失業者とは、働いていない人たちのことです。
働いていない人は、給料をもらえないので、貧しくなっていってしまいます。
失業者がたくさんいる問題のことを「失業問題」と言います。
失業問題を放っておくと、貧困が広がっていってしまいます。
それでは、どうしたら失業問題を解決できるのでしょうか?
それぞれの意見を見ていきます。
古典派
古典派は、失業問題は放っておけば解決すると考えています。
その理由は、放っておけば「安くてもいいから働きたい」と考える失業者が増えるからです。
給料の価格は、雇い主と労働者の交渉の中で決まります。
安くてもいいから働きたいと言い出す人が増えると、給料は下がります。

給料が下がると「人を雇いたい」と考える雇い主が増えます。
雇い主(会社)の立場から考えると、人を安く雇えることは嬉しいことです。
「安く人を雇えるなら、よりたくさんの人を雇おう」となるのです。

給料が低くていいのなら、たくさんの人に給料を払うことができます。
そのため、たくさんの人を雇おうとします。

古典派は、失業問題が起きる原因は、給料が下がるべき時に、給料が下がらないからだと考えました。

話を単純化すれば
1人がもらってた給料を、2人に分けたら良いわけです。

そして、それぞれの人が働く時間も半分にします。
これは、それぞれの人が半分、失業してるようなものですが、古典派は、それを「失業」だとは考えません。
労働時間が短くなることを「半分、失業してる」とは考えなかったのです。

古典派は、失業問題を解決するには、給料が下がる必要があると考えました。
給料が下がれば、労働者を安く雇えます。
これは、雇い主にとっては嬉しいことです。

給料が下がれは、人を雇いたい人は増えます。
一方で、安い給料で働きたい人は少ないです。

「給料が安くなると、働きたい人が減る」と古典派は言いました。
この考え方は、賛否両論あります。
本当に「給料が安くなると、働きたい人が減る」のでしょうか?
古典派がイメージしてる失業者とは、給料が下がっただけで、働く気を失って、退職届を出してしまうような人です。

こうして、働くことをやめる人のことを「自発的失業者」と言います。
自発的失業とは、労働者が自分で選んだ失業です。
例えば、給料が低すぎたり、労働がキツすぎたりして、本人が「働きたくない」と思って仕事を辞めてニートを選んだというケースです。
古典派は、失業問題は、放っておけば解決すると決めつけていました。
だから、それでも失業し続ける人がいるなら、きっと、その本人が「働きたくない」と考えているからだろう、と思われていたのです。
本人が働きたくないと、考えているんじゃ、周りの人がいくら頑張っても無駄です。
だから、失業問題は、放っておけばいい。
そんな理屈で、話が片付けられてしまっていました。
しかし、そこでケインズが反論しました。
「失業者は、働きたがっている」と言ったのです。

ケインズの生きてた時代の失業率は25%もありました。
こんなにたくさんの人は「怠けるために」失業しているわけではなかったのです。
働きたくても働けなかったのです。
給料が安くても働きたいけど、そもそも働き口がないから、失業しているのである、とケインズは主張しました。

ケインズ
ケインズは、失業者は「非自発的失業者」であると考えました。
非自発的失業者とは、働く能力もあるし「給料が安くても働きたい」と考えているのに、働けない人のことです。

問題点は、失業者本人の意欲がないからではなくて、働く場所がないからなのです。
また、ケインズは「古典派は間違っている」と主張しました。
「給料を下げたら、失業問題が解決する」と古典派は言いました。
しかし、実際には、給料を下げることで、失業問題は悪化しました。

給料を下げると、失業問題が悪化します。
その理由は、給料を安く雇えるからと言って、雇い主は「じゃ、労働者を雇おう」とはならないからです。
例えば、パン屋さんを考えてみます。
失業者が多い時は、みんなが貧しいです。
たくさんの人が節約しています。
つまり、お客さんの数が減ってしまっています。
パンを買う人が少ないのに、パンをたくさん作っても意味がありません。
それなら、パンを作る人の人数を増やす必要がないのです。
これが、給料を下げても失業問題が解決しない理由です。
さらに、給料を下げると、失業問題が悪化すると、ケインズは考えました。
例えば、パン屋さんの給料が安くなったとします。
すると、パン屋で働いていた人は、節約を始めます。
給料が安くなってしまったら、今までよりも少ない生活費で生きていかないといけないので、節約しなければいけません。

節約を始めたら、いろんなものが買えなくなります。
特に贅沢品は、買わなくなります。
例えば、ケーキを買うことをやめます。
すると、ケーキ屋が儲からなくなります。

たくさんの人が節約を始めて、ケーキを買わなくなったら、大変です。
その地域のケーキ屋は、お店を経営できなくなって、労働者をクビにするかもしれません。

お店が儲からない時は、労働者がクビになります。
つまり、失業者になります。
給料が下がることで、逆に失業者が増えるのです。
さらに、もう一つ忘れてはいけないことがあります。
それは、給料を下げると、働きたい人は増えるということです。

例えば、パン屋で働いてる父親の給料が下がったとします。
すると、家族が暮らしていけなくなります。
そのため、子どもたちも働き始めます。
給料が下がることで、働きたい人は増えるのです。

働きたい人が増えると、さらに給料は下がってしまいます。
なぜなら「安くてもいいから働かせてください」とお願いしてくる求職者がたくさんいるからです。
「給料を高くしてほしい」なんてワガママを言ったら、仕事をやめさせられてしまうかもしれません。
そうして、給料は下がっていってしまうのです。

お店は、給料を下げた分、商品を安く売れるようになります。
そして、自分の店の商品だけは売ろうと、できるだけ値下げをします。
しかし、ライバルの会社も同じことを考えていて、値下げをします。
結局、物価が下がるだけで、売上は増えません。
これを解決するためには、政府が行動するべきだとケインズは主張しました。
「失業者」が仕事を得れば「労働者」になります。
そのため、政府が仕事を用意してあげるべきだと主張しました。

ケインズは、景気を良くする方法について考えました。
彼が出した答えは、「買い物をする人を増やすこと」です。
国民がお金を持ってる状況を作って、どんどん買い物をしてもらえば、いろんなお店が儲かります。
そのために、国民に仕事を与えて、給料を与えることで、国民がお金を持ってる状況を作ることが必要なのです。

ケインズは、失業者に仕事をあげたら、失業者じゃなくなると主張しました。