リカード=バローの中立命題とは?イラストで分かりやすく解説

経済学入門
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一般的には、国債をたくさん発行すると、次世代の負担になると言われています。

しかし、リカード=バローの中立命題では、次世代の負担にはならないと考えられています。

どういうことか、詳しくみていきます。

国債

国債とは、国の借金です。

政府が国債を発行すると、お金が手に入ります。

今すぐにお金を使うことができます。

しかし、そのお金を払うのは、未来の私たちの税金です。

今、お金を使うために、未来の税金が増えるのが、国債というものです。

政府が国債を発行すると、国民は、不安を感じます。

なぜなら、将来の税金が増えるからです。

景気を良くする方法

景気を良くする方法は、減税をすることです。

減税をすると、買い物をする人が増えるので、景気が良くなります。

だから、景気を良くしたいときは、減税をすればいいです。

減税をすると買い物する人が増えて、景気が良くなります。

しかし、減税にはデメリットがあります。

それは、税金を減らすと、国民から集められるお金が減ってしまうことです。

政府が減税をすると、お金を集められません。

足りないお金を補う時は国債を発行します。

減税をする一方で、国債を発行することでお金を集めていると、国民は不安を感じるようになります。

「将来、増税するんじゃないか」という不安です。

そして「将来に備えて貯金をしよう」と考えるようになります。

国債は、今お金を使えるけど、将来お金を返す必要があるものです。

例えば、10年後に返済される国債を発行した場合は、10年後までにお金を用意しないといけません。

お金を用意する方法は、税金です。

お金が用意できない場合は、増税をすることになります。

国民はそれを見通して、あらかじめ貯金をするので、景気は良くならないままなのです。

次世代の負担にはならない

また、国債は次世代の負担にはならないと、リカードの中立命題では考えられています。

ここでは、国債を発行する時と、国債を返済する時とで、世代をまたがない場合を想定しています。

減税のメリットを受けた世代と、10年後に増税される世代が同じなら、負担にはなりません。

ただプラマイゼロです。

リカードの中立命題

リカードの中立命題とは、減税のメリットを受けた世代と、増税される世代が同じなら、負担にはならず、ただプラマイゼロであるという考え方です。

「減税して国債を発行すること」と「国債は発行せずに増税すること」は、国民の立場から見ると、負担の大きさが一緒です。

政府がお金を集める時に、その財源が増税であろうと国債であろうと、経済に与える影響は同じになります。

国債の発行は将来世代の負担にはなりません。

経済的に中立です。

バーローの中立命題

世代をまたいだとしても、次世代の負担にはならないと考えたのは、バーローです。

世代をまたいだ場合でも、国債は次世代の負担にはならないというのが、バーローの中立命題です。

例えば、政府が景気を良くしたくて、減税をして、その分国債を発行したとします。

10年後にお金を返す国債の場合、10年後までに政府はお金を用意しなければいけません。

お金が用意できなければ増税してお金を集めることになります。

つまり、将来の国民の負担になります。

しかし「次世代の負担にならない」とバーローが主張する理由は、親世代が子どものために貯金するのが普通だからです。

政府が国債を発行すると、国民は「将来増税するのではないか」と不安がよぎります。

そしたら、次の世代のためにも、今のうちに貯金をしておこうという気持ちになります。

親世代が貯金をするので、国債は次世代の負担にはならないのです。

減税をしても、その代わりに国債を発行していると、景気は良くなりません。

しかし、将来の世代の負担になるわけでもありません。

経済的に中立であるというのが、リカード=バローの中立命題です。

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