フリードマンとは
フリードマンは、アメリカの経済学者です。
シカゴ大学の教授として働きました。
教授とは、「大学の先生」という意味です。
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フリードマンは、大学でたくさんの弟子を作りました。
フリードマンとその弟子たちは「シカゴ学派」と呼ばれています。
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リバタリアン
フリードマンは、リバタリアンです。
リバタリアンとは、自由を大事にする人たちのことです。
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ところで、経済学でいう「自由」とはなんでしょうか?
これを一言で答えるのは難しいです。
私なりの言い方をすると「お金を自分で使える」ということだと思います。
例えば、お年玉をもらった時に、母親に「そのお金は自分で使いなさい」と言われれば、子どもは自由にお金が使えます。
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また、大人の世界で「お金を自分で使える」というのは「税金が低い」ということです。
税金が高ければ、自分で稼いだお金を自分で自由に使えません。
なぜなら、国がどんどん税金を集めてしまうからです。
一方で、税金が低ければ、お金を稼いだ人たちは、そのお金を自由に使えます。
つまり、税金が低くて、お金を自分のために使える時に「自由である」と表現するのだと思います。
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マネタリスト
フリードマンは、マネタリストです。
マネタリストとは「金融政策は大切だけど、財政政策は大切じゃない」と考える人たちのことです。
つまり、「金融政策だけをやろう」と言ってる人たちがマネタリストです。
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マネタリストは、貨幣数量説を信じています。
貨幣数量説とは「世の中のお金の量が物価を決める」という考え方です。
世の中のお金が多いと、物価は高くなります。
世の中のお金の量が少ないと、物価が安くなります。
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ネオ・リベラリズム(新自由主義)
フリードマンは、ネオ・リベラリスト(新自由主義者)です。
ネオ・リベラリズム(新自由主義)とは、小さな政府に賛成する人たちのことです。
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ところで、経済学には「自由主義」という言葉もあります。
新自由主義と自由主義は、何が違うのでしょうか?
新自由主義と自由主義は、どちらも小さな政府に賛成しています。
しかし、時代が違います。
自由主義は、18世紀です
新自由主義は、20世紀です。
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自由主義と、新自由主義の考え方は、似てるところもありますが、違うところもあります。
似てるところは、どちらも「小さな政府に賛成している」「自由を大切にしている」という点です。
異なるところは、強者の味方か、弱者の味方か、という点です。
新自由主義者のフリードマンは、強者の味方です。
フリードマンの登場は、豊かな人が貧しい人に対して革命を起こした、と言えます。でも、貧しい人の方が数が多いので、議論になっているのです。
フリードマンは「国民には、自由に金儲けをしてもらうべきだ」と言いました。
なぜなら、お金持ちがもっとお金持ちになれば、貧乏人はおこぼれをもらえるから、です
お金持ちが幸せになれば、みんなも幸せになるということです。
これは、トリクルダウンと呼ばれています。
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一方で、自由主義者のアダムスミスは、弱者の味方です。
アダムスミスも「国民には、自由に金儲けをしてもらうべきだ」と言っています。
その理由は、当時、イギリス政府は、お金持ちの企業にお金を配っていたからです。
国民から税金を集めた後、そのお金を大企業を与えていたのです。
これは、お金持ちの人だけが儲かる仕組みでした。
そのやり方では、貧富の差が広がってしまいます。
アダムスミスは、貧富の差が広がる状況が嫌だったのです。
そのため、「大企業だけを優遇するのではなくて、自由が大切だ」と主張しました。
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アダムスミスは、『国富論』という本を書いています。
その本の中には、「大企業だけが、お金を儲けているのは良くない」「貧しい人も教育を受けれるようにすることで、国は豊かになる」など、書かれています。
アダムスミスは、弱者を救うために、「自由」を大切にしたのです。
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小さな政府
アダムスミスもフリードマンも、小さな政府に賛成です。
ところで、小さな政府とは、どういう意味でしょうか?
