失業者と聞くと「働きたくても働けない可哀想な人」を連想します。
しかし、転職する人が多い国も、失業率は高くなります。
また、給料が高い国は失業率も高いです。
そのメカニズムを詳しく見ていきます。
給料が高い国は失業率も高い
失業する人が多い国では、給料が高くなります。
この時の「失業」とは、会社をクビになるということであるとは限りません。
会社のからの給料が低くて満足できず「こんな会社辞めてやる」という形の失業もあります。
つまり、より高い給料のために転職するということです。
このように、給料が低いと優秀な労働者が辞めてしまうような国では、優秀な労働者を引き止めるために、給料は高くなります。
転職と失業は、同じような意味です。
転職(失業)する人が多い国の方が、給料が高くなりやすい傾向にあります。
日本は失業率も賃金も低い国です。
一方で、アメリカやドイツやカナダなどのように、失業率が高いけど、給料も高い国がたくさんあります。
気軽に転職できる国では、給料の金額に満足できなければすぐに辞めて、別の仕事を見つけることができます。
これは、労働者にとっては嬉しいことです。
このような国では、企業にとっては、優秀な人が転職してしまうと言うプレッシャーになります。
そのため、給料をどんどん高くするようになります。
また、活発な転職があると、労働者が「自分の得意なものを見つけるキッカケ」になるので、良いことです。
世界的に考えれば、失業は、キャリアアップのための場合が多いです。
失業率が高いということは、チャレンジする機会に恵まれているということなのかもしれません。
トランポリン型社会
日本では、失業と聞くと、悪いイメージを抱きがちです。
日本のような失業率が低い国は、転職がしづらい国とも言えます。
安心してチャレンジできない国ということです。
安心してチャレンジできる国を作る方法1つとしては、職業訓練や就業支援といった再就職支援を充実させることが挙げられます。
失業した人が、再び働けるように訓練するということです。
このように、一度、キャリアを離脱しても、再び戻れるような社会をトランポリン型社会と呼びます。
このような何度でもチャレンジできる社会を作ると、労働人口が増えて、経済は成長しやすくなります。