2種類の金利上昇
財政政策をすれば、金利が上がります。
しかし、「金利が上がる」という現象には、「よい金利上昇」と「悪い金利上昇」の2つがあります。
1つずつ見ていきます。
よい金利の上昇
1つ目に、財政政策をして、景気が良くなるパターンについてです。
景気が良くなると、金利が上がるのです。
景気が良い時というのは、商品が良く売れる時期です。
こんな時期は、設備投資をすることで、もっと儲けられる可能性があります。
設備投資とは、例えば、パン屋さんがオーブンを買うようなことです。
将来もっと儲けるために機械を買うことを設備投資と言います。
設備投資するためには、銀行からお金を借りる必要があります。
お金を借りたい人が多くなると、どうなるでしょうか?
借りたい人が多くて、貸してくれる人が少ない状態になります。
そんな時は、銀行は、高い利子率を払ってくれる人にお金を貸します。
銀行は、利子をもらって稼いでいるので、高い利子率を払ってくれる人にお金を貸したいのです。
このように、景気が良くなると、金利が上がります。
悪い金利の上昇
次に、悪い金利の上昇についてです。
これは、国債を発行しすぎて、金利が上昇するパターンです。
財政政策をする時は、お金が必要です。
その時、税金を使う場合と、国債を発行する場合があります。
税金で足りる場合は、税金で財政政策を行います。
一方で、税金だけでは足りない場合、国債を発行します。
国債とは、国がお金を借りるということです。
たとえば満期が来年の国債を買うと、来年、利子がついて帰って来ます。
しかし、お金を返してくれない場合もあります。
国が借りたお金を返せない状態をデフォルトと言います。
あまりに国債を大量に発行しすぎていると、人々は「満期にちゃんとお金が返ってくるのだろうか?」と不安になります。
国債がたくさん発行されると、国債が信頼できなくなるのです。
国債をたくさん発行している時に、国債を買うのは、少し怖いです。
すると、その国の国債は買い手がつかなくなります。
どんなものでも、買いたい人が減ると、価格が下がります。
なぜなら、安くしないと売れない時は、安く売るからです。
国債は、買い手がいなくなると、価格が下がります。
このような時は、国が発行した国債は、みんなが売るので、価格がどんどん下がります。
そうなると、国債の利子率は高くなります。
さらに、政府が国債をたくさん発行してる時は、政府は国債を売りたいと考えています。
国債の供給が、多いのです。
供給が多いという意味でも、国債価値が下がります。
国債の価格が下がると、金利が上がります。
以上のことをまとめると、「財政政策をして、国債をたくさん発行すると、国債価値の値段が下がり、金利が上がる」ということです。