます。
しかし、競争に勝つことを優先するあまり、自分の好きなことができない社会では、一人ひとりの精神は、衰えていきます。
JSミルは、成長を求め、他人を押し退ける立身出世主義は精神を向上させるとは言えないと主張しています。
あくまでも、本人が「やりたい」と考えながら、主体的に競争に参加してることが大事なのです。