合理的期待形成仮説とは?イラストで分かりやすく解説

フリードマン

合理的期待形成仮説とは、マネタリストの考え方で

国民は、選択に必要な情報を持っており、合理的に行動するということです。

つまり、貨幣錯覚に陥っても、自力で目覚めることができるから、財政政策は無駄だということです。

期待

合理的期待の「期待」とは、「将来はこうだろう」という「予想」のことです。

「国民は、未来を予想して動く」という考え方です。

合理的期待

「インフレになるだろう」と予想を織り込んで、現在の行動が変わります。

私たちは、予想を織り込んで行動するのです。

インフレ予想

明日、今日よりさらにインフレになることが予想できる時は、労働者は、その分、賃金を高くしてほしいと考えます。

ケインズは、国民はインフレ予想をしないと考えましたが

フリードマンは、国民は、インフレ予想をすると考えています。

インフレ

ここからは、インフレになると、何が起きるのかについてです。

労働者

まずは、労働者の立場から、見て行きます。

インフレになると、実質賃金が下がります。

実質賃金が下がるとは、「もらった賃金の金額で買える商品の量が減る」ということです。

インフレになると、モノの値段が上がります。

つまり、買い物をする時に必要なお金の量が増えます。

一方で、給料はいつも通りです。

これは、つまり、出て行くお金が増えたけど、入ってくるお金の量が変わらないということです。

物価が上がったのに、賃金が上がらない状態を、スタグフレーションと言います。

物価が上がったのに、給料が今までと同じと言うとは、「買い物できる量が減る」という意味です。

インフレになると、買い物できる量が減るのです。

そのため、賃金を増やしてほしいと要求する労働者が増えます。

人々が物価上昇を予想し、その通りに物価が上がった場合は、賃金を上げることを求めます。

しかし、賃金がインフレ分だけ上がれば、企業にとって雇用を増やすメリットがないです。

賃金が増えたら、全員に賃金を払いきれなくなって、誰かをクビにします。

失業率は結局、インフレが起きる前と比べて改善されないのです。

企業

次に、企業の立場から見て行きます。

インフレになると企業は、「需要が増えた」と勘違いをします。

物価が上がれば、企業は、生産物への需要が増えた」と勘違いします。

そのため、生産量を増やします。

この時期は、短期的に失業者が減ります。

貨幣錯覚に陥っている間だけは、失業率が低下するのです。

貨幣錯覚とは、物価が上がったことで「生産物への需要が増えた」と勘違いすることです。

しかし、しばらくたつと自分の勘違いに気づき、生産量を元に戻します。

つまり、結果的に生産者が生産量を変えることはないため、失業率は下がらないのです。

貨幣錯覚に陥ってる間は失業者が減りますが

しばらくすると、再び失業者が増えるとフリードマンは考えます。

貨幣錯覚は、一時的なので、長続きしないのです。

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