日本の政府の借金
現在、日本の政府の借金は1000兆円になっています。
つまり、国民がお金を出し合って、税金を1000兆円納める必要があります。
これをするためには、増税する必要があります。
しかし、このように増税だけでなく、他にも解決策があると、ピケティは考えています。
ピケティが考えた政府の借金を減らす三つの方法をそれぞれ見ていきます。
緊縮財政
一つ目の方法は、緊縮財政です。
つまり、税金の無駄遣いをやめようということです。
緊縮財政とは、財政政策の一つで、政府支出を減らしたり、増税をすることです。
国の借金が積み重なった原因は、政府が税金を使い過ぎているからです。
政府のお金が足りていない時は、政府がお金を使わなくするか、国民からもっとお金を集める必要があります。
しかし、増税をすると、国民の負担が増えてしまいます。
そのため、消費税の増税はできるだけ、したくありません。
政府のお金が足りていないなら、政府が、節約する必要があるのです。
インフレ
二つ目の方法は、インフレです。
インフレになると、それだけで借金は小さくなります。
その理由を説明します。
インフレになると、借金が小さくなります。
その理由は、インフレというのは、「お金の価値が下がること」だからです。
例えば、友達から1000円の借金をしたとします。
その頃は、1000円もあれば、ハンバーガーが10個買えたとします。
つまり、その頃は、1000円には、ハンバーガー10個分の価値があります。
しかし、ものすごいインフレになって、ハンバーガーの値段が1000円になったとします。
つまり、1000円がハンバーガー1個の価値しか持たなくなります。
これは、お金の価値が下がったということです。
1000円の実質の価値は下がったのです。
インフレになれば、賃金も高くなります。
お金の実質的な価値が下がった分、より多くのお金を賃金としてもらえるようになるのです。
より多くの賃金をもらうようになれば、人々は、より多くの税金を国に収めることができるようになるはずです。
たとえば、賃金が100倍になれば、借金を返すのは、楽になります。、
インフレになった方が、借金を返すのが簡単になるのです。
政府の借金のことは「国債」と言います。
国債は、インフレになると実質の価値が下がります。
インフレになれば、政府の借金は、実質的に小さくなるのです。
もし、日本が2桁のインフレを10年間続けると、借金の問題を解決することができます。
民間資本に対する例外的な課税
三つ目の方法は、民間資本に対する例外的な課税です。
これは、「お金持ち」の日本人に税金を払ってもらって、政府の借金を減らすという方法です。
なぜ、お金持ちだけが税金を払わないといけないのでしょうか?
その理由は、お金持ちは、お金を持っているからです。
貧しい人は、お金を持っていません。
そのため、増税となると、買い物すること自体を諦めてしまいます。
国民が買い物をしなくなると、そもそも消費税を集めることができません。
一方で、お金持ちの人は、増税となっても、買い物する余裕があります。
つまり、増税しても、生活のあり方が変わらないようなお金持ちの人にだけ、増税する方がいいのです。
そうして、税金をたくさん集めることができれば、国の借金を減らすことができるのです。