なぜ日本は、円安なのに貿易赤字になっているのか?空洞化の問題をイラストで分かりやすく解説

アベノミクス

円高だと貿易赤字になりやすい

まず、円高の時は、貿易赤字になりやすいです。

円高というのは、日本人の人件費が高いということです。

円高の時は、国内で商品を作ると、人件費が高いので、商品の値段も高くなってしまいます。

つまり、日本で作った商品が海外で売れづらいのです。

そのため、円高の時は、貿易をすると赤字になりやすいです。

円安だと貿易黒字になりやすい

一方で、円安の時は、貿易が黒字になりやすいです。

円安の時は、日本人を安く雇えるということです。

日本で作った商品を海外に輸出する時も、安く輸出することができます。

そのため、円安の時は、貿易が黒字になりやすいです。

つまり、貿易においては、円安の方が儲かるのです。

今の日本が貿易赤字の理由

今の日本は、円安です。

つまり、理論上では儲かっているはずです。

それなのに、日本の貿易は、赤字になっています。

なぜでしょうか?

日本が円安なのに、貿易が赤字な理由は、工場を海外に移してしまったからです。

工場を海外に置いているので、日本人を雇っていません。

そのため、円安の恩恵を受けられないのです。

これを「産業の空洞化」と言います。

産業の空洞化とは

産業の空洞化とは、日本の工場が人件費の安い国に移転してしまうことです。

工場が海外に移転すると、日本人の働き口も減るし、技術を受け継ぐ機会も減ります。

そのため、その産業が日本で衰退してしまうのです。

産業の空洞化が起きた理由

日本の工場が海外に移転した理由は、日本が円高だったからです。

円高の時は、工場を海外移転した方がおトクです。

円高の時は、日本人の人件費が高くなります。

工場が国内にあると「損」なのです。

海外に工場を建てて、外国人を雇う方が商品を安く商品を作れます。

そうして、日本の企業は、工場を海外に移しました。

例えば、台湾で生産して、アメリカに輸出する商品は、円高とは無関係です。

台湾に工場を置けば、台湾人を雇うので、日本が円高になっていても、悪影響を受けないのです。

そのため、円高の時に、多くの企業が工場を海外に移しました。

円安になれば産業の空洞化は解決するはず

産業の空洞化は、円安になれば、解決するはずでした。

円高の時は、工場を海外移転した方がおトクです。

一方で、円安の時は、工場を国内に置いた方がおトクです。

そのため、円安になれば、海外に移した工場は、日本に戻ってくるはずだと考えられていたのです。

産業の空洞化の問題が解決できない理由

現在の日本は、円安です。

円安になったということは、日本人の人件費が安くなったということです。

つまり、日本に工場を建てて、日本人に商品を作らせる方がおトクです。

それなのに、日本の工場は、海外に置いてあるままです。

そのため貿易赤字となっています。

空洞化の問題を解決するためには、製造業の工場が日本に戻ってくることが必要です。

しかし、円安になっても、製造業の工場が日本に戻ってきませんでした。

なぜなのでしょうか?

通常であれば、円安になれば、海外に移転した工場は日本に戻ってくるはずです。

しかし、円安になっても、製造業の工場が日本に戻ってきませんでした。

その理由は、2つあります。

日本に工場を作るデメリット

・法人税が高い

・エネルギー代が高い

法人税が高い

まず、一つ目に、日本よりも法人税が安い国があるからです。

例えば、台湾は、法人税率が13%です。

一方で、日本の法人税率は、約40%です。

日本よりも、税金の安い国で商品を作った方が、利益を出しやすいのです。

エネルギー代が高い

円安になると、輸入品の価格が高くなります。

日本は、原油や電気などのエネルギーを輸入しています。

円安になると、エネルギー代が高くなってしまうのです。

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