クラウディングアウトとは、財政政策をしても景気が良くならなくなってしまう現象です。
なぜ財政政策で景気が良くならなくなってしまうのでしょうか?
見ていきます。
銀行
まず、銀行について説明します。
銀行とは、お金を貸してくれる場所です。
お金を貸す相手は、民間企業や政府です。
民間企業とは、会社のことです。
民間企業は、企業のお金を使って、銀行からお金を借ります。
一方で、政府は、国債を使って、銀行から、お金を借ります。
民間企業も、政府も、銀行からお金を借ります。
しかし、銀行のお金の量には、限りがあります。
つまり、民間企業と政府は、銀行のお金を奪い合う関係にあります。
それでは、政府が政府政策を行う時について考えていきます。
財政政策にはお金が必要
まず、財政政策をするためには、政府はお金が必要です
普通なら、税金でお金を集めます。
しかし、それでも足りない場合は、国債を発行します。
国債
国債を発行したら、その国債は、銀行に買ってもらいます。
銀行のお金は、国債の購入に使われます。
つまり、銀行のお金は、政府に吸い上げられます。
そのため、銀行のお金が減ってしまいます。
銀行のお金が減ると何が起こる?
政府が銀行からたくさんお金を借りると、何が起きるでしょうか?
銀行から、お金を借りたい人が多いときは、銀行は、金利を高くしてしまいます。
なぜなら、銀行からお金を借りたい人が多いときは、お金を奪い合うことになるからです。
金利が上がる
銀行からお金を借りたい人が多い時、銀行の金利は、高くなります。
その理由は、たくさんの人にお金を貸せない時は、金利を高くするからです。
銀行のお金の量には、限りがあります。
無限にお金を貸せるわけではありません。
限られたお金を分け合う必要があるのです。
銀行のお金を奪い合うとき、より高い金利でお金を借りる人がお金を借りることができます。
銀行は、高い利子率でお金を借りてくれる人にお金を貸します。
政府は、銀行から、お金を借りたいです。
そのため、政府は、高い金利でお金を借ります。
ちなみに「政府がお金を借りる」ということは、「国債を発行する」と同じ意味です。
政府は、国債を発行することで、銀行からお金を借りています。
なぜ、政府は高い金利でお金を借りるのか?
それでは、なぜ、政府は高い金利で銀行からお金を借りるのでしょうか?
政府は、財政政府をするために、どうしてもお金が必要です。
お金を調達するために、高い金利にしてでも、銀行からお金を借りるのです。
しかし、政府が銀行からたくさんのお金を借りると、銀行のお金が減ってしまいます。
あまりお金を貸せない時は、金利が上がります。
高い金利を払っててもお金を借りたい人にだけお金を貸すのです。
借りる人が減る
金利が上がるとお金を借りる人が減ります。
なぜなら、金利が高い時にお金を借りると、返す時に、たくさん利子をつけて返さなければいけないからです。
お金を借りる人にとっては、金利が上がると、お金が借りにくい状態になるのです。
そして、お金を借りる人が減ります。
景気が良くならない
お金を借りる人が減るということは、お金を使う人も減るということです。
つまり、儲かる人も減ります。
まとめ
政府が国債を発行すると、金利が高くなり、お金を借りる人が減ります。
すると、お金を使う人が減ってしまうので、景気が良くならないのです。