日本銀行
日本銀行とは、日本の中央銀行です。
それぞれの国に、一つずつ中央銀行があります。
アメリカの中央銀行は、FRBです。
日本に、銀行はたくさんあります。
しかし、日本銀行は、一つしかありません。
銀行と日本銀行は、別の役割を持っています。
銀行の役割は、お金を稼ぐことです。お金を貸して、利子をもらうことで、お金を稼いでいます。
一方で、日本銀行の役割は、お金を稼ぐことではありません。
日本銀行がやることは2つに分けられます。
3つの仕事と、景気を安定させることです。
3つの仕事
まず、3つの仕事についてです。
発券銀行
日銀の仕事の1つ目は、お札を発行することです。
日本銀行は、唯一、お札を作れる場所です。
普通の人がお金を作ると、捕まります。
しかし、日本銀行だけは、お札を作ることができます。
もちろん、いくらでも作れるわけではありません。
作る量は決まっています。それは「国債の量」です。
国債の量が紙幣の量を決めています。
国債というのは、一言で説明するなら「国の借金」です。
稼いだ量ではなくて、借金の量によって、日銀が刷るお金の量が決まっているのです。
政府の銀行
日本銀行は、政府からの預金を受け入れ、政府のお金を管理しています。
銀行の銀行
日本銀行は、銀行からお金を預かったり、銀行にお金を貸したりしています。
銀行は、一部のお金を日本銀行に預ける必要があります。
銀行が日本銀行に預けたお金のことを「法定準備金」と言います。
景気と物価を安定させる
次に、景気や物価を安定させることについてです。
景気を良くするために、日本銀行が頑張ることを「金融政策」と言います。
金融政策とは、銀行が持ってるお金の量を調節することです。
「調節する」というのは、増やしたり減らしたりするということです。
金融政策を3つ紹介します。
公開市場操作
公開市場操作には、売りオペと買いオペがあります。
ここで「債券」という言葉が出てきます。
これは、お金と交換できる紙です。
日本銀行も、銀行も債券を持っています。
国が発行する債券のことを「国債」と言います。
日本銀行が銀行から国債を買うことを買いオペと言います。
買いオペをすると、銀行のお金が増えます。
日本銀行が、銀行に国債を売ることを売りオペと言います。
売りオペをすると、銀行のお金が減ります。
公定歩合操作
銀行は、日本銀行からお金を借りることができます。
しかし、借りたら、多めに返す必要があります。
多めに返す分のことを公定歩合(こうていぶあい)といいます。
銀行にとっては、公定歩合は、払うお金です。
払うお金は少ない方がいいです。
公定歩合は、上がったり下がったりします。
なので、公定歩合が下がったタイミングで、お金を借りるのがおトクです。
公定歩合が下がると、銀行は、日本銀行からお金を借りるようになります。
一方で、公定歩合が上がると、銀行は、日本銀行からお金を借りなくなります。
そのため、銀行のお金が減ります。
ちなみに、1994年から、あまり公定歩合は使われなくなりました。そのことについては、下記の記事で紹介します。
預金準備率操作
銀行は、待ってるお金の一部を日本銀行に預け入れなければいけません。
これを支払い準備金といいます。
その理由のは、銀行のお金を全て国民に貸してしまうと、大変なことになるからです。
国民はいつでも銀行からお金を引き出すことができます。
しかし、銀行にお金がなければ、お金を引きだせません。
銀行は、国民からお金を預かっているので、いつでも返せる準備をしておくべきです。
そのため、支払い準備金が必要なのです。
銀行は、持ってるお金の総額に対して、何%を準備金として日本銀行に預けなければならない、ということが日本銀行によって決められています。
それを「支払い準備率」といいます。
支払い準備率が下がると、銀行が自由に使えるお金が増えます。
銀行が自由に使えるお金が増えると、銀行はより多くのお金を国民に貸します。
一方で、支払い準備率が上がると、自由に使えるお金が減ります。
自由に使えるお金が減ると、銀行は国民にお金を貸しづらくなります。
このようにして、日本銀行は、銀行のお金の量を調節しています。