金融政策について、中学生向けに書きます。
登場人物の紹介
景気
景気とは、国内の会社がどれくらい儲かってるかを表すものです。
景気には、3つの状態があります。
1番良い状態は、「好景気」です。
そして、悪い状態が「不景気」と「景気過熱」です。
好景気
好景気とは、不景気ではなく、景気が過熱してもいない状態のことです。
ちなみに「好景気」と「 景気がいい」は、同じ意味です。
好景気の状態を維持したいと人々は考えています。
好景気の時は、みんなが買い物をするので、会社が儲かり、働いている人も給料をもらえます。
給料がもらえるので、買い物したい気持ちが増えて、みんなが買い物をする、という良いループがあります。
不景気
不景気とは、人々がお金をあまり使わない状態です。
ちなみに「不景気」と「景気が悪い」は同じ意味です。
不景気とは、みんなが貧しい状況のことです。
国の中にお金がないのです。
不景気の時は、世の中のお金が回らなくなります。
「世の中のお金が回らない」の意味は、「人々が買い物をしない」ということです。
お金がないから、買い物できないのです。
国民が買い物をしないので、お店が儲かりません。
お店が儲からないので、働いてる人の給料(もらえるお金)も低いです。
この状態を不景気と言います。
不景気の原因は、国内のお金の量が少ないことです。
お金がないから、みんなが困っています。
そのため、国内のお金の量が増えたら、不景気じゃなくなります。
不景気の時は、国のお金の量を増やせばいいのです。
景気過熱
景気の過熱とは、お金が回りすぎてしまうことです。
みんなが買い物をすることを「お金が回る」と言います。
景気過熱とは、「お金があり余りすぎて困っている」という状況です。
お金はたくさんありすぎても、問題なのです。
景気が過熱している時は、お店の商品の値段が毎日値上がりしてしまいます。
もし「明日は、全ての商品の値段が値上がりする」と分かっていたら、人々は今すぐに買おうとします。
景気が過熱すると、パニックみたいになりながら買い物することになります。
こうして、お店の商品の値段が異常に高くなるので、買い物をする時に、困ってしまうのです。
そのため、景気が過熱することも良くないことです。
景気が過熱している時は、買い物する人の数を減らしたいのです。
景気が過熱する原因は、国内のお金が多すぎることです。
そのため、国内のお金を減らすことで、景気の過熱を抑えることができます。
景気と国内のお金の量について
国内のお金が少ない時は、不景気になります。
一方で、国内のお金が多い時は、景気が過熱します。
つまり、国内のお金の量を、増やしたり、減らしたりすることで、景気を良くできるのです。
金融政策
金融政策は、不景気と景気過熱を改善するためのものです。
金融政策は、国内のお金の量を調整することで、景気を良い状態にします。
ここまでが、登場人物の紹介でした。
よく理解できてなくても大丈夫です。
それでは、物語を見ていきます。
金融政策
不景気を倒す方法
不景気を倒す方法は、国内のお金を増やすことです。
不景気は、たくさんのお金を浴びることで、いなくなります。
そもそも、不景気とは、お金がない状態のことです。
お金がないから困っていたのです。
そのため、たくさんのお金があれば、不景気じゃなくなります。
景気過熱を倒す方法
一方で、景気が過熱した時は、お金を減らすことで、景気を落ち着かせることができます。
「景気を落ち着かせる」とは、「景気を良くする」と同じ意味です。
景気が過熱しているので、景気を「冷ます」という言い方をすることもあります。
まとめ
国内のお金の量を増やしたり減らしたりすることで、景気が良い状態をキープすることができる
国内のお金の量
第1話では、お金を「放出」したり「吸収」したりするという話をしました。
言い換えると、国内のお金の量を「増やしたり」「減らしたり」するということです。
現実世界で、どのように国内のお金の量を変えるのでしょうか?
国内のお金を増やす方法
結論から言うと
国内のお金を増やす方法は、銀行からお金を借りる人を増やすことです。
どういうことかというと
お金を借りる人が増えると、国内のお金が増えるのです。
国内のお金を減らす方法
逆に、国内のお金を減らす方法は、銀行からお金を借りる人を減らすことです。
銀行からお金を借りる人がいなければ、国内のお金は増えないのです。
お金を借りる人の数
お金を借りるとは、借金という意味です。
お金を借りる人がどんな人なのか、見ていきます。
お金を借りると、景気を良くすることができるんだね
国民が銀行からお金を借りることで、国内のお金を増やすことができます。
「お金を借りる(借金)」と聞くと、ネガティブなイメージがあるかもしれません。
しかし、お金を借りることは、前向きなことです。
なぜなら、銀行は「返済能力のある人」にしか貸さないからです。
お金を借りて、借りたお金を「増やして」、お金を返すことができる人だけが、お金を借りることができます。
そして、お金を借りる人が増えると、景気が良くなるのです。
不景気を防ぐ方法
不景気の時に、景気を良くする方法は、お金を借りる人を増やすことです。
なぜ、お金を借りる人が多いと、景気が良くなるのでしょうか?
それは、お金を借りた人は、借りたお金を使うからです。
お金を使う人が増えることで、お店(企業)が儲かるのです。
お金を借りる人が増えれば、日本の景気は良くなります。
景気過熱を防ぐ方法
景気が過熱してる時に、景気を落ち着かせる方法は、お金を借りる人を減らすことです。
お金を借りる人が減ると、景気の過熱を止めることができる理由は、お金を使う人が減ることで、お店が儲からなくなるからです。
銀行のお金の量を調節する方法
第2話では、銀行からお金を借りる人を増やしたり、減らしたりすることが大切だという話をしてきました。
しかし、銀行のお金の量は、無限ではありません。
なので、まずは銀行のお金を増やしたり、減らしたりする必要があります。
第3話では、どうやって銀行のお金の量を変えるのか、みていきます。
第3話の物語には、2つの新しい単語が登場します。
「日本銀行」と「国債」です。
まず、「日本銀行」について説明します。
日本銀行とは、日本に1つしかない建物です。
日本の中に、銀行はたくさんありますが、日本銀行は、1つしかありません。
次に「国債」という言葉についてです。
今ここで、国債の詳しい説明をすると、逆にややこしくなってしまうと思うので
とりあえず、国債という名前の「紙」があると考えておいてください。
国債とは、「現金と交換できるもの」です。
日本銀行は、国債を使って、銀行のお金を増やしたり、減らしたりします。
日本銀行は、銀行のお金の量を調整できるのです。
不景気の時
景気を良くしたい時、日本銀行は、現金を使って国債を買います。
「買う」という意味は、「現金と交換する」と同じ意味です。
現金を渡して、国債をもらうので、「国債を買う」という言い方をします。
結果として、銀行のお金の量が増えます。
つまり、銀行が個人に貸し出せる量が増えます。
そのため、世の中に出回るお金の量も増えます。
お金を借りれば、国民のお財布の中のお金が増えます。
お財布の中のお金が増えれば、買い物する人が増えます。
そのため景気が良くなっていきます。
景気が過熱している時
景気を落ち着かせたい時、日本銀行は、国債を売ります。
結果として、銀行のお金が減ります。
つまり、銀行が個人に貸し出せる量が減ります。
そのため、世の中に出回るお金の量も減ります。
世の中に出回るお金の量も減るということは、国民のお財布の中のお金が増えないことです。
なので、買い物をしたいと思わなくなります。
買い物をする人が減るため、経済は冷えます。
まとめ
日本銀行が国債を買うと、景気が良くなります。
そして、日本銀行が国債を売ると、景気が冷めます。
第4話は、こちらから↓