インフレを恐れる気持ちや「たぶんこれからインフレになるだろう」という想像が人々の中にあると、それだけで、本当にインフレになってしまうことがあります。
なぜそうなるのか解説します。
インフレとは
インフレとは、商品の値段がどんどん上がってしまうことです。
今まで買っていたものが、その値段では買えなくなります。
例えば、今日まで100円だったのに、今日は120円になっていたりするのです。
こうなると、明日買い物をするよりも、今日買い物する方がマシという状態になります。
なぜなら、明日も値上がりするかもしれないからです。
インフレを恐れると起きること
人々がインフレを恐れると、人は「物価が上がる前に買い物をおこう」という気持ちになります。
今すぐに必要でないものも、買い溜めしようとするのです。
また、普段なら、貯金をしていた分も、貯金をせずに、買い物をするために使います。
そうすると、ディマンド・プル・インフレが起きます。
ディマンド・プル・インフレ
これは、買いたい人が多いことで、商品の値段が上がるということです。
商品を沢山のお客さんが奪い合うと、商品の値段が高くても売れるようになります
だから、商品の値段が高くなるのです。
インフレが起きると、消費者は、インフレになるという確信をさらに強めます。
もし、これからもインフレになるのであれば、生活費が高くなり続けます。
それなら、賃金も高くしてもらわないと生活出来なくなります。
それに、インフレになったら、賃金も上昇させるのが普通です。
なぜなら、商品の値段が上がったら、会社にたくさんのお金が入ってくるはずだからです。
会社が儲かっているなら、賃金として支払うべきです
労働者は、賃金を上げて欲しいと要求するようになります。
その結果起こるのは、コスト・プッシュ・インフレです
コスト・プッシュ・インフレ
これは、労働者の賃金が上がったせいで、コストが増え、商品の値段を上げざるを得ない状況になることです。
値段を高くして売らないと、労働者の賃金が払えなくなってしまうのです。
そのため、商品の値段を高くして売ります。