【最大多数の最大幸福】動物には苦痛を与えてはいけないのに、石ころには苦痛を与えて良いのはなぜ?

ベンサム

石ころに苦痛を与えていい理由

功利主義の考えでは、苦痛を感じる存在(生き物)に、苦痛を与えることは、道徳的に正当化できないとされています。

動物は、痛みを感じるため、動物が感じる苦痛は、無視するべきではないのです。

しかし、苦痛を感じないのなら、話は別です。

例えば、道端の石ころは苦痛を感じません。

そのため、石ころを思いやる必要はないのです。

石ころに苦痛を与えても許される理由は、石ころは苦痛を感じることができないからです。

一方で、動物は、苦痛を感じます。

動物が苦痛を感じる存在なら、その苦痛を配慮しないことは道徳的に正当化できないのです。

功利主義

功利主義では、「快楽を生み出す行為は正しい」と考えます。

正しいこととは、幸福であることなのです。

また、「幸福とは快が増え、苦が減ること」だと考えます。

そのため、出来るだけ多くの人にできるだけ多くの快をもたらす行動が最も正しい行動になります。

これを「最大多数の最大幸福」と表現します。

功利主義と、利己主義の違い

功利主義は、利己主義と同じように扱われることがあります。

功利主義の「功利」は、効用(満足するかどうか)を意味します。

しかし、問題は「誰にとっても」満足できるかです。

功利主義は、誰にとっても満足するような選択をすることを言います。

一方で、利己主義は、自分にとって満足するような選択をすることを言います。

功利主義をは、個人の幸せではなく、社会全体の幸せを考えるのです。

社会全体の幸福が最大化するために、正義や道徳を考えるのが、功利主義なのです。

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