ゼロ金利は、景気を良くするために行います。
まずは、「景気とは何か」ということから見ていきます。
景気
景気とは、国内のお店が儲かっているかどうかを見ていくものです。
お店が儲かっている状態を「景気が良い」と言います。
景気を良くするためには、お金を借りる人を増やすことが大切です。
なぜなら、お金を借りると、人は、そのお金を使って買い物をするからです。
買い物をする人がいるということは、ものを売るお店があるということです。
お客さんがパンを買えば、パン屋は儲かります。
パン屋などのお店が儲かると、「景気が良い」という状態になるのです。
一方で、国民からあまり銀行からお金を借りない時は、景気が悪くなります。
お金を借りる人が減ると、お金を使う人が減ります。
国内のお店が儲からなくなります。
すると、日本の景気が悪くなります。
銀行
次に、銀行について説明します。
銀行とは、国民にお金を貸してくれる場所です。
日本には、銀行がたくさんあります。
銀行は、人にお金を貸すことで、お金を儲けています。
どのようにしてるのでしょうか?
それは、お金を貸した後、少し増やしてお金を返してもらいます。
この増えた分が、銀行の儲けです。
この増えた分のことを「金利」と言います。
銀行の金利
金利は、上がったり下がったりします。
銀行が銀行の金利を決めていて、時期によって変化するのです。
まず、銀行の金利が低いと、お金を借りやすいです。
なぜなら、銀行の金利が安いということは、あまりたくさん返さなくて良いということだからです。
銀行の金利が低いと、たくさんの人がお金を借りたがります。
だから、銀行の金利が低い時は景気が良くなります。
一方で、銀行の金利が高いと借りづらいです。
銀行の金利が高いと借りづらいです。
なぜなら、銀行の金利が高いということは、たくさん返す必要があるからです。
銀行の金利が高い時は、あまり人はお金を借りません。
だから、銀行の金利が高い時は景気が悪くなります。
このように、銀行の金利をコントロールすることで、景気をコントロールできるのです。
日本銀行
日本銀行という銀行があります。
日本銀行は、日本に1個しかありません。
つまり、銀行たちのボスです。
日本銀行は、銀行にお金を貸すことができます。
銀行は、日本銀行からお金を借りることができます。
しかし、日本銀行からお金を借りたら、少し増やして返す必要があります。
日本銀行にも金利があります。
日本銀行が、日本銀行の金利を決めています。
日本銀行の金利
日本銀行の金利が低い時は、銀行は、日本銀行からお金を借りやすいです。
金利が低い時にお金を借りると、あまり増やして返さなくていいからです。
日本銀行の金利が低い時は、銀行は、どんどん日本銀行からお金を借ります。
すると、銀行の手持ちのお金が増えます。
そして、人にお金をどんどん貸します。
景気を良くしたければ、日本銀行の金利を低くしたらいいのです。
日本銀行の金利を低くしたら、日本の景気は良くなります。
↑これが、今回の記事での大事な考え方です。
それでは、ゼロ金利について見ていきます。
ゼロ金利
ゼロ金利とは、日本銀行が銀行にお金を貸す時の金利を0%にすることです。
ゼロ金利とは、日本銀行の金利の話です。
ゼロ金利とは、日本銀行が銀行に金利ゼロでお金を貸すことです。
お金借りた時に、増やさなくていいよ、ということです。
こうしたら、銀行は、日本銀行からお金を借りやすくなります。
そして、銀行は、人へお金を貸すようになるので、景気が良くなるはずなのです。
これは、1994年までの話です。
なぜなら、1994年以降は、銀行は、日本銀行からお金を借りなくなったからです。
銀行は、銀行からお金を借りるようになった
1994年、金融の自由化というものが起きました。
これにより、銀行は、日本銀行からお金を借りるのではなくて、銀行からお金を借りるようになりました。
銀行どうしで、お金を貸し借りするようになったのです。
現在では、「ゼロ金利」と言えば、「銀行どうしでお金を貸し借りする時の金利」のことを指します。
メリット
ゼロ金利政策のメリットを3つ挙げます。
1つ目に、景気が良くなることです。
銀行の手持ちのお金が増えると、銀行は、人にどんどんお金を貸すようになります。
人が買い物をすると、景気が良くなります。
ゼロ金利になると、景気が良くなるのです。
2つ目に、お金を借りる人の負担が減ります。
ゼロ金利の時は、たくさん借りても、あまり返さなくて良いので、気軽にお金が借りれます。
ゼロ金利になると、お金を借りる人の負担が減ります。
3つ目に、円安になることです。
世界には、投資家と呼ばれる人たちがいます。
投資家という言葉は、いろんな使われ方をします。
今回の投資家は、「金利でお金を稼ぐ投資家」です。
このような人は、お金を銀行に預けて、金利で儲けています。
ちなみに、「預ける」と「儲ける」は同じ意味です。
投資家は、お金を日本の銀行に預けるべきか、アメリカの銀行に預けるべきか、または、別の国に預けるべきか考えています。
金利が高い銀行は、お金をめっちゃ増やしてくれます。
一方で、金利が低い銀行は、お金をあまり増やしてくれません。
日本の金利が低くなると、「金利の高い海外のほうへお金を置く方がオトクだ」と考えます。
金利が低い時は、お金を日本の銀行に預けていても、お金が増えません。
しかし、海外の金利の高い銀行に預けたら、その国ではめっちゃお金を増やしてもらえます。
海外の銀行の方が金利が高いなら、そっちに預けるのです。
日本のお金が海外に移動します。
つまり、円が外国のお金に両替されます。
こうなると、円安が進みます。
円安は良いことです。
日本の車が海外で売れやすくなるし、日本にくる外国人観光客が増えるからです。
デメリット
次に、デメリットを3つ挙げます。
デメリットの1つ目は、景気を良くするために、それ以上のことができなくなることです。
ゼロより低い数字はありません。
金利をゼロにしてしまえば、もうそれ以上のことができません。
ゼロ金利は、景気を良くするためにギリギリまで努力してる状態なのです。
2つ目は、債券を持っている投資家にとっては不利だということです。
債券とは、金利で稼ぐことができる紙のことです。
投資家が会社にお金を貸すと、会社は、その投資家にお金を増やして返します。
こうして、定期的に会社からお金を受け取ることができる紙のことを「債券」といいます。
お金持ちの人は、債権を持っていたりします。
しかし、ゼロ金利の時は、債券を持っていても利子がもらえません。
お金を貸しても、増やして返してもらえないのです。
ゼロ金利政策は、お金を借りる人はにとってはいいことですが、お金を貸す人にとっては、残念なことなのです。
3つ目に、お金が海外に行ってしまうことです。
お金が海外に行ってしまうと、本来なら日本で使われるはずだったお金が、海外で使われることになります。
それは、日本にとって、損なことなのです。