近年、エシカルな生活を求める動きが広がっていると思います。
企業も、エシカルを売りにするマーケティングが増えてきました。
しかし、エシカル消費には、デメリットもあります。
現場で働いた私としても、デメリットを補うために、何かできるのか分かりません。
そのため、この記事では、労働者を守ろうとした歴史的な偉人は、社会をどのようにより良くしようとしたのか見ていきます。
エシカルのデメリット
私が考えるエシカルのデメリットは、エシカルの度合いが、現場の人たちの「やる気」に委ねられてる点だと思います。
エシカルの定義は曖昧なため、エシカルは形だけになってしまう可能性もあるのです。
私がそう思うようになったキッカケは、バングラデシュの工場にインターンをした時です。
その会社では「労働者を大切にしている」と宣伝しつつ、本当は、労働環境が劣悪だったのです。
社会人になって理解しましたが、現場にいる人間にとって「労働者に良い環境づくり」を本気で考えてる暇などないのです。
広告では「途上国の人を雇えば、現地の人が賃金をもらうから、彼らのためになる」と宣伝をしていますが、言い方を変えると「安い人件費」で商品を作りたいということです。
それに、現地の人たちは「賃金が安いから」困っているわけです。
また、広告では「途上国で日本レベルのものを作りたい」と言っていますが
言い方を変えれば「安い人件費で、高品質のものを作れ」と言ってるのと同じです。
しかし、質が高いものを作るには、針が折れづらいミシンが必要だったり、従業員がしっかり休息を取る必要があったりなど、「情熱」だけでは、乗り越えようのない問題もあるわけです。
途上国で働いていた身としてはエシカルファッションの広告は「都合の良い言い方をしてるだけだ…」と感じてしまいます。
現場では、綺麗事を言っている余裕はありません。日本人は現地の人に対して「頭のおかしい外国人」とののしり、現地の人は日本人に「◯すぞ」と言い返すなどの怒鳴り合いの応酬の中で、どうにか働いています。
労働環境が最悪なのは理解していますが、それを指摘することすら許されないのが現実です。
どのようにしたら、良い労働環境が作れるのか私にも分かりません。
そこで、今回は、途上国の労働者のために何ができるのかを、歴史的な偉人から学んでいきたいと思います。
この記事では、マルクスとオーウェンの考え方をそれぞれ見ていきます。
マルクスから学ぶ
マルクス曰く、労働者が搾取されてしまう理由は、労働力が可変資本だからです。
可変資本とは、価値の大きさが変わる資本のことです。
労働者は、無理やり働かせることで、労働力以上の価値を生み出してくれます。
会社は、利益を出したいのであれば、労働者を搾取するしかありません。
そして、会社は、より多くの利潤を追求します。
資本主義の中で生き残るには、利益を上げなければならないのです。
労働者が搾取されるのは、このような理由からです。
もし、労働者に優しくしようとしてる会社と
労働者に優しくしない会社があれば
労働者に優しくしない会社が儲かるのです。
マルクスは、労働者が搾取されてしまうという資本主義の欠陥を指摘しました。
オーウェンから学ぶ
一方で、オーウェンは、労働者を助けたいなら、ルールを作ろうと考えました。
例えば
1日○時間以上の労働は禁止
○歳以下の労働者を雇ってはいけない
など、決めてしまえば、より公平に、労働環境が改善するはずです。
そして、オーウェンは、1819年に紡績工場法を作りました。
それによって9歳未満の労働禁止、16歳以下の12時間以上の労働は禁止されました。
経営者に「労働の人権を守れ」と言うだけだと、人権を守ってる「フリ」をするだけの経営者が現れます。
しかし、オーウェンのように「何がOKで何がダメなのか」を数字で明確にする事で、労働環境を改善する事ができます。
工場法が改善されれば、一律で労働者の権利が守られるのです。
筆者の意見
途上国の労働者は大切にされるべきですが、それと同じくらい、日本の労働者も大切にされるべきだと私は思います。
日本の「過労死」の問題は、世界中で話題になっています。
日本人は、働きすぎなのです。
私の経験では、途上国の人より、日本人の方が労働者を大切にしない印象があります。
日本には「死ぬ気で頑張れ」とか「お客様は神さま」などの恐ろしい言葉があります。
日本人の労働者すら大事にできない日本の企業が、途上国の労働者を大事にできてるのかは疑問です。
このような問題を解決するためには、労働者を守るルールを作っていく必要があるのではないかと考えています。