労働価値説をイラストでわかりやすく説明

アダムスミス
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労働価値説とは

労働価値説とは、「商品の価値は、それを作るのがどれだけ大変だったかで決まる」という考え方です。

水は安いのに、ダイヤは高いのはなぜでしょうか?

それは、水は簡単に手に入るけど、ダイヤは、手に入れるのが大変だからです。

作るのが、どれだけ大変だったかで、商品の値段は決まるのです。

喩え話

喩え話をします。

とある国では、卵が高級だとします。

しかし、ある日、卵を簡単に生産できるようになりました。

すると、卵は安くなります。

つまり、卵を作ることが簡単になれば、卵の値段は下がります。

簡単に作れるものは、安いということです。

アダムスミス

労働価値説について、アダムスミスは、こう考えました。

「例えば、4時間で、ある人は、鹿を2匹捕まえて、ある人が、ビーバーを1匹捕まえたのなら、鹿2匹とビーバー1匹は、同じ価値である」

鹿2匹に使った労働時間と、ビーバー1匹に使った労働時間が同じなら、鹿2匹とビーバー1匹は、同じ価値なのです。

つまり、商品の価値をその商品の生産に必要な労働量によって決めたのです。

背景

それでは、アダムスミスがこのように考えた背景についてみていきます。

アダムスミスは、金貨や銀貨ではなく、労働による生産物が国を豊かにすると主張しました。

アダムスミス以前は、価値とは、金貨や銀貨でした。

これは、金銀を増やすことを大切にした考え方でした。

金銀を大切にする考え方を重商主義といいます。

重商主義の人は、輸出が好きです。

輸入は、良くないことだと思われていたのです。

なぜなら、輸入すると金銀を支払わなければならないからです。

輸出をすれば、金や銀が国内に入ってきます。

そのため、輸出で、国を富ませようと考えられていました。

金銀を得る唯一の方法が、輸出でした。

当時の人々にとって、貿易差額(輸出と輸入の差)として得る利益こそが国富でした。

貿易差額から利益を得るとは、海外から商品を安く買って、高く売ることです。

つまり「たくさん売りつけて、相手からは出来るだけ買わない」ということが、国を豊かにすると信じられている時代だったのです。

金銀を獲得する方法は、貿易しかありません。

自分の国の商品を海外に輸出して、海外からは、なるべく買わないようにすることを頑張っていました

こうして、出来るだけ、金銀を国内に溜め込んだのです。

国家を裕福にするためできることは、自国の生産物を海外に輸出し、海外からの輸入をできるだけ減らし、その貿易差額を金銀で受け取ることでした。

アダムスミスが考えたこと

一方で、アダムスミスが考えたことは、「富=金銀」ではなく、「富=モノ」であるということです。

金銀を得る方法は、貿易です。

しかし、モノを生み出す方法は、労働です。

アダムスミスいわく、富が金銀ではなく、モノであるから、富を獲得する手段は貿易ではないと主張しました。

国を豊かにするために必要なことは、金貨を集めることではなくて、労働することなのです。

国民の労働により、生産力が高くなれば、それだけ富の量は増大することになります。

そのため、金銀を国に溜め込むのではなくで、国民が活発に労働ができる環境を整えることの方が大切なのです。

重商主義については、こちら↓の記事から

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