なぜ国債が増えると、危険なのか?国が借金をすることが危険な理由をイラストで解説

国債
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国債は、国の借金と呼ばれています。

国債の量が増えすぎると危険です。

どのように危険なのでしょうか?

見ていきます。

財政

まず、財政について説明します。

財政とは、政府のお財布のことです。

政府が手に入れるお金のことを「歳入」といいます。

政府が使うお金のことを「歳出」といいます。

歳入のほとんどは、税金です。

本来であれば、お金が入ってきてから、お金を使います。

入ってきたお金の範囲内で、お金を使うのが、正解です。

言い方を変えると、歳入(入ってくるお金)と、歳出(出ていくお金)は、同じ金額であるべきです。

なぜなら、持ってるお金以上に、お金を使うべきではないからです。

税金

政治をするにはお金が必要です。

そのお金は、税金を使って行われています。

税金とは、国民から集めるお金です。

政府は、国民から税金を集めて、政治を行っています。

しかし、現在の日本の政府は、税金があまり足りていません。

今の日本は、歳入が少なくて、歳出が多いです。

言い方を変えると、税金を使いすぎているのです。

入ってくるお金が少ないのに、たくさんのお金を使っています。

政府は、お金がないのに、たくさんお金を使ってしまっています。

お金がないのに、お金を使うなんてことができるのでしょうか?

できます。お金がないのに、使いたい時は、「お金を借りる」という方法があります。

政府がお金を借りる時、「国債」を発行するのです。

国債

国債とは、「国の借金」とも呼ばれているものです。

国債を発行すると、お金と交換できます。

国債には、「借りたお金は、〇〇日までに返します」と書いてあります。

国債を相手に与える代わりに、お金をもらうのです。

「国債」とは、政府にとっては、とても便利な紙です。

政府の立場から考えると、国債を発行するだけで、お金が手に入ります。

国債をどんどん作れば、お金がどんどん手に入ります。

国債を作ることで、政府は助かるのです。

  

誰が政府にお金を貸すのか 

ところで、政府にお金を貸しているのは、誰なのでしょうか?

それは、投資家と、銀行です。

投資家とは、お金を使って、お金を増やしてる人のことです。

投資家の意味は、いくつかあります。

ここでは、投資家の意味は、「お金を貸すことで儲けている人」ということです。

お金を貸すだけで、お金が増えるので、投資家にとって、お金を貸すことは、メリットがあります。

投資家

政府は、国債を発行します。

そして、国債を、投資家に売ります。

投資家は、国債を買います。

これは、政府にお金を貸すということです。

国債を買うことと、政府にお金を貸すことは、同じ意味です。

投資家は、政府にお金を貸します。

そして、貸したお金は、ある期間が返してもらいます。

お金を返してもらう日のことを「満期」または「償還期限」と言います。

貸したお金は返ってきます。

さらに、貸したお金は、増えて返ってきます。

この増える分を「利子」と言います。

また、貸した額のことを「元本」と言います。

政府にお金を貸すと、利子をつけて返してもらえます。

政府は、「○%の利子をつけて返すから、国債を買ってください」と投資家にお願いしています。

国債の利子の大きさは、政府が決めます。

国債を買う人は、その利子の大きさに納得したら、国債を買うのです。

銀行

また、銀行も、国債を買っています。

つまり、政府は、国債を発行して、国債を銀行に売っています。

そして、銀行は、国債を日本銀行に売っています。

現在は、国債の半分は、日本銀行が持っています。

銀行が、国債を日本銀行に売ることを、「量的緩和」といいます。

日本銀行は、今までたくさんの国債を銀行から買ってきました。

そのため、日本銀行の中に国債が増えました。

今では、日本銀行の国債が多すぎて、「もう国債を買いたくない」という状況になってきています。

国債を買いすぎて、日本銀行のお金がなくなってきているのです。

日本銀行のお金がなくなれば、日本銀行は国債を買えなくなります。

すると、国債を海外に売らないといけなくなります。

日本国民から借りれなければ、その分、外国から借りなければならないのです。

今までは、国債を日本銀行が買っていました。

しかし、日本銀行のお金には、限界があります。

そろそろ、国債を発行し続けることができないフェーズにきているのです。

日本銀行が買ってくれないということは、海外に売るしかありません。

しかし、海外の人に売ると、新しい問題が起きます。

海外に売るリスク

国債を海外の人に売るようになったら、別のリスクが生まれます。

それは、金利高くしないと、売れないと言うことです。

海外に国債を売る時は、国債の金利を高くしなければならないのです。

金利を高くしなければならない、ということは、どういうことなのでしょうか?

