今回は、経済学のそれぞれの思想の違いを見ていきます。
経済学で議論されるトピック
正解が存在していれば、議論はおきません。
しかし、正解がないと、議論は起きます。
経済でよく議論されるのは、自由市場経済というテーマについてです。
自由市場経済が大好きな人もいれば、大嫌いな人もいます。
そんな経済学者たちを熱狂させる「自由市場経済」とは、一体なんなのでしょうか?
自由市場経済とは
自由市場経済とは、自由にお金稼ぎをしていい経済のことです。
自由市場経済は、競争社会です。
言い換えると、努力した人が成果を得られる社会です。
徒競走で喩えるなら、「勝ち負け」があるのが自由市場経済です。
自由があると、勝つ人と負ける人が現れます。
一方で、平等を目指すと、勝ち負けがない社会になります。
自由市場経済がある
現実世界で、どのように競争しているのかというと「より安く・より高品質に」という点で争っています。
自由市場経済があると、競争が起きるので、商品が安くなり、質も良くなります。
自由市場経済では、お客さんは、欲しい商品を自由に選ぶことができます。
また、自由市場経済では、競争があります。
人は競争に「勝ちたい」と考えるので、一生懸命頑張ります。
そして、良い商品が次々に現れて、経済が発展します。
自由市場経済がない
自由市場経済がない社会とは、平等な社会です。
お客さんが何を買うかは、政府が判断します。
(つまり、服を買うときに、ファッションを好き嫌いできないのです)
また、勝ち負けがありません。
勝ち負けがないので、働けない人も安心できます。
負ける人が現れないので、平等な世界になります。
(また、怠けていても、ちゃんと給料をもらえます)
経済思想史
自由市場経済の賛成派
自由市場経済が素晴らしいと考えたのは、アダムスミスです。
彼は、「古典派」と呼ばれる経済学者です。
アダムスミスは、利己心を活用することで、市場を成長させることができると考えました。
例えば
それぞれのクレープ屋さんは、商品を売ってお金を稼ぎたいです。
つまり、「利己心」があるので、努力(値下げ)をしています。
そして、その「利己心」が、お客さんを幸せにしてるのです。
(「利己心」とは、「競争に勝ちたい気持ち」と解釈していいと思います)
このように、自由市場経済の方が、経済はうまく回ると、アダムスミスは考えました。
自由市場経済の反対派
一方で、マルクスは、自由市場経済をなくしたいと考えています。
なぜなら、自由市場経済で幸せになれるのは、お金持ちだけだからです。
自由市場経済では、労働者は、搾取されやすく、働いても貧乏のままです。
そのため、貧富の差が生まれてしまうのです。
自由市場経済の中立派
また、賛成でもなく、反対でもない人もいます。
ケインズは、景気が良い時は自由市場経済で大丈夫だけど、景気が悪い時は役に立たないと考えました。
景気が悪いと、消費者はモノを買わなくなります。
買いたいという気持ちがあっても、お金がないので、買えないのです
そんな時は、政府が市場に介入することで、経済はうまくいくとケインズは考えました。
介入とは、政府が「可哀想な人」を助けることです。
ケインズの考え方は、「大きな政府」と呼ばれます。
ケインズは、景気が悪い時は、可哀想な人を助けるために、介入が必要だと考えました。
まとめ
まとめです。
まず、共産主義、社会主義、資本主義という3つの考え方があります。
そして、資本主義の中でも、大きな政府と小さな政府があります。
自由市場経済を大切にしているのは、小さな政府です。
マルクスは、共産主義や社会主義を主張しています。
一方で、ケインズやアダムスミスは、資本主義を主張しています。
それぞれの思想のメリットとデメリットは、こちら↓の記事で書かさせていただきました。