コストプッシュ・インフレは経済に好影響を与えないとする主張の内容をイラストで解説

物価(インフレ・デフレ)

アベノミクスのリフレ政策が開始される際、次のような批判が上がりました。

「リフレによって起きるのはコストプッシュ・インフレなので、経済には良い影響を与えない」

この主張の内容を解説していきます。

デフレ脱却のために

安倍内閣が誕生した2012年は、ひどいデフレ状態でした。

デフレとは、物価が継続して下がり続ける状態のことです。

世の中のお金が少ないと、デフレになる傾向になります。

そして、デフレを脱却するためには、世の中のお金を増やす必要があります。

つまり、貨幣をたくさん供給するということです。

世の中のお金を増やすことを、金融緩和と言います。

金融緩和とは、世の中にお金をジャブジャブ溢れさせることです。

世の中のお金の量を増やすことでインフレになる理由について説明します。

もし、モノの生産が増えない中で、お金だけ増えれば、お金の価値が下がります。

これがインフレになるということです。

金融緩和

世の中のお金を増やすことを、金融緩和と言います。

または、買いオペと言います。

日本銀行と銀行はそれぞれ、国債とお金を持っています。

日本銀行が国債を買うと、その分だけ、銀行のお金が増えます。

これが、「世の中のお金の量を増やす」ということなのです。

世の中のお金の量を増やすことで、デフレから抜け出せるというわけです。

これが「買いオペ」です。

買いオペをすると円安になる

買いオペをすると円安になります。

なぜなら、借金をたくさんする国は信頼されないからです。

国債を発行するということは、大胆に言うと、借金をすると言うことです。

借金をすると、日本経済に対する信頼が失われるので、円が売られます。

こうなると、円安に動くのです。

円安になるとインフレが起きる

円安が進めば、国内での食料価格が値上がりします。

なぜなら、輸入品の値段が上がるからです。

円安は、輸入品の値段を引き上げます。

その結果、商品の値段を高くすることになるのです。

例えば、パン屋さんで、パンを作る時に、小麦粉の値段が上がれば、パンの値段も上がります。

しかし、このインフレは、経済に良い影響を与えません。

なぜなら、これは、コストプッシュ・インフレと呼ばれるものだからです。

輸入品の値段が高いから仕方なく商品の値段を上げないといけないだけなのです。

コストプッシュ・インフレがダメな理由

コストプッシュ・インフレは、原価が値上がりしたことで起きるインフレです。

インフレには、2種類があります。

原価が値上がりすることで起きるインフレと、商品を買いたいお客さんが増えることで起きるインフレです。

景気を良くするのは、商品を買いたいお客さんが増えることで起きるインフレの方です。

お客さんが増えることで起きるインフレのことを、ディマンドプル・インフレと言います。

理想のインフレとは、ディマンドプル・インフレなのです。

理想のインフレ

理想のインフレとは、商品を買いたいお客さんが増えることで起きるインフレです。

このような形でインフレになれば、会社が儲かり、そこで働く労働者の給料も増えるのです。

最後に

コストプッシュ・インフレは、原価が値上がりして起きるインフレです。

このようなやり方でデフレを脱却しても、需要が増えたわけではなく、労働者の賃金も上がりづらいため、経済には良い影響を与えないと言われているのです。

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