ケインズ経済学の特徴を簡単に説明

ケインズ

ケインズ経済学とは

ケインズ経済学は、不景気を解決するために、政府がどんどん経済に介入するべきであるという考え方をしています

介入とは、政府のお金(税金)を使って、困ってる人を助けたりすることです

介入の一つには、「失業者に仕事を与える」という介入の仕方があります

失業者に仕事を与えれば、失業者は給料をもらうことができるので、景気が良くなるという考え方です

ケインズ以前の人が、失業問題は、長期的には解決すると考えたのに対して、ケインズは、「長期的には我々は死んでいる」と言いました

そして、短期的に「今すぐ」失業問題を解決するには、政府の介入が必要だと主張しました

有効需要を増やすべき

ケインズは、有効需要を増やすべきだと主張しました

有効需要の意味は、買いたい気持ちもあって、お金もあるということです

有効需要は、「買い物をする人が増えたら、景気が良くなる」ということを説明するための言葉です

  

景気が悪い時は、人々はみんな貧しいです

買いたい気持ち(需要)はあるのに、買い物をするためのお金がないのです

つまり、需要があるだけではダメで、有効需要が必要です

だから、国民のお財布の中のお金を増やしてあげることが大切なのです

有効需要を増やすべき理由は、国民の財布の中のお金を増やしてあげることで、買い物をする人を増やすべきだからです

では、どのように国民のお財布の中のお金を増やすのでしょうか?

それは、失業者に、給料を与えればいいのです

不景気の時に1番貧しいのは、失業者です

彼らに、働いてもらえば、彼は給料をもらいます

働くこととは、彼のお財布の中のお金が増えることなのです

有効需要の原理

次に有効需要の原理について説明します

有効需要の原理とは、需要が供給を作るという考え方です

つまり、買いたいという人がいるから、作る人がいるのです

供給を増やすためには、働く人が必要です

だから、需要が増えれば、会社は労働者を雇います

そのため、失業者が減るのです

つまり、失業者を減らすためには、「買いたいという気持ち」を増やすべきです

言い換えると、需要が供給を作るので、まずは需要を増やすべき、ということです

景気を良くする方法

ケインズが考えた景気を良くする方法についてです

国民が買い物をすればいい

景気をよくするためには、国民みんなにお金をばら撒けば良いと考えました

ばら撒く方法の一つが、給料を与えることです

給料を与えるために、公共事業を行うべきだとケインズは主張します

なぜなら、公共事業で働いた人たちが、給料をもらうと、景気が良くなっていくからです

国民の給料を増やすために公共事業を行うことを、財政政策といいます

ケインズは、まずは失業者を救うべきだと考えました。

また、公共事業をすれば、乗数効果も期待できます

政府がお金を使うと、ドミノのように、いろんな人が買い物をするようになります

こうして、最初に使ったお金(税金)以上に、たくさんの効果が生まれるのです

もし、国民にお金が行き渡ったら、限界消費性向が大きくなります

そのため、政府は、お金(税金)を使うべきなのです

ケインズは、赤字財政になってでも、公共事業をするべきだと主張しました

逆にいうと、財政赤字になってしまうというのが、ケインズ経済学の欠点です。

企業が買い物をすればいい

企業も買い物をします

企業は、もっとお金を稼ぐためにロボットを買ったり、新しい工場を作ったりします

そして、売り上げを増やして、景気を良くするのです

企業が買い物しやすい状態にするために、金利を下げようとケインズは考えました

金利を下げれば、企業はお金を借りて、ロボットなどを買うので、景気が良くなります

金利を下げることを金融政策といいます

金利を下げれば、インフレになります。

国内のお金を増やして、インフレにすると、景気が良くなるのです。

しかし、流動性の罠があるので、金融政策だけでは、景気を回復することは難しいと考えています

そのため、公共事業が大切なのです

賃金は簡単には下がらない

他にも、ケインズの主張で、有名なものを紹介していきます

ケインズは、「賃金は簡単には下げられない」という主張をしています

なぜ、このような主張をしたのかというと、ケインズ以前の考え方では、「賃金は上がったり下がったりするものだ」と考えられていたからです

特に、賃金は、景気が悪い時は下がると考えていました

ケインズ以前の考え方

景気が悪い時は、商品は安くしないと売れなくなります

お客さんが、節約をするようになるからです

しかし、「商品を作る人が生み出す価値が低くなった」という考え方をすることもできます

商品が安くないと売れない時期は、給料も安くする必要があります

だから、ケインズ以前の人は、不況の時は、賃金は下がるはずだと考えていました

もし、景気が悪い時に、賃金が下がらなかったら、むしろ問題だと考えました

なぜなら、賃金が下がらないと、失業者が増えるからです

もし政府が「賃金を下げるな」と言ったら、誰かをクビにするしかありません

つまり、みんなの賃金を下げるか、誰かを解雇するか

その二択しかないと考えられていました

賃金を安くすれば、その分、他の人を雇うこともできます

つまり、賃金を安くすれば、失業者を減らすことができます

そのため、不況の時は、賃金が下がるべきだと考えられていたのです

ケインズの意見

それに対してケインズは、「不景気の時、賃金は簡単には下がらない」と主張しました

なぜなら、国が最低賃金を設定していたり、労働組合が賃下げを拒否する場合があるからです

労働者の立場から見ると、賃金を下げられてしまうことは、ショックなことなのです

賃金を下げられそうになると、労働者は強く反発します

そのため賃金は、簡単には下げられないものなのです

賃金が下がりにくいことを、「賃金の下方硬直性」と言います

労働者は、名目賃金を重視する

労働者は、名目賃金を重視します

もし、世の中の物価が安くなり、生活費を安く抑えられるようになったら、賃金が減らされても、生活のクォリティは変わりません

それでも、普通の人は、賃金を減らされると、ショックを受けるのです

なぜなら、労働者は、「名目賃金」を重視するからです

「名目賃金」とは、貨幣で受け取った賃金そのものを指します

金額だけを見たのが、名目賃金です

一方で、「実質賃金」という言葉もあります

「実質賃金」とは、物価と賃金の関係を表したものです

実質賃金とは、物価のことも考えた数字ということです

例えば、物価が下がり、自分の賃金が下がっても、生活のクォリティが変わっていないので、実質賃金は変わっていません

しかし、普通の人間は、実質賃金ではなく、名目賃金を気にします

先月より、今月の賃金が低ければ、それだけ「貧しくなった」と感じます

だから、名目賃金が減ることに反発するのです

最後に

ケインズは、景気を良くするためには、民間投資が増える環境を整えるべきだと主張しました

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