GATTやWTOは、自由貿易のために必要な取り組みのことです。
なぜ自由貿易は大切なのでしょうか?
詳しく見ていきます。
自由貿易は大切
「自由は大切だ」と人々が考えるようになったキッカケは、第二次世界大戦です。
なぜなら、第二次世界大戦が始まった原因は、自由な貿易ができなくなったからです。
第二次世界大戦が始まる前の時代は、世界中の景気が悪くなっていました。
そして、不景気の問題を解決するために、イギリスやフランスなどの「植民地がある国」は、ブロック経済をしました。
植民地という仲間どうしだけで貿易をしたのです。
ブロック経済というのは、仲間どうしだけで貿易をすることです。
自国と植民地とだけで貿易をして、それ以外の国のことは、シャットアウトしました。
イギリスは、ブロック経済のおかげで、経済を立て直しました。
しかし、ブロック経済から排除された国々は恐慌に苦しむことになりました。
排除された国とは、ドイツや日本などです。
当時のドイツ、日本には植民地がありませんでした。
そのため、植民地の獲得を求めて海外へ進出しました。
イギリスのような植民地がある国は「もてる国」と呼ばれ、日本のような植民地がない国は「持たざる国」と呼ばれるようになりました。
日本やドイツのような持たざる国の人は「仲間が欲しい」と考えるようになります。
「仲間」とは「植民地」のことです。
こうして植民地を広げようとした結果、第二次世界大戦が始まりました。
貿易の問題が、戦争に発展してしまったのです。
ブロック経済は、悲惨な戦争を招いてしまいました。
この時の反省をふまえ、第二次世界大戦後は「自由貿易は大切だ」と考えられるようになりました。
自由貿易をしよう
こうして、戦後は「自由貿易をするべきだ」と考えられるようになりました。
自由貿易のために必要なのは、関税を減らすことです。
関税とは、商品を輸入する時にかかる税金のことです。
例えば、日本は、アメリカに車を売っています。
例えば、Aさんは、車を10万円でアメリカに売ろうとしています。
すると、アメリカの政府がその車に関税をかけて、12万円にします。
車が売れると、関税の2万円は、アメリカ政府が受け取ります。
Aさんは10万円だけを受け取ります。
Aさんからすると、関税がなければ10万円で売るのに、関税があるせいで12万円で売る必要があるので、少し不満です。
関税があることで、車はアメリカで売れづらくなります。
なぜなら、お客さんは、高い商品を買いたくないからです。
関税があることで、輸入品の値段が高くなって、売れづらくなります。
このように、関税とは「外国の商品を売れづらくする仕組み」なのです。
関税があると、外国の商品は売れづらくなります。
昔は「外国人が儲けたら悔しいから、関税をかけるべきだ」という考え方がありました。
しかし、そのような考え方は、良くありません。
そのため、世界中で「関税を減らそう」という取り組みが進んでいます。
GATT
1948年、GATTという協定ができました。
これは、組織ではなくて協定です。
GATTは「関税を減らすために、みんなで協力しよう」という目的のために作られました。
WTO
1995年には、WTOという組織が生まれました。
WTOは、組織です。
WTOも、関税を減らすために作られました。