ここで、金利について説明します。

金利とは、お金を貸してくれた人に払うお金です。

例えば、政府は国民に「お金を貸してください」と言います。

お金を貸してくれた人には、国債を渡します。

そして、国債を持ってる人に対して、政府は利子を払うのです。

利子とは、政府にとっては「払うお金」ですが、国債を持ってる人にとっては「もらうお金」です。

国債を持ってる人は、利子を受け取ります。

この利子の大きさのことを、金利と言います。

投資家は、その利子の大きさに納得したら、国債を買うのです。

国債に投資する人にとっては、金利が高い方が「国債を持ちたい」という気持ちになります。

金利が高い方が「投資しよう」という気持ちになるのです。

しかし、日本人の投資家は、金利が低くても、国債を買ってくれます。

理由は、二つです。

一つ目に、低金利に慣れているからです。

日本では、長い間、ゼロ金利が続いていました。

そのため、日本人は、金利が低いことに慣れています。

日本人の投資家は、少しでも金利がつけば、「良いもの」として、捉えるのです。

二つ目に、日本人の方がリスクを感じにくいからです。

日本は、自分の国なので、「日本政府が破綻する」というのを日本人は予想しにくいです。

日本政府が破綻してしまえば、国に貸したお金は帰ってこなくなります。

「お金が返ってこない」というのは、リスクです。

しかし、日本人は、国債を買う時に、そのリスクを感じにくいのです。

つまり、日本人に国債を買ってもらう場合は、日本政府は、それほど金利を高くしようとしなくていいのです。

一方で、海外の人は、国債を買う時に、厳しく吟味します。

そもそも、国債を買ったとしても、満期になってもお金が戻ってこない可能性もあります。

もし、日本の政府が財政破綻してしまえば、日本政府に貸したお金は返ってこなくなるのです。

海外の人の方が、日本の財政が破綻する可能性を慎重に予想します。

海外の人の方が「日本政府に貸したお金は返ってこないかも」と考える人が多いのです。

日本の国債を買うことは、海外の人にとっては「危ない投資」なのです。

そのため「メリットがあるかどうか」を厳しく吟味します。

もし、金利が低くて、リスクが大きいなら、海外の人は、日本の国債に投資しません。

なぜなら、投資家は、リスクが低くて、金利(リターン)が高い投資がしたいからです。

実際に、国債の海外の購入者は少ないです。

金利が低いままでは、海外の投資家に国債を買ってもらえません。

もし、金利を高くすれば、少しリスクがあっても、投資してみようかな、と考える人が増えます。

本当に海外の人に国債を買ってもらいたいのなら、金利を高くしなければ、売れないのです。

投資は、返してもらえない可能性が高い時ほど、金利も高くなります。

「危なっかしい投資なんだから、余計に金利を払ってくれないと国債は買わない」ということです。

結果として、同じ金額の国債を買ってもらう場合でも、日本国民に売るケースより、海外の人に買ってもらう時の方が金利を高く設定しなけばならない

政府

「金利が高い」という状況を政府の立場から見ていきます。

政府としては、金利が高いと、しんどいです。

なぜなら、たくさんの利子を払う必要が出てくるからです。

利子を払うのは、日本政府です。

金利が高くなれば、日本政府が支払う金額が高くなります。

金利が高くなるという事は、日本政府から見れば、「将来、払わなければならないお金が増える」という事なのです。

「国債の利子が大きい」というのは、「投資家が受け取るお金が多い」という事です。

これを政府の立場から見ると、「政府が払うお金が多い」という事です。

日本政府は大変な思いをしながら、国債の利子を払っていきます。

「政府が信用できない」とは

そんな政府のことを見て、国債を買った投資家たちは、不安な気持ちになります。

政府の負担が大きくなりすぎると、投資家の間では「政府は、お金を返してくれないかもしれない」という不安が頭をよぎるようになるのです。

投資家は、「国債を買ったらおトクだ」と思う時だけ、国債を買います。

しかし、お金が返ってこないなら、全然おトクじゃありません。

国債を買うことで、損します。

このように、不安が大きくなると、投資家は、政府にお金を貸さなくなります。

つまり、国債を買う人が減っていくのです。

政府が国債を大量に発行していると、国民は、政府を信用できなくなってしまうのです。

「信用できない」というのは、「満期になっても、お金を返してもらえないかもしれない」という気持ちになるということです。

