2012年〜2020年まで続いた安倍政権では、アベノミクスと呼ばれるものが行われていました。
どんなものだったのか、見ていきます。
アベノミクス
アベノミクスの目標の一つは、円安にすることです。
円安になれば、失業者が減って景気が良くなると考えられていました。
2012年末から、アベノミクスの効果で円安が進んでいます。
円安で失業者が減ると考えた理由
円安になると失業者が減ると考えられていた理由は、なんでしょうか?
それは、円安の方が輸出企業が儲かるからです。
日本の輸出企業といえば、車です。
円安になると、車企業が儲かります。
その理由は、ドルでもらった儲けを円に換えるときに、円を多く受けとれるからです。
例えば、日本車を1ドルで売ったとします。
「1ドルの儲けが出た」という事実が同じでも、ドルを円に換える時に、円高なのか、円安なのかで、儲ける金額が変わります。
例えば、円高で1ドル=100だったとします。
そしたら、1ドル売るたびに、100円の儲けになります。
円高の時は、儲けが少ないです。
しかし、その後、円安になって、1ドル=200円になったとします。
すると、1ドル売るたびに、200円の儲けになります。
円安の方が、円をたくさん受け取れるのです。
「儲けた金額は1ドル」ということは、変わりません。
しかし、円安になることで、円の金額が増えました。
円安になると、車産業が儲かります。
車企業が儲かると、儲かったお金を使って、さらにたくさんの人を雇うおうと考えます。
働き口が増えます。
企業が新しく人を雇うと、失業者が労働者になります。
失業者が減ります。
つまり、失業率が下がります。
失業率は低い方がいいです。
そのため、アベノミクスでは、失業率を下げるために、円安にしようとしていました。
円安の効果
では、実際の効果はどうだったのでしょうか?
今の日本は、とても円安になりました。
人々は「円安=景気が良くなる」というイメージを持っています。
そのため、とりあえず円安が進むことで、みんなが明るい気分になりました。
そして、日経平均株価が上昇して、明るいムードが漂い始めました。
これのおかげで、株をしてる人は、利益を得ました。
株をしてる人というのは、つまり、お金持ちの人たちです。
アベノミクスで、お金持ちの人たちは、恩恵を受けました。
円安なのに輸出企業が儲からなかった
しかし、円安なのに輸出企業は儲かりませんでした。
普通は、円安の時は、輸出企業が儲かるはずです。
しかし、実際には、貿易は赤字になりました。
その理由は、産業が空洞化していたからです。