通常であれば、利子率を下げれば、民間投資が増えます。
しかし、流動性のワナの時は、民間投資が増えなくなります。
その理由を、インターネットでいろいろ調べたのですが、なんだか「利子率」という言葉が、混乱を招いているように感じるので、整理整頓したいと思います。
利子率とは?どっちの意味?
「利子率」という言葉は「銀行の利子率」という意味と「債券の利子率」という意味で使われます。
銀行の利子率とは、銀行からお金を借りる時に、どれくらいの利子を払わなければいけないのか、ということです。
国民からしたら「払うお金」です。
銀行の利子率は、銀行が決めます。
次に、債券の利子率について説明します。
債券の利子率は、国民からしたら「もらうお金」です。
債券を買う時に、債券の利子率が決まります。
債券の利子率は「元本の○%」という形で自動的に決まります。
つまり、政府から債券を買う時は、たくさんお金を払えば、たくさんの利子がもらえるようになります。
債券を買った人は、毎年2回、利子を受け取ることができます。
また、もう一つ混乱を生みやすい言葉があります。
それは「債券の利回り」です。
債券は、債券市場で売ったり買ったりすることができます。
これは、国民どうしが債券を売り買いするのです。
債券市場では、債券の値段は上がったり下がったりします。
一方で、利子の大きさは、固定されています。
そのため、債券市場で、買う時は、安い時に買うとおトクです。
このおトクかどうかが「利回り」です。
利子が大きい債券を安く買えたら「利回りが高い」ということです。
「利回り」は「利子率」と呼ばれる場合があります。
債券の利回りが下がる
債券を債券市場で買おうとしてるとします。
債券市場で買う時は、利回りが高い時に債券を買うべきです。
利回りが低い時は、債券を買いません。
債券の利回りが下がると、債券は売れなくなります。
債券が売れなくなると、人々は「債券ではなく、貨幣を持つ」という状態になります。
これを「貨幣需要が上がる」といいます。
債券の利回りが下がると、貨幣需要が上がります。
投資とは?どっちの意味?
次に「投資」という言葉にも、混乱が生まれてる時があると思いました。
「投資」という言葉は「設備投資」という意味と「債券の投資」という意味で使われます。
「投資」という言葉は、基本的には「設備投資」という意味で使われます。
「設備投資」と「債券の投資」をそれぞれ見ていきます。
設備投資
まず、設備投資についてです。
「設備投資」は、「民間投資」と同じ意味です。
設備投資をするのは企業です。
設備投資とは、企業が買い物をすることです。
お金を稼ぐために、新しい機械や、車などを買います。
投資が増えるということは、お金を使う企業が増えるということです。
設備投資が増えると景気が良くなります。
設備投資が増えるかどうかは、銀行の利子率が大きく関わります。
設備投資を増やすために必要なことは、利子率を低くすることです。
なぜなら、企業は、利子率が低い方が、お金を借りやすいからです。
企業は、利子を払う側の人です。
そのため、利子が低い方が嬉しいのです。
一方で、貨幣需要が大きくなるかどうかは、債券の利回りが大きく影響します。
銀行の利子率が下がれば、設備投資が減ります。
債券の利回りが下がれば、貨幣需要が上がります。
この2つがどう関係しているのかが、人によって説明の仕方が違って、混乱が生まれていると思います。
結論としては、貨幣需要が上がれば、銀行の利子率が下がらなくなるようです。
なぜそうなるのかは、分かりません。