【高校生向け】政府の介入を最小限にするってどういうこと?新自由主義をイラストで分かりやすく解説
新自由主義では、「政府の介入は最小限にするべきだ」という考え方をします。
政府の介入を最小限にするとは、どういうことなのでしょうか?
見ていきます。
政府の役割
国家が持つ大きな役割の一つが、「富の再分配」です。
「富の再分配」とは、お金持ちから税金を集めて、弱者のために使うということです。
介入とは
このように富の再分配を行うことを「介入」と言います。
介入とは「放置しない」という意味の言葉です。
政府が市場に介入する理由は、貧困層の人々を救済するためです。
実際の社会では様々な形で国家が市場に介入しています。
たとえば、道路やダムや、図書館などみんなで使うものを作ったり、義務教育として子どもを学校に行かせたりします。
また、社会保障制度を充実させて、弱者を守ります。
社会保障とは、例えば、「怪我をして働けなくなったら、お金がもらえる」といったものです。
他にも、「歳を取ったら、お金がもらえる」という年金制度も社会保障の一つです。
「社会保障」という制度をしっかりと作っておけば、極端な貧困は生まれづらくなるのです。
介入のデメリット
しかし、このような介入には、デメリットがあります。
介入のデメリットは、「税金を納める人の負担が大きい」ということです。
基本的には、お金持ちの人の方がより多くの税金を納めています。
だから、介入を増やせば増やすほど、お金持ちの人の負担が大きくなってしまうのです。
そのため、政府の介入に反対する人も多いです。
「政府の介入を減らして、税金の負担も減らしたい」という気持ちから生まれたのが「新自由主義」です
新自由主義
新自由主義では、「政府の介入は最小限にするべきだ」という考え方をします。
つまり、政府の介入を減らすべきだと考えます。
なぜなら、政府の介入が少なくなれば、税金の負担が減るからです。
お金持ちの人たちは、税金の負担が減れば、自分が稼いだお金を自分のものにできます。
そうなれば、ビジネスなどにお金を使うことができます。
会社を大きくして、経済を回してくれるのです。
また、政府の介入が少なくなるということは、政府が助けてくれなくなるということです。
自分で自分を守る必要が出てきます。
そうなれば、働いている人たちは、怠けずにしっかりと働くようになるのです。
新自由主義のデメリット
しかし、新自由主義には、デメリットがあります。
それは、格差や貧困が生まれやすいという点です。
社会保障が少ないので、政府は弱者を救済しません。
元気に働く力がない人々は貧困に陥ってしまうのです。
このように、政府の介入が減ると、裕福な人はより裕福に、社会的弱者は弱い立場のまま、ということになってしまうのです。