インドの貧しい地域では、金利の高い融資が行われています。
貧しい人たちは金利の高い金貸しからお金を借りているのです。
例えば、5ドル借りて、一年間返せないと1億ドル近い借金が出来上がるほどの大きな金利で、取引が行われることすらあります。
こんなに金利が高いのなら「その人たちにお金を貸したい」と感じる先進国の人もいるかもしれません。
しかし、そうはなっていません。
なぜなのでしょうか?
見ていきます。
金利
インドの貧しい地域には、高い金利を払ってでもお金を借りようとする人がたくさんいます。
金利が高いと、お金を借りる側への負担が大きいです。
なぜなら、利子が大きいからです。
それなのに、貧しい人々は、それでも高い金利でお金を借りようとするのです。
一方で、お金を貸す側としては、金利が高い時は、嬉しいことです。
少ししかお金を貸してないのに、たくさん返済してくれるからです
そのため、インドの貧しい地域の金貸したちは、高い金利でお金を貸そうとします。
貧しい人たちは、少しお金を借りるだけなのに、たくさん増やして返済しないといけないのです。
疑問点
インドの貧しい人たちは、高い金利を払ってお金を借りています。
これは、お金を貸す側からしたら嬉しいことです。
それなのに、なぜ、アメリカ人などのお金持ちの人たちは、「インドの貧しい人々にお金を貸したい」と考えないのでしょうか?
少しだけお金を貸しただけで、たくさん返済してもらえるなら、「お金を貸したい」と考える人がたくさんいるはずです。
なぜ、先進国の投資家たちは、インドに殺到しないのでしょうか?
信頼関係を築きにくい
先進国の投資家たちがインドに殺到しない理由は、貧しい人を信頼しづらいからです。
貧しい人を信頼できない理由の一つ目は、貧しい人は担保を用意できないからです。
担保とは、お金を返せなかった時に、提供する財産です。
お金を貸す人は、お金を返してもらえるか不安です。
そのため、担保を預かるのです。
例えば、家を担保にするとします。
その時は、お金を借りる人は、担保として、家を預けます。
そして、お金を返せれば、家が帰ってきます。
一方で、お金が返せなければ、家は相手のものになります。
通常は、お金を借りる時は、担保を用意します。
担保があることで、お金を貸す側が安心できるのです。
しかし、そもそもお金や財産がない人は、担保を用意できません。
そのため、信頼関係を築くのが難しいのです。
また、お金を貸す時は、お金が約束通りの使われ方をしているかを確認する必要があります。
例えば、借りたお金をビジネスに使っているなら、そのお金は返ってくる可能性があります。
しかし、借りたお金をタバコに使っている人は、お金を返すことができません。
そのため、お金がちゃんとした使い道で使われているのかを知る必要があるのです。
貸した金額が少なくても、借り手についての情報を集める必要があります。
しかし、情報を集めるためには、村まで訪問する必要があります。
結果として、少ない金額を借りる人にお金を貸す方がコストがかるのです。
だから、お金持ちのアメリカ人投資家がインドの貧しい人にお金を貸そうとはならないのです。
なぜなら、返してもらえずに逃げられる可能性が高いからです。
貧しい人にお金を貸すのは、彼らのことをよく知っていて、監視できる人なのです。