アダムスミスは、政府は、市場に介入するべきではないと主張した人です。
どのような主張をしたのか、みていきます。
当時のイギリス
当時のイギリス政府は、輸入規制をたくさんしていました。
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輸入規制とは、海外の商品を国民に買わせないようにする仕組みです。
フランスのワインをイギリスに輸入することを禁止したら、イギリス人たちは、フランスのワインを買えなくなります。
そうしたら、イギリスのワイン屋さんが儲かるようになります。
輸入規制をすることで、海外の会社を儲けさせないようにすることができるのです。
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もし、イギリスでもワインを作れるようになったら、フランスのワイン買う必要がなくなります。
イギリスでもワインが作れるようになったら、フランスのワインを買わなくて済むのです。
だから、輸入規制は、イギリスの国のためになると考えられていたのです。
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たしかに、フランスのワインを輸入規制したら、イギリスのワイン屋さんは儲かるかもしれません。
しかし、お客さんとしては、損です。
なぜなら、フランスのワインの方が安くて人気なのに、フランスのワインが買えなくなるからです。
輸入規制とは、高くて人気じゃない国産品を無理矢理、買わさせる仕組みなのです。
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アダムスミスは、輸入規制は、国のためにならないと考えました。
なぜなら、本当は海外から安く買えるものを、高い費用をかけて、国内生産してるからです。
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フランスでは、簡単にブドウを作ることができます。
しかし、イギリスでブドウを作ろうとすると、簡単ではありません。
そのため、イギリスでブドウを作ろうとすると、お金がかかるのです。
海外から買う方が安いなら、海外から買うべきだと、アダムスミスは、考えました。
輸入規制のデメリット
例えば、イギリスがワインを作るのが苦手で、フランスがワインを作るのが得意だとします。
通常であれば、イギリスは、フランスからワインを輸入しますが、当時のイギリスは、自力でワインを作ろうしました。
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輸入規制をした理由は、「フランスが儲からないようにしたいから」です。
しかし、アダムスミスは、輸入をした方がいいと考えました。
なぜなら、フランスから輸入した方が安いからです。
本当は海外から安く買える商品があるのに、輸入規制のせいで、高い費用をかけて国内生産しているのは、お金がもったいないのです。
自由な取引を
アダムスミスは、国民に、自由にビジネスをさせる方がいいと考えました。
なぜなら、自由にビジネスをする時は、人は「自分の得意なこと」を選ぶからです。
例えば、イギリスの土地は、ブドウ作りには向いてませんが、羊を飼うには、ちょうど良い土地です。
ならば、羊を使って、毛織物を作った方がビジネス的に有利です。
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このように、国民に自由にさせると、国にとっても、有利な分野が発展することになります。
そのため、国民に自由にビジネスをさせた方が、国のためになるのです。
神の見えざる手
アダムスミスは、自分の利益の追求が「神の見えざる手」に導かれて、社会の利益になると考えました。
国民は、自分の利益を考えて行動するときは、得意なことを生かします。
政府がいろいろと規制するよりも、国民に自由に行動してもらう方がうまくまわるのです。
ライバルを排除してはいけない
イギリスの国民に、フランスのワインを買わせないようにすると、ライバルを排除できます。
ライバルを排除したら、イギリスのワイン屋さんは、成長するはずです。
しかし、実際には、イギリスのワイン屋さんは、怠けてしまったのです。
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商品を安く輸入している時は、国内の企業は競争に勝つために努力をし、安く商品を提供します。
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しかし、輸入しなくなれば、国内企業は、努力をしなくなります。
そんな状態では、本来はもっと安く買えたはずの商品でも、値上がりしてしまうのです。
ライバルがいる時は、勝つために努力をし、安く商品を提供します。
しかし、ライバルがいなくなったら、高いまま売ろうとするのです。
高いまま売ったら、その業者は儲かります。
当時のイギリスでは、供給量を減らして、値段を釣り上げるというやり方をしてる生産者がたくさんいました。
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そのため、アダムスミスは「輸入規制」は、特定の業者が儲かる仕組みだと批判しました。
輸入規制などを「政府の介入」という言い方をすることもあります。
アダムスミスは、政府の介入に反対しています。
国民には自由な取引をさせた方が、結果的には国のためになるのです。
自由とは
ところで、「自由」とは、どのような意味でしょうか?
自由とは、政府に助けてもらうことなく、邪魔されることのない状態です。
挑戦して成功したら、その稼いだお金が自分のものになります。
また、挑戦して、失敗したら、その責任を自分で負います。
それが自由な状態です。
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不公正
自由じゃない社会には、不公正があるとアダムスミスは考えます。
当時のヨーロッパでは、政府が経済にたくさん干渉していました。
例えば、政府と特定商人が仲良くなると、その特定商人が儲かりやすいルールを作ったりします。
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もし、政府が特定の商人にとって、便利なルールを作っていたとしたら、それはズルいです。
アダムスミスは、そのような不公正を批判しました。
不公正を防ぐために、アダムスミスは、市場のことは「神の見えざる手」に任せるべきだと主張しました。