労働者とは
労働者とは、「労働力という商品」しか売るものをもたない人のことです。
労働者は、労働力を売って商品を作り、資本家は対価として賃金を支払っています。
労働力と交換されるものが「賃金」ということになります。
マルクスがいう労働者とは、サラリーマンのことです。
労働力とは
労働力とは、モノを役立つものに変化させる力のことです。
つまり労働者がもつ「働く」という商品のことです。
労働力もまた、商品のひとつです。
商品とは、使用価値と交換価値をもつものです。
労働力の使用価値
労働力の使用価値は、パンを作ることや、服を作ることです。
たくさんの商品を作れば、会社が儲かります。
使用価値が高いということは、労働者の能力が高いということです。
労働者の能力が高いと、会社が儲かります。
彼自身の賃金が高くなるわけではありません。
労働者の使用価値は、労働者が会社にもたらす利益となります。
会社に雇ってもらうためには、使用価値が必要です
成果を上げられない労働者は、使用価値がないので、雇ってもらえません
労働力の「使用価値」は、「雇い続けてもらう」ためのものなのです。
使用価値があれば、継続して雇ってもらえます。
しかし、「使用価値があるから、賃金が増える」と言うわけではないのです。
労働力の交換価値
労働力の交換価値は、賃金の額です
賃金は、最低限の衣食住の費用が支払われます。
労働者も労働力を維持するために、食べたり、寝たりする必要があります。
それには、お金がかかります。
労働者は、その必要な生活費を稼ぐために働いています。
賃金は、生活費のためにもらうのです。
労働力の交換価値は、労働力を維持するための生活費ということです。
私たちの1ヶ月の賃金は、次の1ヶ月を働くための生活費となります。
交換価値は、働くために「必要なコスト」で決まるのです。
使用価値と交換価値は、釣り合わない
資本家は労働者が生み出した商品の価値と同じ額を交換価値(給料)として、支払うことはありません。
賃金は、労働力の価値の分しかもらえないのです。
労働者は、労働力を商品として、資本家に売り、労働力の価値分の賃金を得ます。
働く人は、どれだけ多くの商品を売っても、その売り上げが、生活費になるわけではないのです。
「会社が儲かったから、賃金が上がる」というわけではないのです。
たくさん売り上げを増やしても、賃金は増えません。
なぜなら、売り上げを労働者たちで山分けしてるわけではないからです。
労働者は、労働力を雇い主に売って、お金を得ています。
そのため、どれくらい会社に貢献したのかは、賃金に関係ないのです。
搾取
マルクスは、労働者が搾取されてることを指摘しました。
しかし、資本家は、剰余価値を生むために、労働者を雇っています
労働者が「賃金の分だけ働く」というやり方だと、剰余価値が生まれません。
剰余価値を生んでもらわないなら、労働者を雇うメリットがないのです。
そのような理由で、搾取が正当化されてしまうのです。