トリクルダウンとは
トリクルダウンとは、「お金持ちの人が富を増やせば、貧しい人にも富が行き渡る」という考え方です。
これを実現させるためには、どんなことが必要でしょうか?
見ていきます。
登場人物
ここでは、Aさん、Bさん、Cさんを登場させます。
Aさんは、お金持ちです。
Bさんは、少しお金持ちで、パン屋の社長です。
Cさんは、貧しくて、パン屋で働く労働者です。
貯金しないこと
お金持ちの人がさらにお金持ちになった時、それを貯金してしまうと、トリクルダウンが起きません。
彼らが持ってるお金を、買い物に使うことで、トリクルダウンが起きるのです。
なぜなら、買い物をすると、その分、誰かが儲かるからです。
Aさんの消費(買い物)は、Bさんの利益になります。
Bさんの利益が増えれば、Bさんは、Cさんの給料を増やすかもしれません。
このようにして、トリクルダウンが起こるのです。
給料を増やすこと
トリクルダウンを起こすには、Bさんの会社が儲かった時、労働者の給料を増やす必要があります。
Bさんの会社で働いているCさんにも富が行き渡るためには、売り上げが、Cさんの給料に反映される必要があるのです。
そうしないと、Bさんが儲かるだけで、Cさんには富が行き渡らないのです。
だから、会社が儲かった時に、Cさんの給料が高くなることが、トリクルダウンを起こすために必要なのです。
日本の現状
日本では、お金持ちの人の数は増えていますが、消費が伸び悩んでいます。
多くのお金持ちの人は資産を増やしてはいるのですが、買い物をするのではなく、貯金を増やしているだけなのです。
そのため、「世の中のお店が儲かる」という状況にはなっていません。
さらに、労働者の給料も、あまり増えていません。
会社の経営者は、会社が儲かっても、「労働者の賃金を上げよう」とはなっていないのです。
そのため、「トリクルダウンは、日本では起こらない」と考えられるようになっています。