ケインズの設備投資の理論をイラストで分かりやすく解説

ケインズ

投資

投資という言葉は、いろいろな場面で使われます。

私の場合は、「投資=買うこと」と解釈してます。

「株に投資」という意味は、「株を買う」ということです。

また、「設備に投資」という意味は、機械や設備に、お金を使うことです。

また、「未来に投資」といえば、留学などにお金を使うことをさします。

ですが、今回は「投資=設備を買う」です。

「投資」とは、企業がさらにお金を稼ぐために、機械を買ったり、新しい工場を作ることだと捉えてください。

例えば、パン屋さんにとっての投資は、オーブンなどを買うことです。

なぜなら、オーブンを買うことで、さらにたくさんのパンを作ることができるからです。

この投資のことを、「設備投資」「事業投資」「民間投資」「実物投資」などといいます。

投資する理由

企業が投資をする理由は、もっとお金を稼ぎたいからです。

オーブンがたくさんあれば、パンをたくさん作れます。

そのため、投資をしたら、お金を稼ぎやすくなるのです。

オーブンを買うことで、増えるお金の量のことを利潤率といいます。

投資しない理由

投資しない理由もあります。

企業はお金を持っています。

このお金は、銀行に預けておけば、利子をもらえます。

お金を銀行に置いておくだけで、勝手にお金が増えるのです。

何もしなくてもお金が増えます。

お金がどんどん増える時期のことを「利子率が高い」といいます。

逆に、お金が増えるスピードが遅い時のことを「利子率が低い」といいます。

利子率が高い時は、銀行にお金を預けた方がいいです。

投資をするかどうか

投資をするかどうかを考える時は、利潤率と利子率を比較する必要があります。

例えば

オーブンを買うことで得られる利益の方が、銀行に置いておくだけで増えるお金の量より大きくないと、オーブンを買おうと思わないのです。

つまり、銀行の利子率よりも、パンを売ることの利潤率のほうが高ければ、企業は設備投資をします。

利子率について

銀行の利子率は変えることができます。

利子率を上げる

利子率を上げると、銀行にお金を置いておくだけで、何もしなくてもお金が増えるようになります。

そのため、銀行にお金を預けたい人が増えます。

利子率を下げる

利子率を下げると、銀行にお金を置いておいても増えません。

それなら、オーブンを買ってパンを作る方が儲かります。

そのため、利子率が下がると、オーブンを買おうという気持ちになります。

さらに、利子率を下げることには、もう一つメリットがあります。

それは、お金が借りやすくなることです。

パン屋さんは、銀行からお金を借りることができます。

そしてお金を返す時は、利子をつけて返す必要があります。

利子率が低いときにお金を借りると、お金を返すときの利子が少なくなります。

利子率が低いということは、「お金を借りるにはおトクな時期」ということです。

そのため、利子率が低いと、パン屋さんは、安い利子率でお金を借りて、オーブンを買うのです。

つまり、利子率を下げれば、投資が増えるのです。

ちなみに「利子率=金利」です。

不況について

不況の時は、消費も、投資も減ってしまいます。

そして、投資が減ると、どんどん景気が悪くなります。

投資をしなくなると、どんどん投資する意欲がなくなってしまうのです。

利潤が生まれないと、お金を借りる勇気が生まれません。

不況を終わらせるには

じゃあ、どうしたら不況を終わらせることができるのでしょうか?

方法は2つです。

貯金をやめることと、投資を増やすことです。

貯金をやめること

まず、不況を終わらせたいなら、貯金はやめた方がいいです。

そして、買い物をたくさんした方が良いです。

なぜなら、買い物をする人がいるということは、儲かる人がいるからです。

買い物をする量を増やせば、景気が良くなります。

買い物する量を増やすということは、逆に言えば、貯金を減らすということです。

ケインズは、貯金する人が増えたら、景気が悪くなると主張しました。

そして、貯金する理由を2つ挙げました。

①未来が不安だから

不況の時に貯金をする理由の一つは、未来が不安だからです。

国民が神経質で不安に陥り、貯金を始めます。

そして、不況をさらに悪化させてしまうのです。

②利子率が高いから

次に、企業が貯金をする理由は、利子率が高いからです。

利子率が高い時は、不況になるのです。

「企業が節約する=投資が減る」です。

利子率が高い時は、投資をしない方がおトクなので、投資をしません。

また、儲からない時はモノの値段も下がります。

このような状況の時は、人々は、節約を始めます。

そして、貯金をするようになるのです。

個人は、給料の中から、一部を買い物に使い、残りを貯金します。

「貯金を増やす=お金を使わなくなる」です。

節約をするようになるということは、投資を減らすということです。

節約をすることで、いっそう景気が悪くなるのです。

投資を増やすこと

企業の投資が増えたら、景気が良くなります。

なぜなら、企業がオーブンを買えば、オーブン屋さんが儲かるからです。

だから、投資が増えたら、景気がよくなるとケインズは主張しました。

銀行からお金を借りて、設備に投資をしたら、もっと儲かります。

利子率が下がれば、企業は、設備投資のお金を借りやすくなります。

そして、経済活動がより活発となり、景気が良くなっていくのです。

そのため、景気を良くするために必要なことは、利子率を下げることなのです。

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