1970年代に、物価が高くなった時に、労働組合は労働者の賃金を上げるように要求しました。
結果的に、労働者の賃金は高くなったのですが、失業者が増えてしまいました。
なぜそうなったのか見ていきます。
賃金を高くする
1970年代のアメリカでは、労働組合は賃金を高くするように要求していました。
なぜなら、労働者の賃金が低すぎて、人々が生活するのが大変だったからです。
労働組合は、「もっと労働者の賃金を高くして、国民を救うべきだ」と主張します。
そして、労働者の賃金を高くすることに成功しました。
賃金が高くなる
賃金が高くなったことは、国民にとって嬉しいことです。
賃金が高くなれば、今までよりも沢山のお金を、生活費として使えるようになるからです。
しかし、企業にとっては、高い賃金を払う必要が出てきます。
高い賃金を払うために、お店の商品を高く売るしかないのです。
企業は、儲からないと、潰れてしまいます。
潰れないようにするためには、商品を高い価格で売る必要があるのです。
物価が高くなる
物価が高くなると、国民はお店の商品が高くて買えない状況になります。
今まで買えていた量よりも、少ないモノしか買えなくなるのです。
悪いスパイラルが始まる
すると、賃金と価格の上昇スパイラルが始まりました。
賃金が上がると、物価が上がります。
そして、物価が上がると、賃金が上がります。
その結果として、急激なインフレが起きてしまったのです。
労働組合が賃金を高くすることを強く主張した結果、急激なインフレを起こしてしまったのです。
インフレーション
インフレとは、物価がどんどん高くなることです。
急激なインフレは、経済に悪い影響を与えます。
また、例えば、レストランでコーヒーを飲んでる間に、コーヒーの値段が高くなっていたりしたら、トラブルになってしまいます。
短期間で、どんどん物価が上がると、普通の生活ができなくなっていくのです。
インフレを解決するために
インフレを解説するために必要なことは、国の中のお金の量を減らすことです。
例えば、企業にお金が無ければ、労働者の賃金を高くすることは出来なくなります。
つまり、企業や個人の手持ちのお金が少なくなれば、インフレが止まるのです。
金利を上げる
当時のアメリカの中央銀行がしたことは、金利を高くすることです。
金利を引き上げた理由は、金利が高いと、企業は銀行からお金を借りづらくなるからです。
銀行からお金を借りる企業が減ります。
つまり、企業の手持ちのお金の量が減るのです。
企業が銀行からお金を借りなくなると、労働者に払う賃金を用意できなくなります。
企業としては、賃金を払いたくても払えないのです。
そして、労働者をクビにしだす企業が増えます。
そのため、失業者が増えてしまうのです。