【移民受け入れ賛成】移民を受け入れても、労働者の賃金は下がらない理由をイラストで紹介

貧富の格差
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移民の受け入れ反対派の人たちは、「移民を受け入れると、自分達の国の賃金が下がる」から移民を受け入れてはいけないと考えます。

しかし、移民を受け入れても、受け入れた国の賃金が下がるとは限りません。

この記事では、その理由を紹介していきます。

移民反対派の意見

移民反対派は、先進国が途上国からの移民を受け入れると、先進国の人たちの仕事の賃金を低くすると考えています。

なぜなら、途上国から来る人は、賃金が安くても働いてくれるからです。

世界の貧しい人たちは、お金を稼ぎたいと思っているはずです。

そのため、暮らしの楽な国があれば、移民になりたいと思っているはずです。

だから、豊かな国の賃金水準を下げ、そこの住人の生活を苦しくするのだ、と考えられているのです。

お金のために移民になる人はいない

しかし、この理論は、間違っていると、アビジット・V・バナジーとエステル・デュフロは言います。

たしかに、先進国は賃金が高くて、途上国は賃金が低いです。

しかし、だからと言って、みんなが先進国に押し寄せるわけではありません。

国によって賃金が違ったとしても、それを理由に移民になる人はほとんどいないのです。

例えば、「ルクセンブルクに行ったらお金持ちになれるよ」と言われたとしても「じゃあルクセンブルクに行こう」とはならないと思います。

やっぱり、自分の生まれ育った国で生活するのは安心だし、ほとんどの人は、移民にはなりたくないのです。

移民になる人は、たいていは、国で戦争が起きたりなどして、国を捨てざるを得ない状況にいて、移民になるのです。

普通の人は国を出たくない

貧しい人々の大半は、故郷に留まることを選びます。

いきなり海外飛び込もうとする人は、まずいないです。

それに、同じ国の中で、農村部の人々が都市部へ移ることすら滅多に起きません。

なぜなら、知らない土地は、不確実性の塊だからです。

「不確実性」とは、未来がどうなるのか分からないということを言います。

移民になっても、自分がいくら稼げるのか分からない上に、そもそも仕事が見つかるのかも分かりません。

コネがないと不利ではないか?

雇用主に搾取されるのではないか?

仕事が見つかるまで食いつなげるのか?

住む場所はあるのか?

など、分からないことが多いのです。

また、人は、自発的に選択した行動が、何もしなかった場合より悪い結果になることを嫌います。

何もしないで不幸になるより、挑戦した先で不幸になる方が屈辱的なのです。

移民になるメリットは大きくない

移民反対派は、移民になるメリットの大きさを過大評価しているかもしれません。

「移民になれば、お金が稼げるから移民になろう」と途上国の人が考えているのだと、思い込んでいます。

しかし、移民になった人は、賃金だけに注目しているわけではありません。

彼らが移民になることを選んだのには、理由があるのです。

移民になる人は、「海外に行っても自分は上手くやっていける」という気持ちを持っています。

そのような気持ちにさせる理由は、特別な技能を身につけてるからかもしれないし、並外れたスタミナを持ってるからかもしれません。

そうだとすれば、元いた国に留まっていたとしても、並の人より多く稼げていたはずです。

そのため、移民の収入と元の国に残った人の収入を単純に比較し、移民になるメリットは大きい、と単純に結論づけることはできないのです。

移民が増えても賃金は下がらない

移民反対派は、移民が増えると、移民を受け入れる国が犠牲になると考えています。

しかし、移民が増えた場合に、受け入れ国の生活水準を押し下げるという根拠は存在していません。

それに、貧しい国から来る人々は、立ちはだかる厳格な入国管理制度を乗り越えなければなりません。

そのため、移民の多くは、技能なり野心なり、忍耐力なり、体力なり、何かしら、並外れた能力を持っています。

移民になるのは、夢を見ることができる人や、かなりの自信過剰の人だけです。

実際に、移民の中から、多くの成功する起業家が生まれています。

その理由は、彼らが特別な何かを持っているからかもしれません。

移民になることでチャレンジ精神が育つ

もともと並外れた何かを持っていない人でも、海外に行く経験をきっかけに、チャレンジ精神が育つということもあります。

今までと違う環境で生活しなければならないという状況は、その人になんでも新しいことをやってみようという気にさせるものなのです。

海外に行けば、今まで食べたことがなかったものを食べたり、乗ったことがなかった乗り物に乗らなければならなかったりします。

そのように、自分がやったことがなくても、やってみようと思えたりするものなのです。

農業しかやったことがなかったけど、大学に行ってみようという気になったり

皿洗いをしたことがなかったけど、やってみたりします。

そして、やってみると、意外に自分は、こういう仕事が好きだと気づき、頑張って成功する人が少なくありません。

例えば、皿洗いをやってみたら楽しくて、そのままレストランを経営したりする、といったようなことです。

レストランを開けば、そこで、誰かを雇います。

つまり、働き口を増やすということです。

移民を受け入れると、移民に仕事を奪われるという点を注目されがちです。

しかし、移民が「仕事を生む」こともあるのです。

だから、移民が増えたからといって、賃金水準が下がるわけでないのです。

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