経済学では、物価が上がるのであれば「賃金も上がるべきだ」と考えられています。
なぜ、物価と賃金が同時に上がるべきなのか、解説していきます。
物価とは
物価とは、お店のモノの値段のことです。
しかし、ケーキとか、ハンバーガーとか、一つ一つの値段のことは指しません。
「全国のお店の全ての商品」をひとまとめにする時に「物価」と言います。
そのため「物価が上がっている」ということは「全国のお店の全ての商品の値段が上がっている」ということです。
物価が上がる
物価が上がると、買い物できる量は減ります。
私が小学生だった頃は、100円があればお腹いっぱいになれました。
しかし、現在は、100円では、お腹いっぱい食べることは難しいと思います。
なぜなら物価が上がったからです。
物価が上がると、今まで買えていたものが、(その金額では)買えなくなるのです。
つまり、同じ金額で買えるモノの量が少なくなってしまうので、買い物する人の負担が増えるのです。
賃金
賃金とは、給料のことです。
働いた時にもらうお金のことを「賃金」と言います。
働く人にとっては、賃金は高い方が嬉しいです。
しかし、賃金が高くても、物価も高くなると、嬉しくありません。
大事なのは、「賃金の金額」より「その金額で実際にどれくらい商品が買えるのか」です。
「その金額でどれくらい商品が買えるのか」を図るのは「実質賃金」です
実質賃金とは
実質賃金とは、賃金が実際の社会においてどれだけの物品の購入に使えるかを示す数字です。
これは、物価の変動を考慮した数字になってます。
「実質賃金が高い」ということは、「買い物できる量が多い」という意味です。
賃金が高いのが嬉しいのではなく、実質賃金が高いことが嬉しいのです。
物価が上がると実質賃金が下がる
物価が上がると実質賃金が下がります。
物価が上がるということは、例えば、パンの値段が高くなるということです。
今までと同じ金額の賃金もらっても、買い物できる量が減ってしまうのです。
物価が上がるなら、賃金も上がるべき
物価が上がるなら、賃金も上がるべきだと言われています。
なぜなら、物価が上がると、実質賃金が下がるからです。
物価が高くなれば、今まで通りの賃金では、生活できなくなってしまうのです。
話の背景
物価というものは、誰かが定めているわけではありません。
物価が上昇する時というのは、例えば、どこかの国で戦争が起きたり、円安になったりなどの政治的な背景があります。
一方で、賃金は、誰かが定めているものです。
賃金が上昇するのは、経営者が「賃金が上昇するべきだ」と判断したからです。
国民は、物価をコントロールできないけど、賃金の金額は、コントロールできるのです。