債券市場での国債の販売価格と、国債の金利は、どのような関係なのでしょうか?
みていきます。
国債の価格
「国債の価格」という言葉は、2つの使われ方があります。
国から買う時の価格と、債券市場で買うときの価格です。
国から買う時の価格のことを「額面価格」または「元本」と言います。
国債を買って、満期まで持っておくと、「元本」が戻ってきます。
一方で、満期まで待たずに、途中で売ることもできます。
国債を売る場所のことを「債券市場」と言います。
債券市場では、国債の値段は、上がったり下がったりします。
債券市場での価格のことを「販売価格」または「購入価格」と言います。
この記事では、債券市場での販売価格の話をします。
金利
「国債の金利」という言葉は、2つの使われ方があります。
利子と利回りです。
利子とは、国債を持ってる人が、定期的にもらえるお金のことです。
「利子」と「利息」は、同じものを指しています。
一方で、利回りとは、どれだけ利益を得たかです。
債券投資で、どれだけ利益を出せたかを表す数字が「利回り」です。
利子をたくさんもらたら、利回りは良くなりますし、
債券市場で、販売価格が安い国債を買うことができたら、利回りは良いです。
この記事では、国債の金利は、利子のことを指しています。
それでは、本題に入ります。
債券価格と金利の関係
債券価格と金利は、逆の動きをします。
シーソーのような関係になっています。
つまり、金利が上がると債券価格が落ち、金利が下がると債券価格は上がります
例えば、Aさんは、金利3%の国債を買いました。
Aさんは100円で、100円分の国債を買いました。
そのため、Aさんは、1年間で、3円受け取ることができます。
その後、金利が上がり、4%になりました。
Bさんは、金利4%の国債を買いました。
Bさんも100円で、100円分の国債を買いました。
Bさんは、1年間で、4円受け取ることができます。
それでは、AさんとBさんの国債を比べてみます。
Aさんも、Bさんも、元本は、100円です。
しかし、Aさんは、毎年3円受け取ることができる国債を持っています。
一方で、Bさんは、毎年4円受け取ることができる国債を持っています。
Aさんと、Bさんは、ある日、債券市場で、国債を売ることにしました。
あなたなら、Aさんと、Bさん、どちらから、国債を買いますか?
Bさんから国債を買うと思います。
金利が高い方が、利子が大きいからです。
金利が高い国債の方が、魅力的なのです。
金利が高くなると、金利が低かった頃に発行された国債の魅力は、薄れます。
Aさんは、金利が低い時期に国債を発行したので、Aさんの国債は、魅力が薄れます。
魅力が薄れると、債券価格は下がる
魅力の薄い国債は、債券市場での販売価格が下がります。
その理由は、安くしないと売れないからです。
債券市場では、国債の魅力が高い時は、国債が高く売れますが
国債の魅力が薄れると、国債の価格が低くなります。
金利が低かった時期に発行された国債は、債券市場では、価格が低くなります。
金利が上がると、債券価格は下がる
国債の金利が高くなると、それよりも昔に発行された国債の販売価格は、安くなります。
その理由は、金利が低かった時期に発行された国債は、魅力的ではないからです。