1970年代に、石油価格が爆発的に高騰しました。
これは、オイルショックと呼ばれています。
オイルショックの後、アメリカがどのように変化したのか見ていきます。
オイルショック
1970年代、中東で戦争があったことをきっかけに、石油の価格がものすごく高くなりました。
これは、オイルショックと呼ばれています。
そして、石油の価格が高くなったため、世の中のあらゆる商品の値段も高くなりました。
石油の価格が上がるといろんな商品の値段も高くなる理由は、商品を運ぶためには、石油が必要だからです。
商品を作ったら、車などでお店に運びます。
その時、ガソリンとして石油が必要です。
だから、石油の価格が高くなると、世の中の色んな商品の価格も高くなるのです。
物価が上がる
お店の物価が上がると、お客さんは困ります。
なぜなら、今までよりも買える商品の量が減ってしまったからです。
お店の商品が高くなると、今までよりも買い物できる量が減るのです。
これを「購買力が下がる」と言います。
こんな時は、人々はこう考えます。
「貧しいのは、賃金が安いからだ」
そして、賃金を高くするために頑張ります。
労働者は、労働組合を作って、「賃金を上げるように」企業の経営者たちに向かって主張するのです。
当時の労働組合の人々も、「賃上げ」を主張しました。
そして、彼らは、自分たちの賃金を高くすることに成功しました。
賃金が高くなれば、労働者は助かります。
なぜなら、今までよりも、生活に使えるお金が増えるからです。
これを「購買力が上がる」といいます。
これで、みんながハッピーになったように見えました。
しかし、この後も悲劇は続きました。
賃金が上昇した
労働組合のおかげで、賃金が上昇しました。
労働者の賃金が上昇すると、みんなが一斉にお金持ちになります。
みんながお金を持つと、お店の商品は高くても売れるようになります。
そのため、お店の商品がさらに値上がりしたのです。
つまり、物価がさらに上がったということです。
物価が高くなる
物価が高くなると、人々は、買い物できるモノの量が少なくなってしまいます。
そのため、労働組合は、再び「賃金を高くするように」要求しました。
そして、賃金も高くなりました。
賃金が高くなり、物価も高くなるというスパイラルが始まってしまったのです。
賃金が高くなることと、物価が上がることが、繰り返し起きるようになりました。
賃金と価格の上昇スパイラルにはまってしまったのです。
これを「急激なインフレ」と言います。
急激なインフレになると、国がパニックになります。
どうにかして、このスパイラルを止める必要が出てきます。
中央銀行が金利を高くする
物価と賃金の上昇を止めるために必要なことは、中央銀行が金利を高くすることです。
実際に、当時のアメリカの中央銀行も、金利を高くしました。
そして、インフレを止めました。
金利が高くなると、企業は銀行からお金を借りづらくなります。
お金を用意できなくなると、給料の支払いに必要なお金も用意できなくなります。
すると、企業は労働者をクビにしなければいけません。
インフレは解決したのに、アメリカは、最悪の経済危機に見舞われたのです。