国債を信頼できなくなると、国債の人気がなくなるのです。

債券市場について

債券市場とは、国債を売り買いする場所です。

まず、国債とは、満期まで持っていれば、元本が返ってくるものです。

しかし、満期が来るより前に、売ることもできます。

債券市場では、国債を自由に売買できるので、そこで、新たに値段が決まります。

もし、買った時より高い値段で売れれば、儲かります。

債券市場は、国債に価値があるから、成立しています。

しかし、国債の人気がなくなると大変です。

「人気がない」=「価値がない」ということです。

誰も国債を欲しいもと思わなくなると、国債が暴落します。

「暴落」とは、値段が急に下がることです。

国債の金額が、どんどん下がると、国債を持ってる投資家はパニックになります。

今日よりも、明日の方が、国債の値段が下がるかもしれないからです。

もし、今日より、明日の方が、価値が下がってしまうなら、今日のうちに売ってしまう方が、損が少なくてすみます。

すると、市場の中では、国債を売りたい人が多くて、買いたい人が少ない状況になります。

この時、さらに国債の値段は下がるのです。

誰が借金を返すのか

ここからは、国債を発行するデメリットをついて書いていきます。

国債という借金を作った後、誰が借金を返すのでしょうか?

それは、次世代の人です。

つまり、作ってきた借金は、未来の税金を使って返済するのです。

負担を背負うのは国民

今の日本には、約1100兆円の借金があります。

これを未来の子どもたちの税金で支払っていくのです。

日本に生まれると、生まれながらに、1000兆円以上の借金を背負いこむことになります。

フランス人のピケティは、この状況を見て「日本に生まれる子どもは、生まれながらに不幸だ」と言いました。

国債を作ることで、助かっているのは、今の世代の高齢者です。

そして、国債を作ることで、苦しむのは、未来の子どもたちです。

年金をもらって得をする世代と、借金を返済する世代に、不平等が生まれているのです。

しかも、日本は人口が減っています。

日本の経済もどんどん悪くなっています。

人口の減少が予想される日本では、この経済成長率はさらに低くなります。

今後は、日本でお金を稼ぐことが、より難しくなります。

そんな状況の中で、2代も、3代も前の世代が作った借金を払わさせられるのです。

また、日本政府が1年間に得る歳入は、約40兆円です。

しかし、借金は、1000兆円以上あります。

入ってくるお金が約40兆円なのに、足りないお金は、1000兆円以上あるのです。

さらに、現在もコロナ禍による不景気から抜け出すために、政府は、お金をどんどん使っています。

そのお金を生み出すために、国債を発行しています。

国債で作った借金を返済するのは、将来の国民です。

国債が増えると、将来、増税することになるのです。

もし、増税しなければ、財政破綻してしまうかもしれません。

財政破綻

財政破綻とは、政府が国債のお金を返せない場合のことです。

政府が国債のお金を返せない場合のことを、財政破綻といいます。

もし、財政破綻した場合は、私たちの生活にも悪影響があります。

私たち国民は、銀行にお金を預けています。

しかし、財政破綻をした場合は、銀行に預けたお金が引き出せなくなります。

私たちは、銀行にお金を預けています。

一方で、銀行は、国債を買っています。

つまり、銀行は政府にお金を貸しています。

銀行にあるお金を使って、国債を購入しているのです。

つまり、私たちの銀行の預金が、国債を買うことに使われているということです。

銀行は、銀行にあるお金(国民のお金)を使って、国債を購入しています。

つまり、私たちが銀行に預けたお金が、政府に貸し出されています。

もし、政府が国債のお金を返済しない場合は、銀行が政府に貸したお金は返ってこないのです。

銀行が、国に貸したお金が返ってこないということです。

そうなれば、私たちが銀行に預けているお金は帰ってこないのです。

まとめ

たしかに、国債を買う投資家は、高い金利の国債を買いたがります。

しかし、あまりに高すぎる金利の国債が発行されると、怖いです。

なぜなら、国債の金利を払うために、政府の財政が破綻してしまう可能性もあるからです。

もし、財政破綻を人々が予想すると、国債の価格というものはあっという間に暴落してしまうのです。

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