お風呂に水を入れると、水位は上がります。
お風呂の水を減らすと、水位は下がります。
物価もこれと同じです。
水=お金
水位=物価
お風呂=国
国にお金を入れると、物価が上がります。
国のお金を減らすと、物価が下がります。
貨幣数量説とは、物価は国内のお金の量に比例するという主張です。
具体的には、国内のお金の量が増えれば、物価も高くなります。
逆に、国内のお金の量が減れば、物価も低くなります。
これが、貨幣数量説です。
貨幣数量説とは
貨幣数量説とは、社会に流通している貨幣の総量とその流通速度が物価の水準を決定しているという経済学の仮説です。
平たくいうと、国内のお金の量が物価を決めるということです。
貨幣数量説が伝えたいこと
貨幣数量説が伝えたいことは「物価を上げたい時なら、国内のお金を増やしてあげればOK」ということです。
物価が下がる理由
物価が下がる理由については、貨幣数量説によれば、「国内のお金が少ないから」となります。
一方で、ケインズは、違う考え方をしています。
物価が下がるのは、ほとんどの国民がお金を持ってないからです。
国民がお金を持っていないのであれば、パン屋さんは、パンを値下げするしかありません。
だから、どんどん物価が下がるのです。
一部のお金持ちが大量にお金を貯金していたとしても、経済は回りません。
お金は、たくさんあれば良いのではありません。
「お金を回さないといけない」のです。
これが、ケインズの考えです。
物価を上げる方法
ケインズは、物価を上げる方法は、国民に、お金を与えることだと考えました。
ケインズは「国民がお金を持っていれば、買い物をする人が増える」と考えました。
だから、国民にお金を与えればいいという考え方をしているのです。
一方で、貨幣数量説では、物価を上げるのに必要なことは、「国内のお金の量を増やすこと」です。
財政政策について
ケインズは、国民にお金を与える方法として、財政政策を考えました。
国民に働いてもらうのです。
例えば、穴を掘るという財政政策を行うとします。
そして、穴を掘ってくれた国民に給料を与えます。
国民は、お金をもらうと、買い物をしたくなります。
「買い物したい」という気持ちのことを「需要」と言います。
ケインズは、「需要」を増やせば良いと考えたのです。
一方で、フリードマンは、財政政策に反対です。
なぜなら、財政政策のためのお金は、国民の税金が使われているからです。
金融政策について
ケインズは、景気が悪い時は、国に大量にお金を供給するべきだと考えました。
なぜなら、ケインズは、国内のお金が増えたら、景気が良くなると考えているからです。
お金の量を裁量的に(気まぐれに)増やしたり減らしたりすることを裁量的金融政策と言います。
一方で、マネタリストのフリードマンは、ケインズのように「がむしゃらに」お金を増やすことには、反対しています。
フリードマンは、常に一定のスピードで、国にお金を供給するべきだと考えています。
景気が良い時も、悪い時も、変わらず、一定のスピードでやるべきだと、考えています。
一定のスピードでお金を供給することを、ルールに基づいた金融政策と言います。
失業者について
ケインズは、財政政策や金融政策をすると、失業率が低くなると考えています。
たしかに、国内のお金の量を増やしたら、物価が上がります。
物価が急に上がったら、みんなビックリするので良くないです。
それでも、失業者を減らすことができます。
失業者を救うためには、物価の上昇は、必要な犠牲なのです。
一方で、フリードマンは、政府が失業者を減らすことはできないと考えています。
なぜなら、失業者は、自ら進んで、失業状態を選んでいる、と考えているからです。
失業が、自発的なら、政府が助けに行く必要はないのです。
インフレについて
ケインズは、インフレは、悪いことだと認識してますが、失業率が高いという問題を解決するために、インフレになってしまうのは、しょうがないと考えています。
一方で、フリードマンは、インフレになるから、ケインズのやり方は良くないと批判しています。
フリードマンは、一時的に国民にお金を与えても、短期的にしか効果がないと考えます
ケインズのやり方をしても、長期的には、国民の購買力は変わりません。
インフレになるだけなのです。
貨幣供給量だけを増やすと、物価が上がって、インフレにしてしまいます。
購買力(買い物をするチカラ)が増えないと、景気は良くならないのです。
インフレとは
インフレとは、お金の価値が下がるということです。
お金が増えると、お金の価値は減ります。
このことを説明するために、喩え話をします。
コップ=お金
ジュース=お金の価値
コップが増えるとジュースが減ります。
それと同じで、お金が増えると、お金の価値が減ります。
お金の価値が下がると困る人
お金の価値が下がると困る人は、貯金をしてる人です。
なぜなら、貯金の価値が下がるからです。
そのお金で買い物できる量が少なくなってしまうのです。
なので、お金を貯金してきた、高齢者の方は、インフレを嫌がるのです。