産業革命後のイギリスで自由貿易主義が台頭した理由を漫画で分かりやすく解説

自由貿易

イギリスで産業革命が起きると、保護貿易の時代から、自由貿易の時代に変化していきます。

どのように変化したのか、みていきます。

保護貿易

保護貿易と自由貿易は、対義語です。

保護貿易とは、海外から買わないようにすることです。

海外から商品を買うと、海外が儲かってしまうので、海外からは買わないようにしていました。

保護貿易については、こちら↓の記事で、書かさせていただきました。

産業革命

まず、なぜイギリスが産業革命で成功できたのかを見ていきます。

都市に人が集まったから

イギリスで産業革命が起きた理由の1つは、都市に人が集まったからです。

都市に人が集まった理由は、囲い込みがあったからです。

囲い込みの前

囲い込みの前は、農地は、グループみんなのものでした。

「その土地が誰のものか」が明確になっていなかったのです。

囲い込みの後

囲い込みというのは、地主(お金持ち)が農民から土地を取り上げることです。

さらに、その土地を塀で囲い込み、地主のものにしてしまいました。

そして、地主は、農民たちの土地を合体させて、広い農地をつくりました。

こうして、地主は囲い込みをして、農民を追い出しました。

農民は、農業をおこなうことができなくなりました。

そのため、工場がある都市に移住しました。

産業革命が進むには、大規模工場で働く人が数多く必要だったので、都市は労働者を必要としています。

そのため、人が都市に集まることで、都市が発達しました。

貿易で成功したから

イギリスが発展したもう一つの理由は、貿易でお金を稼げたからです。

産業革命の前

もともとイギリスは、羊毛の産地でした。

一方、インドは綿の産地でした。

イギリスは毛織物で有名でしたが、インドから綿布を大量に輸入するようになります。

すると、インドの綿布がたくさん売れました。

なぜなら、インドの綿布は安くて、イギリスの毛織物は高かったからです。

インドの綿布の流行で、イギリスの毛織物は、売れなくなりました。

そのため、イギリスも、綿布を作るようになります。

産業革命

インドに勝つためには、機械化をして、コストを下げるしかありませんでした。

そこで、機械が発明されました。

イギリスで、産業革命がおきて、たくさんの便利な道具が生まれたました。

そのため、イギリスは、綿布を安く作れるようになりました。

その後、綿布を作る会社の社長は、原材料を植民地から安く買い、商品を植民地に高く売りつけたら、すごく儲かると考えました。

会社の社長たちは、自由な貿易に賛成しました。

しかし、自由な貿易ができない理由がありました。

それは、東インド会社が、貿易を独占していたからです。

東インド会社はイギリス政府より「貿易の独占権」を認められていました。

インドに綿布を売りたい人は、この状態が嫌だと考えました。

なぜなら、東インド会社じゃない人たちは、貿易に参加できないからです。

貿易に参加したい人たちは、自由を望みました。

「自由」=「独占をなくす」です。

お茶が飲みたい

また、独占が嫌われた理由は、もう一つあります。

それは、お茶の値段が高かったことです。

お茶の値段が高かった理由について、説明します。

例えば、お茶を売ってるお店が、イギリスに一個しかないとします。

これ↑が独占がある状態です。

一方で、独占がない時というのは、いろんなお店がお茶を売ってる状態です。

独占がないと、お客さんは、お店を選ぶことができます。

これが良い状態です。

当時、イギリスでインドのお茶が大流行しました。

そのため、お茶を売っていた、東インド会社だけ、大儲けしました。

お茶が貴族の飲み物だった頃は、高くても、お客さんは不満を言いませんでした。

しかし、庶民もお茶を飲むようになると、お茶が高いことに不満を感じるお客さんが現れました。

そして、彼らは、お茶が飲めないのは、自分の賃金が低いからだ、と考えるようになります。

誰が困ったかというと、会社の社長たちです。

茶が高いと、高い茶を買うために労働者たちが高い賃金を求めるようになるからです。

だから独占を無くして、お茶を安くしてほしいと、会社の社長たちは、考えました。

このようにして、産業資本家たちによる独占への批判が高まります。

そして、自由貿易主義が広がっていきます。

こうして、イギリス東インド会社の「インド貿易独占権」が廃止されることになりました。

最後に

独占市場については、こちら↓の記事で詳しく書かさせていただきました。

また、産業革命が起きる前のイギリスでは、重商主義が流行っていました。

重商主義について、こちら↓の記事で書かさせていただきました。

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