ケインズとは、「公共事業をするべきだ」と主張した経済学者です。
彼は、公共事業をすると、景気が良くなると考えました。
なぜそのように考えたのか、みていきます。
公共事業とは
まず、公共事業について説明します。
公共事業とは、国民のみんなが使うものを作ることです。
例えば、橋や水道などです。
この時のお金は、国民から集めた税金が使われます。

公共事業をすると、国内に、橋や道路が増えます
そうしたら、橋や道路を使いたい人が喜ぶかもしれません。
しかし、公共事業をするメリットは、それだけではありません。
公共事業をすると、失業者が減るのです。

公共事業を行うと、失業率が下がります。
その理由は、建築会社で人が働くからです。
橋や水道を作るときは、働く人が必要です。
建設会社の人は、政府から「橋を作ってください」とお願いされると、より多くの労働者を雇います。

橋を作るためには、そこで働いてくれる人が必要です。
そのため、建設会社は、仕事を受注すると、新しく人を雇います。
失業者が会社に雇われたら、働くことができます。
こうして、失業者も働けるようになるのです。

公共事業をすると、失業者が働くので、失業者が減る、ということです。
また、このお話の続きには、さらに良いことがあります。
失業者が減るメリット
失業者が減るメリットの一つ目は、失業者が助かることです。
失業者は、お金を稼ぐことができなくて、困っています。
困ってる人が減ることは良いことです。
しかし、失業者が減るメリットは、それだけではありません
失業者が減ると、景気が良くなるのです。

失業者が減るメリットの二つ目は、景気が良くなることです。
失業者はお金をほとんど持っていないので、節約しながら生活しています。
言い換えると、買い物をしないということです。
買い物をしないお客さんが多いと、近所のお店は、全然儲かりません。
お店が儲からないと言いことは景気が悪くなるということです。

一方で、失業者が減り、給料をもらうようになると、景気が良くなります。
その理由は、景気が良くなるためには、国民がお金をたくさん使って、国の経済を回す必要があるからです。
「経済を回す」とは「買い物をする」という意味です。
お金を持ってる人は、買い物するので、お店が儲かるのです。

失業者は、お金がなくて、腹ペコの人です。
そんな人が、お金をもらうと、すぐにお店に行って、食べ物を買って、食べます。
そして、今まで買えていなかったトイレットペーパーや服などの生活必需品も買います。
さらに、家賃や携帯代など、いろいろ払えていなかったものを払います。
このように、失業者は、お金をもらうと、そのお金をどんどん使う傾向にあるのです。
一方で、もともとお金に余裕がある人は、そうではありません。
お金に余裕がある人がお金をもらっても、貯金するだけです。
貯金をされてしまうと、国内の経済は回りません。

「国内の経済が回らない」ということは、お店が儲からないということです。
一方で失業者の方が、切羽詰まっています。
買わなければいけないものがたくさんあるので、貯金したくてもできないのです。
失業者の方がお金をたくさん使う可能性があるので、お店が儲かります。
「お店が儲かる=景気が良くなる」です。
これが、失業者が減ると、景気が良くなる理由です。

また、このお話の続きには、さらに、さらに良いことがあります。
乗数効果
失業者だった人が、働いて、給料をもらうと、もらったお金をどんどん使う傾向があります。
そしたら、近所のお店が儲かります。
しかし、失業者がお金をたくさん使うメリットは、それだけではありません。
国全体が活気づくのです。

お金を使う人がいるということは、儲かる人がいるということです。
例えば、もし、失業者がお金をもらったら、お弁当などを買います。
公共事業では、たくさんの失業者が給料をもらうので、たくさんの失業者がお弁当を買います。
そうしたら、お弁当屋さんは儲かります。
そして、お弁当はすぐに売り切れます。
お弁当屋さんは、もっとたくさんのお弁当を用意するために、お米や野菜をもっとたくさん買っておくようになります。

すると、農家は、お米や野菜をいつもよりたくさん売ることができます。
つまり、もっとたくさん作物を作る必要が出てくるかもしれません。
そうしたら、人を雇って作物を作ることができます。
このように、ドミノのように、波が広がっていきます。
こうして、国全体が活気づくのです。
まとめ
ケインズは、失業者を救おうとしました。
しかし、それは「失業者が可哀想だから」だけではありません。
そうした方が、「国全体が活気づく」からです。

景気を良くしたいのであれば、まずは、失業者を減らすことから考えていく必要があるのです。