マイクロファイナンス
マイクロファイナンスとは、貧しい人々にお金を貸す機関です。
通常、お金を貸すということは、銀行が行っていますが、マイクロファイナンスも銀行と同じことをしています。
しかし、銀行は、貧しい人には、お金を貸しません。
一方で、マイクロファイナンス機関は、貧しい人にもお金を貸します。
貧しい人にお金を貸す
マイクロファイナンスは、貧しい人にお金を貸すことで、多くの人々を、貧困から救ってきました。
しかし、ここで疑問が生まれます。
なぜ今まで貧しい人にお金を貸す人がいなかったのでしょうか?
その理由は、貧しい人はお金を借りても返さないと言われてきたからです。
銀行が貧しい人にお金を貸さない理由
長年の間、銀行が貧しい人々にお金を貸さなかった理由は、「貧しい人はお金を借りても返さない」と考えられていたためです。
銀行が貧しい人にお金を貸しても、お金を返してもらえずに逃げられる可能性もあります。
そのため、踏み倒されないように監視する必要があったのです。
しかし、踏み倒されないように彼らを監視するためには、時間とお金がかかります。
例えば、毎月、わざわざお金を貸した相手の家に行って、様子を見るというのは、コストがかかります。
それに、借り手が信頼できるかどうか、銀行の人は調べられる立場にありません。
村に滞在してないし、村人を知らないからです。
お金を返してもらえなかった時に、チンピラみたいに怖い顔で脅すチカラもありません
銀行は、貧乏な人へお金を貸すことをやめてしまったのです。
マイクロファイナンスの仕組み
そんな中、マイクロファイナンスの創設者は、「貧しい人にもお金を貸すべきだ」と考えました。
今では、マイクロファイナンスの借り手は、1.5億人〜2億人もいます。
しかも、そのほとんどが女性です。
そして、マイクロファイナンスを世界的に有名にしたムハマドユヌスは、ノーベル平和賞を受け取りました。
マイクロファイナンスが成功した理由
それでは、なぜマイクロファイナンスは、このように注目されたのでしょうか?
それは、お金を借りた人のほとんどは、しっかりお金を返済したからです。
「貧しい人はお金を返さない」と言われていたのに、しっかりとお金を返済したのです。
マイクロファイナンスでは、お金を借りた人が、しっかりとお金を返す仕組みを作ることに成功したのです。
その仕組みというのは、「村人どうして監視し合う環境」です。
その方法の一つは、その顧客をよく知っている他の顧客を参加させることです。
つまり、Aさんがお金を借りるためには、友達のBさんに「連帯責任」にさせるのです。
1人の人にお金を貸すのではなく、グループにお金を貸すのです。
マイクロファイナンスの契約では、グループにお金を貸すことになっています。
グループのメンバーは、連帯責任でお金を返すのです。
お金を借りてる人々は、ご近所の前で、「借金を停滞してる」なんて言われたら、恥ずかしいです。
もし、グループの誰かがお金を返さないと、他のメンバーが返済を肩代わりします。
このため、相互監視や、同調圧力が働いて、返済率が高くなったのです。