競争社会のメリットとは?ハイエクの意見を分かりやすく解説

ハイエク
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ハイエクは、競争社会に賛成した人です。

「平等な社会は、政府に権利が集まりすぎるから危険だ」と考えました。

なぜそのように考えたのか、見ていきます。

競争社会のメリット

競争社会では、お金を払えば、たいていのものは手に入ります。

また、お金が欲しければ、働けば手に入ります。

対価を払えば、何でも手に入るのが競争社会のメリットです。

競争社会のデメリット

しかし「お金で何でも解決できるのが嫌だ」と考えている人もいます。

そんな人は、人々が平等に生活するために「社会主義の方がいい」という考えています。

競争社会の方がいい

しかし、ハイエクは、競争社会の方がいいと主張します。

なぜなら、何を大切にするかは人によって違うからです。

健康を大切にしたい人

美容を大切にしたい人

安全を大切にしたい人

いろんな人は、いろんなニーズを持っています。

このようなものは、たくさんのお金をかけないと、維持できないものもあります。

何にお金を使うのかを、個人が決めることができる方がいいのです。

人生という限られた時間とお金の中で、どれかを犠牲にしなきゃいけない時もあります。

「その犠牲を0にしたいから、全部をリーダーに任せるべきだ」というのは、少し間違ってるとハイエクは考えます。

人生とは、残酷な現実に直面して、そのたびに厳しい選択が迫られるものです。

「選ぶこと」は苦しいです。

その選択をすると言う苦しみから逃れたいという気持ちは理解ができる、とハイエクは言います。

だからといって、その選択を誰か他人に任せて、回避しようと考えるのは良くないのだそうです。

もし、そこで他人に任せてしまうと、その後の人生は、命令と禁止だけになってしまいます。

誰もがそれに従わなければならないし、最後は権力者の優しさにすがるしかなくなります。

平等ではなく隷属

ハイエクは『隷属への道』という本を書きました。

隷属とは「支配されて言いなりになる」ということです。

ハイエクは、社会主義が進むと、平等な社会ではなく、隷属が待っている、と考えました。

国民がみんな平等に幸せになるために、政府にいろんなことを任せるようになっても、国民が幸せになれるかどうかは分かりません。

ハイエクは、政府に全てを任せても、貧困は撲滅できないと考えています。

なぜなら、競争社会の方が効率的で、経済が発展しやすいからです。

人々は、貧富の差を減らしたいと考えています。

人々が抱いている希望と言うのは、計画経済にして、平等な社会を作って貧困を撲滅することです。

そのため、お金を稼ぐ手段である工場を、個人が持つのではなくて、政府が管理するべきだ、という意見もあります。

そうすれば、今までお金持ちの人が持っていた富を、政府が管理するようになります。

ハイエクは、それは危険だと主張します。

これは、まず、お金持ちの人が持ってた富が、政府に移動しただけです。

しかも、全国のお金持ちの富が政府に集まることになります。

今までは、不特定多数の人が持っていた富が、1箇所に集まるのです。

これは、競争社会では、誰も手にすることのない権力です。

このようにして、国が手にする権力は、単にお金持ちが持ってた権力が政府に移動すると言うだけではありません。

工場で人を雇うお金持ちの人は、誰かの所得や地位を決定する独占的な権力は持っていません。

労働者に「一緒に働きたい」と思ってもらうことで、初めて工場に労働者を集めることができます。

雇う側も労働者の取り合いをしています。

だから、労働者に会社で働いてもらうために、給料を高くしたり、労働環境を整えたりとかして、優秀な労働者に来てもらうように、いろいろ努力をしています。

だから、競争社会は、労働者にとって良い環境で働ける社会システムです。

自分が選んだ上司の下で働き続けるからです。

政府に富が集まると危険

もし、政府に全ての富が集まるようになると危険だとハイエクは言います。

なぜなら、政府が意図的に自分の気に食わない人をクビにすることだってできるからです。

今の競争社会で出世できなかったとしても、それは侮辱されたとか、尊厳を傷つけられたということにはなりません。

たまたまその会社の経営状況が悪くて、労働者がクビになっただけです。

それは運によって起きます。

しかし、社会主義の国で、クビになると言うことは、使い物にならないと思われたということです。

社会主義では、ある特定の仕事に必要な人間かどうかではなくて、そもそも使い物になる人間かどうかということが問われます。

政府の意図によって、自分がクビになる方が自尊心が傷つくだろう、とハイエクは言います。

役に立つ人かどうかを政府が決めてしまうので、人生の位置づけが政府の手によって決められます。

競争社会では、誰にでも不幸が襲いかかる可能性があります。

しかし、社会主義では、政府が決めた悪意による不幸が襲い掛かることがあります。

人々は、運による不幸を耐えることができますが、他人からの悪意には耐えられません。

その不幸が、誰かの意図の結果だとわかれば、自分の運命に対する不満が募ります。

それに、社会主義では、自分の暮らし向きが他人より上なのか下なのか、全員が知ることになります。

また、それが運で決まるのではなくて、政府の意思によって決まります。

そしたら、自分を磨こうとか、良い商品を作ろうという気持ちよりは、政府のご機嫌をとって、自分の有利にしてもらうと言う方向にエネルギーを使うことになるかもしれません。

隣に金持ちがいたほうがまだマシで、政府のもとに、権力とお金が集まっていくのは、危険だとハイエクは主張しました。

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