物価
物価とは、国内に売ってる商品の価格のことです。
価格が上がることを「物価が上昇する」と言います。
価格が下がることを「物価が下落する」と言います。
物価が上がると買い物をする人が増える
お金の価値がどんどん下がっている時、人はお金を貯金するのではなく、モノを買ってしまった方がいいです。
なぜなら、お金の価値が下がるということは、買えるものの量が減ることだからです。
つまり、お金の価値が下がる「前に」買い物をしてしまう方がおトクです。
明日も、お金の価値が下がると分かっていれば、今日のうちに買い物した方がいいのです。
これを言い換えると、「お店の商品が値上がりする前に買い物した方がおトク」ということです。
「明日も値上げをする」と分かっているなら、「今日のうちに買い物をしよう」と考える人が多いです。
「明日買う」のと、「今日買う」のだったら、今日買う方がおトクです。
お客さんは、商品の値段がそれ以上値上がりする前に、買ってしまおうと考えるのです。
商品の値段がどんどん高くなっている時は、人々は、少しでも安いうちに買い溜めをしようとします。
早く買い物をしようとするので、お金が使われます。
買い物をしたい気持ちのことを、購買意欲と言います。
物価が上がっている時は、購買意欲が高まるのです。
買い物をする人が増えると金利が上がる
人々は、たくさんの買い物をするようになります。
持ってるお金を、銀行に貯金するのではなく、買い物に使うのです。
また、既に銀行にお金を預金してた人は、お金を引き出して買い物をするようになります。
つまり、銀行のお金が減ります
商品が良く売れると、設備投資が増える
人々の購買意欲が強いということは、お店の商品が良く売れるということです。
商品が良く売れる時は、工場を大きくしたりして、より多くの商品を作れるようにした方がお得です。
そのため、会社の社長などは、銀行からお金を借りて、工場を大きくしようとします。
工場を大きくすることを、「設備投資」と言います。
このように、購買意欲が強い時は、設備投資が増えるので、銀行からお金を借りる人が増えるのです。
銀行からお金を借りたい人が多いと、銀行の金利は高くなります。
なぜなら、金利が高くても、お金を借りてくれる人がいるからです。
お客さんの購買意欲が高い時は、会社の社長たちは、高い金利を払ってでも、お金を借りて設備投資をしようとするようになります。
そのため、銀行の金利は高くなるのです。
つまり、物価が上がっている時は3つのことが起きます。
①物価がどんどん上がっている時には、人々は、商品を早めに買おうとします。
将来、買う予定だったモノ早めに買います。
買い物をするためには、お金が必要です。
借金をして買う人が増えます。
お金を借りる人が増えれば、銀行は、強気になって金利を上げます。
②また、人々は、自分が銀行に預けているお金を引き出して、買い物に使います。
銀行に貯金をするのではなくて、買い物にお金を使うのです。
銀行からお金を引き出します。
また、銀行に貯金をしなくなります。
そのため、銀行のお金が減ります
銀行のお金が減ると、銀行は困ります。
そのため、銀行により多くのお金を預けてもらうために、銀行の金利を高くします。
③物価が上昇しすぎると、人々の生活がしんどくなります。
これ以上、物価が上がって欲しくない、と考える人が増えます。
物価の上昇を止めるためには、金利を引き上げることしかありません。
金利が高くなると、お金を借りる人が減ります。
つまり、設備投資が減ります。
買い物をする人が減るので、物価の上昇が止まります。
貯金
理論上では、物価が上がっている時、大人は、貯金をせずに買い物をします。
今まで貯めてきたお金を買い物に使ってしまうのです。
その理由は、物価が上昇すると、貯金の価値が下がるからです。
しかし、その考え方は、少し古くなってきています。
預金と、貯金は、私は同じ意味で、使ってます。
貯金はお金を貯めることです。
預金は、銀行にお金を貯めることです。
物価が上昇する時は、貯金しないで、買い物した方がいいです。
なぜなら、貯金をした後、お金の価値が下がったら、貯金の方が下がるからです。
だから、物価が上昇すると、人々は「買い物をしなきゃ」という焦りを感じるようになります。
しかし、今では、それが変わってきています。
つまり、値段が上がると思っても、繰り上げて買おうとしない人が増えてきたのです。
その理由は、日本が貧しくなったからです。
昔は、会社はよほどのことがない限りクビにはなりませんでした。
将来、急に仕事がなくなる不安もありませんでした。
また、給料は、年を重ねるほどに上がっていくため、将来に対する不安はあまりありませんでした。
だから、「買い物したい時は、買い物をする」という生活ができたのです。
しかし、今は違います。
経済成長は鈍り、みんなが貧しくなりました。
節約が当たり前になってきたし、贅沢する人は減りました。
メルカリやヤフオクが流行っています。
つまり、新品が売れないのです。
新品が売れなければ、企業は、設備投資ができません。
企業は、「お店を大きくしたら儲かりそうだ」と感じる時だけ、銀行からお金を借ります。
しかし、みんなが貧しい時は、そのように感じることができません。
だから、企業は、銀行からお金を借りません。
だから、金利が上がらないのです。