レーガン大統領は、「お金持ちの人が国を発展させている」と考えました。
そして、「お金持ちの人にとって有利な国作り」をしました。
これは、新自由主義と呼ばれます。
レーガン大統領の新自由主義が、どのように評価されているのか、みていきます。
新自由主義の考え方
レーガン大統領は、成長のためには「事業経営に有利な環境」が大切だと、主張しました。
新自由主義者が考える働きやすい環境とは、「税金が少ない社会」です。
もし、一生懸命働いているのに、税金でどんどんお金を政府に奪われてしまったら、働くモチベーションが下がってしまうはずです。
そのため、新自由主義者は、「税金を減らせば、もっと一生懸命働いてくれるはずだ」と考えます。
1970年代後半は、景気が低迷しましたが、レーガン大統領は、その理由は、「税金が高すぎるからだ」と考えました。
そして、成長を取り戻すには、経営者をもっと優遇しなければならないと主張しました。
経営者を優遇する方法というのは、例えば、税金を減らすことです。
減税のメリット
減税のメリットは、働くモチベーションが上がることです。
もし、税金が少なくなれば、経営者たちは、稼いだお金を自分のものにできます。
そうしたら、経営者にとって有利になるので、経営者はもっと一生懸命働こうという気持ちになります。
減税のデメリット
減税のデメリットは、貧しい人を救えない点です。
通常であれば、政府は税金を集めて、そのお金を使って、貧しい人や困っている人を助けています。
しかし、新自由主義のもとでは、貧しい人には、自己負担してもらうかたちになるのです。
レーガン大統領の時代
レーガン大統領の時代は、国の成長はほとんどしなかったのに、不平等は大幅に拡大しました。
レーガン大統領は、「国を成長させるため」に、弱肉強食の国づくりを進めました。
税金を減らすと、元気に稼いでる人にとっては、税金を納める負担が減ります。
しかし、働けるような健康な身体を持ってない人や、高齢者の方を助けるためのお金も減ってしまいます。
お金持ちの人のための自由を大切にすると、弱肉強食の世界になってしまうのです。
政府に集まる税金が少なくなると、政府は、税金を使って貧しい人を助けることが難しくなります。
レーガン大統領が作ったのは、貧困層を放置して、裕福層を優遇する社会でした。
しかし、他の大勢を犠牲にして裕福層を優遇しても、成長には繋がらなかったのです。
新自由主義者の勘違い
新自由主義者が勘違いしていたことは、「人は税金をたくさん納める時は、働くモチベーションが出ない」という点です。
新自由主義者は、「働いて稼いだお金の取り分が、全て自分のものになるなら、一緒懸命働くだろう」と考えていました。
そのため、もし、働いても、税金をたくさん取られたら、働くモチベーションを失うだろうというのが、新自由主義者の考え方です。
しかし、実際には、人は、税率に関わらず、いつの時代も一生懸命働いたのです。
そのため「税金を減らせば、もっと一生懸命働いてくれるはずだ」という理論は成り立たなかったのです。