スタグフレーションとは?漫画で分かりやすく

フリードマン

スタグフレーションとは

スタグフレーションとは、不況とインフレが同時に起きることです

つまり、景気が悪いのに、物価は上がっていく状態です

これは、スタグネーション(不景気)とインフレーション(物価高騰)をくっつけた言葉です

スタグフレーションになると、給料は安いのに、生活費は高いという状態になります

不景気で賃金は増えないのに、食料品やガス代といった生活費の価格は上昇するのです

スタグフレーションは、「不景気のインフレ」とも呼ばれています

不景気とは?インフレとは?

ということで、「不景気」と「インフレ」の意味をみていきます

不景気

まず、ふつうの不景気は、物価が下がります

なぜなら、安くしないと売れないからです

そして、物価が下がったことが原因で、従業員の給料も下がります

なぜなら、値下げをしたことで、企業に売り上げが下がり、従業員に払える給料も少なくなるからです

そして、給料が少なくなった従業員は節約をするようになります

節約する人が増えると、さらにモノが売れなくなります

こうして、どんどん不況になってしまうのです

インフレ

インフレーション(物価高騰)

インフレとは、モノの値段がどんどん高くなることです

物価高騰で大変なコトは、支出が増えることです

モノの値段が高いので、消費者は、生活するために、たくさんのお金を使わないといけません

お財布の中のお金がどんどん減っていくのです

スタグフレーションの登場

昔の経済学

昔の経済学では、スタグフレーションの考え方はありませんでした

昔の人は、景気が停滞すると需要が落ち、物価も賃金も低下すると考えられていました

つまり、給料も生活費も、同時に安くなると考えられていたのです

給料が下がっても、生活費も一緒に下がるので、ものすごく困るというほどではないです

1960年代以降の経済学

しかし1960年代以降、スタグフレーションが登場しました

インフレと不況が同時に起きたのです

日本で過去にスタグフレーションが発生したのは1970年代の石油危機です

石油危機の時には、石油の価格が4倍になったため、いろんな商品が値上がりしました

トイレットペーパーの買い占めが行われたのもこの時です

この時は、給料が増えなかったり、失業者が増えた上に、生活費は上がってしまいました

収入は増えないのに、支出は増えるというダブルパンチ状態だったのです

インフレとスタグフレーションの違い

物価が上がるという点では、インフレもスタグフレーションも同じです

では、インフレとスタグフレーションの違いは何でしょうか?

それは、景気が良い時に起きるのがインフレで

景気が悪い時に起きるのがスタグフレーションという点です

インフレ

インフレとデフレって、どっちがどっち?

「インフレとデフレが分からない」という人は

物価を風船に喩えて覚えてみるといいと思います

物価(という風船)が上がっていくのがインフレです

そして、物価(という風船)が下がるのがデフレです

「空気がインするインフレ」と、「空気がデるデフレ」という覚え方です

通常の物価上昇(インフレーション)は、景気が良いことが原因です

景気が良い時は、人を雇いたい企業が増えますし、給料も増えます

それのおかげで、モノが高くても売れるようになります

だから、物価が上昇していくのです

これが、普通のインフレーションです

インフレの時は給料が上がります

なので、インフレは、ハッピーな印象があります

インフレになる原因は、供給を上回る需要です

みんな商品を買いたいけど、買い物したい人が多すぎて、作るのが間に合っていないのです

だから、消費者は高くても買います

そのため、企業は商品の値段を上げます

また、企業の利益が増えるので、給料も増えます

そして、たくさん給料をもらった従業員は、もっと買い物したい気持ちになるのです

スタグフレーション

しかし、スタグフレーションは、ハッピーではありません

生活に使うお金が増えるので、生活が苦しくなるうえに

不景気で、給料が増えないのです

ふつうの不況とスタグフレーションの違い

ふつうの不況もスタグフレーションも、「景気が悪い」という点は同じです

では、ふつうの不況とスタグフレーションの違いはなんでしょうか?

それは、不況は物価が下がる一方で、スタグフレーションは物価が上がる点です

ふつうの不況

不景気となれば雇用状況が悪化し賃金は減少しますが、それに伴い物価も下落していきます

いわゆるデフレーションの状況です

とはいえ、「最低賃金」は決まっているので、実は、従業員の給料がガツンと減ることはありません

物価はどんどん下がることはありますが、ありがたいことに、従業員の給料は、ある程度までしか下がらないのです

なので、ふつうの不況については、そんなに心配はいりません

なぜなら、ふつうは「物価が下がると景気が回復する」からです

つまり、不況で物価が下がっても、ほっておけば景気は回復するのです

また、景気が回復しない場合は、政府が金融緩和をすることもできます

金融緩和とは、世の中のお金を増やすことです

つまり、みんなのお財布の中のお金を増やすということです

金融緩和をすれば、ふつうの不況は解決できます

ふつうの不況の場合、世の中のお金の量を増やすと、景気が回復します

なぜなら、お財布の中のお金が増えたら、モノが買えるようになるからです

ちょっと高いモノでも買うことができるようになります

言い換えると、ちょっと高くても売れるようになります

つまり、モノの値段が上がるのです

そして、従業員の給料が増えるので、景気が良くなります

スタグフレーション

しかし、スタグフレーションの場合は、政府は、金融緩和をすることができません

なぜなら、モノの値段が上がっている時に、世の中のお金を増やしたら、モノの値段がさらに上がってしまうからです

モノの値段が上がるということは、通貨の価値が下がっているということです

モノの値段が爆上がりしてしまうと、通貨の価値が爆下がりしてしまうのです

もし、お財布の中のお金が増えたら、もっと買い物をしたくなってしまいます

つまり、モノが高くても売れる状態です

だから、どんどんモノの値段が爆上がりしてしまいます

これは、「狂乱物価」と呼ばれる良くない状態です

だから、政府は、まずはモノの値段が爆上がりするのを、防がないといけません

なので、スタグフレーションの場合は、政府は、金融引き締めをします

金融引き締めとは、世の中のお金を減らすことです

もし、お財布の中のお金が減ったら、買い物したくてもできません

そのため、金融引き締めをすると、狂乱物価を抑えることができるのです

しかし、金融引き締めで解決できるのは、インフレだけです

不況は解決できません

インフレと不況を同時に解決することはできません

どちらかを先に解決しないといけないのです

インフレと不況が起きた時は、まずはインフレを止めることが大切だと言われています

なぜなら、物価の上昇に歯止めがきかなくなると、自国通貨の暴落という状況に陥りかねないからです

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