相対的過剰人口とは、工場が機械化したことで、失業した人たちのことです。
機械化が進んで生産性が上がれば、その分、工場の人は、少なくて済むようになります。
機械が増えるということは、その会社内で、代わりにクビになる人がいるということなのです。
このように、機械化することで、労働者の数が前ほど必要ではなくなります。
①会社の大きさが変わらなければ、その会社で、誰かがクビになります。
②もし、会社が大きくなっていたとしても、それはライバル会社のお客さんを奪っていて、ライバル会社がうまくいっていないということです。
そのため、ライバル会社で誰かがクビになっているのです。
この失業している人々を相対的過剰人口と言います。
「過剰」とは、「余り」ということです。
イス取りゲームでイスを取れなかった人が、会社をクビになるのです。
相対的過剰人口とは、失業者ということです。
マルクスは、この過剰労働人口を、産業予備軍と呼びました。
産業予備軍とは、会社を辞めてもらうけれど、もし、労働力が足りなくなったら、働いてもらう失業者のことです。
失業者は、いつでも働きたいと考えています。
働いている人からすると、「自分の代わり」がいつでもいるということです。
この産業予備軍はいわば2軍として、1軍の存在を脅かします。
この2軍がいることで、1軍は、もっと頑張らなきゃいけなくなります。
2軍がいる状態で1軍に働かせた方が、1軍は一生懸命に働いてくれます。
必要な労働者の数を余らせることで、労働者の立場が弱くなり、資本家が強く出れるようになるのです。
こうなると労働者は、「クビになりたくないから、我慢しよう」と考えるようになります。
そして、資本家は、労働者に長時間労働などを強制します。
そのため資本家は、儲けやすくなります。
労働者の立場が弱くなるのは、労働者が過剰供給だからです。
大量の失業者がいるので、「給料が安くても働きたい」と考える労働者が増えるのです。