小さな政府とは、「政府は国民にお節介をしなくていい」と考える人たちのことです。
逆に、大きな政府とは、「政府は国民を助けるべきだ」と考えている人たちです。
小さな政府の人たちは、賃金を自分のために使いたいと考えています。
つまり、小さな政府に賛成する人たちは、税金を政府に取られたくないと考えています。
その代わり、小さな政府では、困った時に政府に助けてもらえません。
小さな政府に賛成しているのは、フリードマンたちです。
一方で、大きな政府は税金をたくさん集めます。
でも、大きな政府は、困ってる人を助けてくれます。
大きな政府に賛成してるのは、ケインズです。
2人とも20世紀の人です。
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ケインズとフリードマンは、違う考え方をしています。
ここからは、ケインズとフリードマンの考え方や違いを比べていきます。
福祉国家と夜警国家
フリードマンは、政府の仕事は、「暴力から国民を守ることだけだ」と考えています。
つまり、貧しい人や仕事がない人を助けるのは、政府の役割ではないと考えています。
このような国家のことを「夜警国家」と言います。
「夜警」とは、夜、町を見回って、火事などの警戒をすることです。
一方で、ケインズは、政府は、暴力から国民を守ったり、貧しい人や仕事がない人を助けるべきだと考えています。
政府が国民を助けてくれる国家のことを「福祉国家」と言います。
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財政政策
フリードマンは、「政府は、経済への介入をするべきではない」と考えています。
経済への介入とは、財政政策のことです。
財政政策とは、水道やダムを作ったりすることです。
財政政策には、たくさんの税金が必要です。
しかし、小さな政府の人たちは、高い税金が好きじゃありません。
フリードマンは、「財政政策は、税金の無駄遣いだ」と考えたのです。
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ケインズは、国民が貧しい時は、政府が国民を守るべきだと考えました。
具体的な方法は、失業者に仕事を与えたり、お金持ちから税金を集めて、貧しい人のために使ったりなどです。
一方で、フリードマンは、ケインズのやり方に反論しました。
なぜなら、フリードマンは、失業者を救うことはできないと考えていたからです。
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フリードマンが、失業者を救うことができないと考えた理由は、失業者は、自発的に働かないだけだからです。
労働者は、賃金が高い時は働きます。
しかし、賃金が低くなると、働かなくなります。
労働者は、安い賃金で働きたくないのです。
もし、政府が失業率を下げようとしたら、賃金を高くするしかありません。
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しかし、賃金を高くしたとしても、きっと労働者は、さらに高い賃金を要求します。
そうして、どんどん賃金は高くなります。
賃金が高くなれば、物価も高くなります。
なぜなら、国民がお金を持ってる時は、お店の商品は高くても売れるようになるからです。
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失業率を減らそうとすると、インフレになってしまうのです。
つまり、政府は、失業率を減らすことが、できないのです。
金融政策
次に、金融政策について見ていきます。
ケインズもフリードマンも、金融政策に賛成しています。
しかし、やり方で、意見が分かれています。
ケインズは、「中央銀行に任せるべきだ」と考えています。
一方で、フリードマンは、「ルールが大事だ」と考えています。
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ケインズは、景気が悪い時は、どんどんお金を刷るべきだと考えています。
中央銀行がお金を刷れば、国民の賃金も増えます。
国民の賃金が増えれば、みんながお金を持つようになります。
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お金持ちになったら、人々は買い物をして、経済を良くしてくれるはずなのです。
一方で、フリードマンは、中央銀行は、そんなに上手に金融政策をできないと考えています。
フリードマンが生きた時代は、アメリカがインフレに苦しんでいた時でした。
日本でも、トイレペーパーの値段が、めちゃめちゃ高くなりました。
インフレになりすぎるのは、問題なのです。
また、フリードマンは、「ひどいインフレになったのは、中央銀行のせいだ」と信じています。
そのため「中央銀行にお任せ」は、良くないと主張しました。
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フリードマンは、金融政策の「ルールを作るべきだ」と提案しました。
中央銀行がたくさんお金を刷りすぎてしまうと、インフレになってしまいます。
そのため、中央銀行が好きなだけお金を増やすのではなくて、決まった量だけお金を刷るべきなのです。
「決まった量だけお金を刷る」というルールを「K%ルール」と呼びます。
フリードマンの影響
フリードマンの影響で、アメリカで新自由主義が広がりました。
貧富の差が広がり、お金持ちがさらにお金持ちになりました。
一方で、貧しい人たちがさらに貧しくなる結果となりました。